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第13話 冒険者ギルド代表会議③


「これも皆周知しているだろうが、〈ステータス・スカウター〉の登場で高位冒険者パーティがステータスの低い仲間を追放するのが流行している。世間では〝追放ブーム〟などと叫ばれているが……」


 主にSランクパーティなどが、ステータスが低いといった理由で仲間を追放する行為。


 これは冒険者ギルド連盟の中でも問題視されていた。


 冒険者パーティで入団・脱退が繰り返されることによってメンバーが変わっていくのは特別珍しいことでもないし、一概に悪いことでもない。


 初めから一定期間という契約の下でパーティに加入している者もいれば、他のパーティの方が実力を発揮できるからという理由で抜ける者、もっと上位のパーティで活躍したいと上を目指す者など、必ずしも排斥されて脱退するとは限らないからだ。


 勿論、中にはパーティ内の不和を理由に抜ける者もいるが、絶対的な数は多くない。


 いずれにしても、これまではギルド全体で問題になるようなことではなかったのだ。


 しかし、昨今の〝追放ブーム〟は次元が違った。


 冒険者ギルドを覗けば誰かが追放されている、などと囁かれるように連日連夜パーティから冒険者が追放されているのである。


 元々は〈ステータス・スカウター〉が出回り始めた初期の頃、ごく一部のSランクパーティがより高い成果を得るために始めた行為だった。


 しかし今ではすっかり流行と化してしまい、巷にはステータスを理由にパーティを追われた冒険者が溢れ返っている。


 挙句の果てに、Sランクパーティを真似してAランクやBランクのパーティも〝追放ブーム〟に便乗し始める始末だ。


 これは冒険者ギルドにとっても由々しき問題であり、まず入団・脱退を早いスパンで繰り返されたせいで管理面の不備が発生し始めており、界隈の風土や治安も悪化していた。


 追放者の中にはパーティを恨んで刃傷沙汰に及んでしまった者もいる。


 一刻も早く〝追放ブーム〟を取り締まり、規制を掛けたい。


 少なくとも、総代であるジェラークはそう考えていたのだが――


「ハッ、いいことじゃねえか! Sランクパーティに強い奴が入ってくることで戦果が上がるなら、それに越したことはねぇ。強者のみが生き残る冒険者の世界で、弱者は排斥されて然るべきだ。ステータスの低い雑魚に用はねぇんだよ」


 嬉々としてヴォルクは言う。


 そうなのだ、一部のギルドマスターたちはこの流行を善しとしている節がある。


 強い冒険者や高位ランクパーティを優遇するギルドマスターにとっても、自ギルドで活躍してくれる者たちが増えてくれるのは率直に益のある話なのだ。


 冒険者の世界が弱肉強食なのは間違いないし、確かにヴォルクの言う通り高ステータス者が加入したことで成果を上げているSランクパーティもいる。


 それは事実の一端だ。

 

 ――だが、それもあくまで一部の話。


 冒険者ギルド全体で見れば、成果より混乱の方が大きい。


 それに噂によれば、低ステータスの冒険者を追放して高ステータスの冒険者を加入させたパーティの多くが以前より弱体化している、という情報もジェラークは掴んでいた。


 この流行が続けば冒険者たち、ひいてはギルドの運営に多大な支障をきたす。


 そしてなにより――ジェラークは、多少ステータスが低いからなどという理由で仲間を追放する行為それ自体が許し難かった。


「ヴォルクよ……冒険者たちが栄光を求め、より強い仲間を求めることは罪ではない。だが真の成長や利得というのは、目に見える数字のみによってもたらされることはないのだ。目の前の利潤ばかりを追う者には……いずれ破滅が待っているぞ」


「おいジジイ、冒険者に必要なのは絆とか思いやりだとでも言うつもりか? くだらねえ、アンタももうろくしたもんだな。いい加減に引退して、俺にギルドの全権を委任したらどうだ? そうすりゃ徹底的に弱者を追放して、これまで以上にギルドを――」


「……思い上がるなよ、若造」


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― 新着の感想 ―
[一言] 学歴社会の現実世界も同じだよな。 点数さえ良けりゃ例え性格が屑だったとしても全然OKだ。 その点数も本物の実力、それともカネかコネの力なのか。
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