表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/62

第29話 アクア・ヒュドラをぶっ倒せ!!!


『ショオアアッ!?』


 アクア・ヒュドラにどれほど知性があるのか知らないが、奴の反応はとても驚いたようだった。


 Sランクパーティの重装士(タンク)ですら一撃で屠る凶悪なウォーター・ブレス。


 それが無防備にも突撃してくる1人の少女に無力化されたのだ。


 驚くなという方が無理だろう。


「はああああああああああッ!」


 脇目も振らず、前へ前へと突き進むヴィリーネ。


 ブレスがダメならば――とばかりに、アクア・ヒュドラの多頭が一斉に襲い来る。


「マイカ! ヴィリーネの援護を!」


「わかってる! 物理を無効化できるのは3回までよ! 無駄遣いはできない!」


 マイカは持っていた大きな杖を構え、その先端をアクア・ヒュドラへと向ける。


「風よ――〈ストーム・ブレイド〉!」


 マイカが発動したのは風の魔術。


 斬撃の如き疾風がアクア・ヒュドラの多頭を迎え撃ち、幾つかの蛇の頭を斬り刻んでいく。


 だが、瞬く間にアクア・ヒュドラも傷を再生してしまう。


 そしてヴィリーネに食らい付こうと、彼女へ攻撃。


「――ひゃあ!」


 だが【(かんなぎ)の祝福】によって1度目の攻撃が無効化され、蛇の頭は弾かれる。


 マイカの〝隠しスキル〟が彼女を守っている証拠だ。


 しかし、そのスキルが発動しているということは――


「くっ、やっぱり低燃費な魔術じゃ時間稼ぎにもならない……! もう魔力を出し尽くすつもりでいくわ! ゴメン、マスターも手伝って!」


「ああ、任せろ! これでも――くらえ!」


 俺も走り出し、手に持っていた爆発ビンを助走をつけて投げる。


 ビンは直撃、爆発によって蛇の頭はひるむ。


 もっとも、お世辞にも効果的とは言い難い。


「氷よ――〈フロスト・ノヴァ〉!」


 次に氷の魔術を使うマイカ。


 この攻撃によって複数の蛇の頭が凍結し、氷のように固まる。


 そこに向かって俺が爆発ビンを投げ込むと、凍り付いた頭は粉々になって砕けた。


 それによって僅かに隙が生まれ、いよいよヴィリーネがアクア・ヒュドラの間合いに入る。


「よし、ここまで来たら――ひゃうっ!」


 いよいよ攻撃に移る――その直前になって、彼女の左右から蛇の頭が挟撃してきた。


 これで――防いだ回数は3回。


 もう物理攻撃は防げない


 挟撃に驚き、怯んだヴィリーネの真上に――蛇の大口が迫る。


「このッ! もう1回くらいなら氷で――!」


「いや――マイカ、閃光(・・)だ!」


 ここで打つべき一手は、攻撃じゃない。


 咄嗟にそう判断した俺は叫んだ。


 マイカも、間髪入れずに反応する。


「! ひ、光よ――〈フラッシュ〉!」


 ――マイカの杖から、強烈な光が放たれる。


 とても目を開けていられないほどの閃光で、アクア・ヒュドラの多頭も一瞬動きを止める。


 だが、その一瞬の中でヴィリーネだけは動くことができたのだ。


 俺やマイカに対し背中を向けていた、彼女だけは。


「はああああッ!」


 大きく跳躍し、アクア・ヒュドラの胴体に向かって飛び込むヴィリーネ。


 しかし相手も寸でのところでそれに気付き、再びウォーター・ブレスを放つも――やはり今の彼女には効かない。




 そして遂に――――ヴィリーネは、アクア・ヒュドラの胴体に剣を突き刺す。




 同時に――アクア・ヒュドラの動きが止まった。


 ……よく見ると、彼女が剣を突き立てた場所だけ鱗が逆さまになっている。


 逆鱗という部位だ。


 ヴィリーネの目には、そこが奴の弱点なのだと見抜けていたのである。


 ――グラリ、とアクア・ヒュドラの巨体が倒れ、湖の中へと沈んでいく。


 ヴィリーネもアクア・ヒュドラの身体から離れて、地面の上に着地した。


「…………た、助かったぁ……」


 ハアハアと息を切らし、大の字になって寝転ぶ彼女。


「や――やった、やったぞっ!」


「たお、した……? アタシたち、あのアクア・ヒュドラを倒したんだわっ!」


 俺とマイカの中で勝利の喜びが瞬間沸騰し、急いでヴィリーネの下へと駆け寄る。


「やったぞヴィリーネ! 大手柄だ! 本当に凄いぞ!」


「先輩! アタシたち生きてるのよ! 生きて……皆で勝ったの! 良かった……本当に……っ!」


 グリグリグリグリと、疲れ果てたヴィリーネを抱きかかえて頬ずりする俺とマイカ。


「や……やりましたぁ……私、もう役立たずなんかじゃ……かくっ」


 緊張の糸が切れ、ヴィリーネは意識を失う。



 ――この日、この瞬間、俺は改めて確信した。



 追放者は無能なんかじゃない。


 追放者はステータスの低い役立たずなんかじゃない。



 彼女たちは、それを証明して見せた。


 彼女たちなら、きっと追放者と蔑まれた者の未来を変えてくれる。



 俺の始めたことは、俺の想いは、間違ってなかったんだ――と。


ブックマーク&評価をお待ちしております!


評価はページの下にある【☆☆☆☆☆】をタップして頂ければ幸いです。


何卒、お願いします……!(゜∀゜ 三 ゜∀゜)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公の戦闘力が低すぎる。
[気になる点] >>「いや――マイカ、閃光・・だ!」 文で読めば理解できるんですけど、戦闘中の一瞬に「せんこう」と言われて即座に光の魔法に切り替えるのはマイカの判断力すごすぎ
[一言] 主人公は鑑定しか取り柄が無いのが残念。これからも仲間が増えて行く事を考えると戦えない主人公は邪魔でしかない。主人公も鑑定眼だけじゃなくて、チート級の支援魔法が使えればもっと面白くなりそうです…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ