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第57話 新たな依頼


 ――骨のドラゴンの一件から、早3ヵ月。


 『デイトナ』の復興も進み、ある程度は街も元通りになってきている。


 ライドウさんの『アバロン』を始めとした各冒険者ギルドも復興作業からは手を引き、冒険者たちは皆自分たちの仕事に励み始めている。


 そんな中、俺たち『追放者ギルド』はどうなっているかと言うと――



「ヒャハハ! どうだぁ、ヒヨッ子共! 俺様の扱きは苦しいだろぉ!」



 教官となったサルヴィオの指導の下、新人冒険者の育成に力を注いでいた。


 骨のドラゴン――不死身の太古の竜エンシェント・ドラゴンを低ステータスの追放者が討伐したという事実は恐ろしいまでの宣伝になったらしく、パーティを追われた者たちが日に日に『追放者ギルド』の門を叩きに来ている。


 しかし尋ねてくる追放者の中にはB~Dランクの中位・下位パーティに属していた者たちも多く、ほとんど駆け出しに近い新米冒険者もいるほどだった。


 勿論俺としては来歴や人柄に問題のない者は受け入れているため、そんな新規団員たちの育成・経験値獲得をサルヴィオに任せている次第である。


「腹筋、背筋、腕立て伏せ、あと300回! 俺様は冷酷だからなぁ、休憩なんてほどほどにしかやらねぇぞ!」


「は、はい教官!」


「オラァ! 筋トレが終わったら走り込みだ! 足動かせ、足! チンタラしてっと俺様も一緒に走っちまうぞ!」


「き、教官は無理しないでください! また傷口が開いちゃいますから!」


「ヒャハハ、うるせぇ! テメエらが俺様を心配するなんざ、あと100年早ぇんだよ!」


 ……こんな風景が、ここ最近の日常と化しつつある。


 身体が回復したサルヴィオは足に義足を付け、自ら訓練に参加できるほどになっている。


 しかし彼の性格柄、たまに無茶をして新人たちに心配されているようだ。


 俺も無理しないようにと、もう何度も言ったんだけどなぁ……


 とはいえ彼は新人たちに慕われているようだし、優れた教官であるのは間違いないだろう。


 俺が執務室の窓から、そんな微笑ましい外の景色を眺めていると――


『アイゼン様、いらっしゃいますか? ヴィリーネ・アプリリアとコレット・ハスクバーナ、只今戻りました』


 コンコン、というノックと共に声が聞こえた。


「ああ、入っていいよ。2人ともお帰り」


 俺が答えるとドアが開き、ヴィリーネとコレットが顔を見せてくれる。


「はい、アイゼン様もお変わりなく。今回の依頼も、無事済ませてまいりました」


「ウチも戻りましたよ、マスターさん! 褒めてくださいっス!」


 依頼終了の報告をしてくれるヴィリーネ。


 これも骨のドラゴン討伐の評判があってか、『追放者ギルド』には定期的に依頼が舞い込むようになっていた。


 そこで団員たちに仕事を与えるために、ヴィリーネやマイカにはある程度の経験を持つ新規団員を選出させて依頼をこなしてもらっている。


 この場にいないマイカも、今頃は団員たちを引き連れてダンジョンに潜っている最中だろう。


 コレットにも、もう少ししたらサルヴィオが鍛えた団員を預けようと思っている。



 ――ようやく、『追放者ギルド』がギルドらしくなってきた。


 少し前までは夢物語だったのに、今では立派な所帯を抱えている。


 ここまで来たんだなぁ、と我ながらしみじみ思ってしまう。


 とはいえ、俺の最終目標は追放ブームの終焉と低ステータス者差別の根絶。


 その現実はまだまだ遠い。


 だからこそ気を抜かずに、努力を続けねば。


 などと思いつつ、俺は改めてヴィリーネとコレットを見る。


「うん、ヴィリーネもコレットもよく依頼を果たしてくれたね。特にヴィリーネはまだリーダーの立場も慣れていないのに、よくやってくれているよ。本当に成長したね」


「そ、そんな! 私は役目を果たそうとしているだけで……アイゼン様にそこまで言われたら、照れちゃいましゅ……」


 顔を真っ赤にして湯気を出し、恥ずかしそうに俯くヴィリーネ。


 相変わらず謙虚で可愛らしいなぁ。


「あ~! ズルいっスよ、マスターさん! ウチは褒めてくれないんスか!?」


「そんなことはないよ。コレットも頑張りもよくわかってる。だから近い内に、キミにも団員を何人か預けようと思ってるんだ」


「ホントっスか! えへへ、後でサルヴィオの兄貴にも自慢してきまスね!」


「ああ、そうするといい。彼も喜ぶと思う。とにかく今夜はゆっくり休んでくれ。他のメンバーも俺から労っておくから。……それと、2人には先に伝えておきたいことがある」


「? はい、なんでしょう」


 俺の言葉に、不思議そうに首を傾げる2人。


 俺は言葉を続け、


「……覚えているかな、前にメラースさんが『追放者ギルド』に仕事を任せるかもしれないって言ってたのを。それが正式に決まったんだ」


「ああ、そういえばサルヴィオの兄貴のお見舞いに行った時、そんなこと言ってたっスよね。だけどメラースさんだって凄いギルドを持ってるじゃないっスか。なんだってウチらに?」


「依頼の内容からして、俺たちが適任ってことなんだろう。もしかしたら、他にもなにか別な理由もあるのかもしれないけど……。とにかく難しい仕事になると思う。この依頼は、久しぶりにヴィリーネ、マイカ、コレットの3人を集めたい。メラースさん直々の依頼だし、念のために俺も同伴するよ」


「わかりました、アイゼン様のことは必ず私たちがお守りします。それで、その依頼の内容とは?」


「――『聖都フランコルシャン』という街で、上位ランク冒険者が次々と失踪している。俺たちの仕事は、その事件の原因を探ること。ただ……姿を消した冒険者たちは全員、仲間を追放した過去があるらしくてね。もし人為的なモノだとすれば、犯人は……そういう上位ランク冒険者に激しい恨みを持つ〝追放者〟の可能性が高いそうなんだ」



 皆様お久しぶりです&新年あけましておめでとうございます(激遅)


 12月には更新再開できると思っていたら、紆余曲折あって全く再開できませんでした……

 本当に申し訳ありません……(´;Д;`)

 正直、もう話の内容を覚えていられる方は少ないかもしれませんね……orz


 大変長らくお待たせしましたが、ようやく情報解禁できます!

 本作は「ようこそ『追放者ギルド』へ ~無能なSランクパーティがどんどん有能な冒険者を追放するので、最弱を集めて最強ギルドを創ります~」とタイトルを改め、3月1日に角川スニーカー文庫様より書籍版が発売されます!!!


 内容に関しては最初から最後までほぼ手を入れられているので、第1巻の約半分のページが新規に書き起こされることとなりました。

 文字数で言うと5万字超くらいですかね?

 もはや別物と言ってもいいレベルになってます(o´▽`o)

 (改稿作業はそりゃもう大変でしたよ……えぇ……)

 近々キャラ立ち絵や表紙も公開できると思いますので、書店で見かけた時はぜひ手に取って頂けると幸いです。



 それから第4章なのですが、個人的に話の出来に満足していなかったのと、久しぶりの更新再開となってしまいましたので、思い切って

 〝同じテーマとキャラクターで新規に書き直す〟

 こととさせて頂きます。


 第4章は内容を覚えている方も少ない?と思いますので、この機会に読み直して頂ければ嬉しいです(*´v`*)


 それでは、新第4章をお楽しみください!


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― 新着の感想 ―
[一言] お盆休みに一気読みし始めました 聖都フランコルシャン…… 天気が不安定な地域だったり オールージュと呼ばれる急坂がありそう…
[一言] 帰還お待ちしておりました!あとがきの件…要するに書籍化の際、大量の書き下ろしに時間がかかり、それにともないweb版四章のリメイク…で合ってるならば承知!またゆっくり待ちます!
[良い点] 安定のサルヴィオ兄貴教官で安心しましたwww
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