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第23話 人の限界点



 竜巻が、俺の体を切り刻んでいた。

 そうとしか言いようがない。

 何の前兆もなく、攻撃を受けた感覚もなかった。

 全身のあらゆる部位が突然血を噴いたのだ。

 何が起きたのか?

 答えは目の前にいた。


 ___古龍。


 音速を超えて肉薄した圧倒的巨躯から発生する衝撃波が、真空の刃となって俺に降り注ぎ、衝突。皮膚上に生じた急激な圧力変動により、人体の肉を破裂せしめたのだ。

 さながら、カマイタチのように。

 だがおかしい。

 ならばなぜ、俺は『音速』の域にいる?

 なぜ音速を認識できてしまっているのか?

 答えは自分の頭にあった。


 ___加速。


 無意識的に自分の『死』を直感し、理性で抑え込んでいた禁断の領域の力を、本能が無理やりに表へ引き出していたのだ。

 びり、と何かが破れるような幻聴がした。


「う___ァァぁあああああああッ!!」


 真っ白になりかけた頭を咆哮で現実に引き戻し、俺は全力で刀を振るった。直後、凄絶な衝撃。右腕が小枝のように砕け散り、体が紙屑のように吹っ飛ぶ。

 しかし古龍との距離が変わらない。

 全く同じ速度で俺を追随しているのだ。本能的な恐怖で再び加速を行おうとする頭を、無理やりに抑え付ける。

 宙をほぼ水平に飛んでいく俺は、自分の顔から零れた血の雫が、空中に点々と弾けるのを見た。頭を鋭く抉る激痛も、限界一歩手前の状態で生命の飛躍を使ったことによる反動なのだろう。

 次、加速を使えば確実に死ぬ。


「ぐ……!!」


 だが狂った龍にとって、そんなことは些事にすぎない。

 激しい頭痛の中、必死で腕の再生へ力を注ぎ込む俺に容赦なく、突進を上回る速度で古龍の爪が襲いかかる。

 余りにも速過ぎる。空中では回避行動も取れない。

 死んでしまう___

 

『___させるかぁ!』


 刹那、俺の全身を六角形のパネル群が覆う。

 ガガガガッキキキキン!と尽きせぬ火花が散り、龍の爪とルシの魔法とが熾烈な拮抗を演じる。

 かに見えたが、三秒と経たずに魔法障壁に亀裂が走り、


『っ、く……魔力、が___』


 崩壊した。

 ルシの呆然とした声が耳に届いた瞬間、俺は腰の鎖を断ち切って魔導書を蹴り飛ばした。同時、直感のみで再び刀を薙ぐ。

 え、とルシが呟くのを最後に聞き、


「がっ」


 治癒したばかりの右腕が、またしても弾け飛んだ。

 錐揉み回転しながら吹っ飛んでいるのか、上下左右前後の区別が全くできないまま、腕の激痛を感じる暇もなく、俺は何か硬い壁のようなものの中に頭から突っ込んで、気を失った。



 ***



 ズン……と地面が揺れ、俺はびくりと目を覚ました。

 一瞬状況が分からず、自分の呼吸の音が妙に頭に響いていたが、すぐそばで木っ端ががしゃりと崩れ落ちた音をきっかけにして一気に直前の記憶が巻き戻った。

 慌てて起き上がろうとするが、指先一本すら動かない。辛うじて首を曲げ、自分の体を見下ろしてみると、


「……ごぼっ」


 呻き声を上げることすらできずに、俺は吐血した。

 体が、真っ黒だった。それが全て血の色だとは、とてもではないが信じたくない。

 右腕はひしゃげているが、辛うじて繋がっているようだ。

 粘り気のあるどす黒い液体が顎を滴り、灼熱の鉄で炙られているかの如き激痛が体中の痛覚をこれでもかとばかり苛んでいる。

 まだ生きているのが不思議なくらいだった。


(ここは……)


 失血しすぎたからか、頭の回転がひどく鈍い。

 焦点が合わず視界がぼやける。何度か瞬きするとピントが合い、どこか見覚えのある光景が目に入った。

 目の前には大穴の開いた木造の壁。木屑の散乱した床の上に俺は横たわっていた。大破したゆりかごが脇に転がっている。


「……」


 ズン、と再び地面が揺れていた。

 俺は悲鳴を上げる筋肉に無理やり力を流し込み、体を起こした。がくがく震える脚に喝を入れ、何とか膝立ちになる。


「俺の……家……?」


 ズン、と先ほどより大きな震動が伝わる。

 俺はふらふらと歩いて、木っ端微塵に砕けたログハウスの壁から外を見る。古龍や、他の魔獣の大群の姿は見えない。

 どうやら俺は、古龍にここまでかっ飛ばされたらしい。

 古龍のブレスを防ぐ、それ以前の問題だった。

 一撃すら防ぎ切れずに吹っ飛ばされて___ルシがいなければ、今ごろ俺は微塵切りにされていただろう。為す術もなく、手も足も出ず、ルシの魔力が尽きて……万策も尽きた。

 ズン、とまた大地が揺れ、森の梢がバキバキと音を立てた。


『……ます、たぁ』


 魔導書がふよふよ蛇行しながら俺のそばに寄る。

 彼女には謝らねばなるまい。信じてくれたのに、頑張ってくれたのに、応えられなくて申し訳ない、と___そう思っても、口から溢れるのは紅血だけだ。

 黙ったまま動けない俺の腹に、ルシは軽くぶつかって、いつものようにぺとりと腹這いに張り付いてきた。


『どうして……ボクを、庇ったの?』


「……」


『ボクは、神器だから、この世界で死んじゃうこともないから……古龍の攻撃……盾にすることだって、できたのに』


「げほ……アホか」


 血と一緒に嗄れ声が出た。


「傷つく、傷つかないの問題じゃ、ないだろ」


 ただでさえ助けられっぱなしだというのに、その上恩を仇で返すような真似までしたら、自己嫌悪で死にたくなる。

 そもそも、彼女が俺を庇う必要などないというのに。


『でも』


 ぽう……と、ルシは小さな青い魔法陣を生み出す。

 小さな蒸気を上げて俺の体が回復し始め、痛みを通り越して感覚が無くなっていた指先にわずかな温かみが戻る。


『それで、マスターが死んじゃったら……意味ないじゃないか』


「……」


『お願い……もっと、自分を大切にして』


 どこか、縋るような声だった。

 バキバキと悲鳴のような破砕音が森の方から鳴り響く。背の高い木々が倒れ行き、ばさりと黒い影が上空へ舞い上がっていた。

 森を進むのが面倒になったのだろうか。

 どうやら古龍は、空から攻撃することにしたらしい。

 体を大きく仰け反らせて、大きく開かれたその両顎で周囲の魔力を吸い込んでいる……ざわざわと森が呻き、遥か高みに広がる灰色の雲が渦を巻きながら古龍の喉へ降りていく。

 さながら、天を丸ごと呑み込まんとするかの如く。


「死んじゃうかも、しれないな」


 龍の代名詞でもある『ブレス』の攻撃だ。

 あれは、今の俺やルシでは太刀打ちできそうもない、途方も無い威力を秘めた一撃なのだろう。


『それでも……引かない、ってこと?』


「うん」


 息を止め、俺は右腕へ一気に『力』を流し込んだ。

 ベキゴキと壮絶な音を立てて骨が修復され、雷に焼かれたような激痛に悲鳴すら出ず___しかし、その苦痛は始まりと同じように唐突な終わりを迎えた。

 相変わらず指先から血が滴っているが、痛みはあっさりと消え、痺れるような感覚だけが残っている。


「悪いな、ルシ。わがままばっかり言って」


『……本当に……困ったマスターだよ。昔からずっとそう。自分のことはいつも後回しにしてさ』


 昔、と言ってもルシと出会ったのは三ヶ月ほど前のはずだが。

 しかし今、そんな無粋なことは言うまい。


『でも、そうだったね。マスターはそういう人だから、ボクが一緒にいないと早死にしちゃうもんね』


「……耳が痛いな」


『だから、最後までお供するよ。マスター』


「うん。ありがとう、ルシ」


 今更だが、俺はどうも自分の優先順位が低いらしい。

 こんな満身創痍になっても、背後に、守らねばならない人がいると考えるだけで……体の底からこんこんと気力が湧いてくる。

 まあ、明らかに異常なことだろう。

 本来なら自己防衛に徹するべきこの状況で、こうして刀を握り、死の恐怖すら抑えて前へ進もうとしているのだから。

 それはそれでいい。問題はその先にある。


「すー……はー……」


 俺は古龍にこう言われた。

 殺す気で来いと。

 そしてその上で___子を守ってくれと、そう頼まれたのだ。

 力もないくせに獣人も魔獣も救いたいとか、そんな甘っちょろい考えで止められる相手ではなかった。

 生半可な意思で挑んだのがそもそもの間違いだった。


 医学を身につけた。

 剣を上手く扱えるようになった。

 だからなんだ。

 そんなものは古龍にとって子供騙しもいいところだろう。

 今度こそ、俺は『覚悟』を決めねばならないのだ。


(___殺す)


 ここで古龍を止める。もう迷ってはいられない。

 ギリギリと砕かんばかりに刀の柄を握り締め、上空で莫大な魔力をあぎとに蓄えた黒い龍を睨み付け___

 

「水を差すようで悪いがな」


 その時、背後からの声に、俺は動きを止めていた。

 しかし古龍の攻撃は止まらない。

 森羅万象の魔力を束ねた漆黒のブレスが、撃ち出される。


「お前さんにゃ、まだ借りがある。だからよぉ」


 それはついさっき、魔法で村の反対側に転移させたはずの男の声だった。否、先ほどとは少しだけ違う……力強い信念が込められた芯ある声だった。確固たる意思を秘めた狼の___


「ここで死んでもらっちゃ困るんだよ馬鹿野郎!!」


 どこからか飛び出したのは、光を帯びた純白の火球だった。

 広範囲を一度に殲滅せしめる巨大な黒い火球に対し、白い火球は矢のように細く彗星のような尾を引いていた。先端へ一極集中して敵を穿つ必殺必中の威力と速度。

 互いを引き寄せ合うように宙空で激突する黒白のブレス。

 衝突の余波で大気が同心円状に吹き飛ばされ、相反した色が双方喰らい合うように激しく鍔迫り合いをする。

 刹那、


「___ッ!!」


 何者にも染まらぬはずの黒色が、白く塗り潰された。

 古龍の血走った黒い眼が驚愕に歪む。なお威力を失わず飛翔した白き一矢を避けきれず、龍の左翼にぶち当たる。


「ハッ、古龍とやらも大したことねぇなァ___っと!」


 だが、墜落するかに見えた古龍は、右翼をどう動かしているのか螺子釘のように回転しながら高速で突貫を仕掛けていた。先に雑魚から処理しようとでも言うのか、古龍の双眸が見据えるのはブレスを打ち破ったラウルではなく俺だった。

 狼獣人はログハウスの屋根上で仁王立ちしたまま、不敵な笑みを浮かべて大声で叫ぶ。


「ほーれ、接近戦はお前らの仕事だ!」


 その笑みに応える白い影が、二つ。

 黒い二重螺旋を描いて肉薄する龍の両拳に対して、俺の目の前に降り立つ一対の猛獣が、構える。


「___偉そうに言ってんじゃないよポンコツ!」


「___相変わらず世話が焼ける」


 顕現されたのは、莫大な魔力が込められた二つの天稟術。

 古龍の黒い爪と白い双閃が衝突、凄まじい反動に土が捲れ上がり大地がクレーター状に凹む。暴風じみた余波で砂利が散弾のように四方八方へ吹っ飛ばされていた。

 両腕に左右五対の長大な刃を備えたアウローラと、無数の剣から形作られた巨大な翼を四枚背中に携えた村長。

 質量速度共に世界最大級の一撃を真正面から受け切った二人は、止まらず、さらに一歩___踏み込んだ。

 裂帛。

 轟音が響き、さらに陥没する地面。

 ふわりと龍の巨躯が浮かぶ、冗談のような光景のとどめに、


「___お膳立て、ありがと」


 たん、と軽快なジャンプで龍の頭部に接近した一人の狼少女が、その刀のような右脚を、真上に構えていた。

 空間が歪むほどの濃密な魔力を纏ったその脚から、


「せァッ!」


 古龍の脳天目掛けて振り下ろされる、踵落とし。

 質量的な問題で言えば、少女の脚力がどれほどの威力を発揮したとしても、慣性やら何やら影響で彼女の方も吹っ飛んでしまうのは自明の理である。故に蹴りが『振り抜かれる』ことはない。

 はずなのだが___次の瞬間。

 狼少女は完全に右脚を振り下ろした状態で滞空し、古龍は地面に叩き伏せられていた。爆撃じみた音が一瞬遅れて響く。

 物理法則さんが裸足で逃げ出したようだ。


「ふう。ユイ、無事?」


「お、おう……」


 ……何て言うか、俺は本当に前座だったんだなと。

 凶暴極まりない蹴撃を古龍に見舞ったリナは、なんてこともないように服の裾を整えつつこちらを見、ぎょっとした顔になる。


「ちっ、血まみれじゃない!? どこが無事なのよ!」


「いやな、さっき飛んできた砂利に右眼持ってかれたけど……それ以外は大分治りかけというか何と言うか」


『え……古龍より、砂利の方が深刻なダメージって、どうなの』


 再生能力がほぼ存在しない内臓の大部分や脳には、生命の飛躍の恩恵が薄い。眼球だって同じことだろう。

 腕の複雑骨折とかは治ったのだが、内臓の方に蓄積された深刻なダメージは残っているようで、体内が燃えるように熱い。

 そして右目も超痛い。

 そんな俺の傍で、弱々しくツッコミを入れながらも治癒魔法陣を創り出そうとする魔導書。だが魔力が足りず、自らを浮かしている浮遊魔法も切れてぽとりと俺の腹に落っこちた。


『うぅ……ま、すた……』


「ルシの方が重傷です」


「こんな時に何ふざけてんのよ!」


 ふざけてるつもりは全くないのだが。

 というか、リナもラウルも村長もアウローラも当たり前のように参戦してるけども、なぜ彼女たちがここにいるのだろうか。病人を含め、既に避難を終えたということなのか?

 ……戦いが始まってからそんなに時間が経ったのか。

 どうも時間の感覚が曖昧だ。


「リナ、避難は……」


「とっくに終わったわよそんなの。ユイがいつまで経っても帰ってこないから、こうして助けに来てあげたんじゃない」


 淀みない言葉。棒読み、とも言える口調だった。

 実際俺もそこまで時間を稼げた自信はない。一応色々と頑張ったはずだが、古龍にぶっ飛ばされた場面ばかりが記憶に残る。

 俺って本当弱いなぁと泣きたくなる。


「避難、してないんだな。リナのうそつき」


「ノエルとの約束を先に破ったのは誰だったかしら?」


「……」


「ユイのうそつき」


「……。ごめんなさい」


 そんな俺のために、獣人たちはここまで戻ってきてくれたのだ。魔獣から逃げるのではなく、正面から迎え撃つために。

 村に少なくない被害が生じるであろうことも、承知の上で。

 

「おいお前ら、イチャコラすんのは後にしろ。ユイは下がっとけ。奴さんまだピンピンしてやがる……サラ、フリア!」


「は、はい! ユイさん、こ、こっちに来てください」


 血走った眼を見開いて立ち上がる古龍に、近接特化の獣人二人が牽制を仕掛けて十メートルほど吹っ飛ばしていた。

 その間にラウルが合図し、フリアがちょこまかやって来る。

 リナは陽炎のような何かを動かして余波を防いでいた。


「いや、でも……古龍は俺が」


 俺の手を引っ張る猫少女だが、退く訳にはいかない。

 古龍との決着は俺がつけねばならない。

 もう傷は治った。まだ戦える___とフリアの手を振り解こうとしたとき、いきなり腰を掴まれて宙釣りにされた。


「うぉ、何!?」


「大人しくなさい」


 手足をジタバタさせながら振り返ってみると、背中に大きな剣を背負った女獣人がいた。頭のてっぺんから濃いピンク色のアホ毛が生えている。どこかで見た顔だが……。

 それよか腰に巻きっぱなしの鎖が腹に食い込んで痛い。


「ここは俺たちに任せてくれねえか、ユイ」


 腹と鎖の間に手を差し込んで痛みを和らげていると、ラウルが背を向けたままそう言ってきた。


「……けど」


「けどもクソもねえ。大体お前な、戦うったってそのひん曲がった剣でどう戦うっつーんだアホ」


「ひん曲がっ……え?」


 右手に握ったままの刀に目を落としてみる。

 刀は折れてこそいなかったものの、刀身の半ばと根元の二箇所で歪な稲妻形に曲がっていた。かなり重心が変わってしまっているのに気付かなかったのは……右腕の痺れのせいだろうか。

 一歩間違えれば俺もこうなっていたかと思うと、身の毛がよだつものがある。よく生きてたな俺。


「任させてくれ。負けやしねぇからよ」


「お義父さん……」


「ああ、礼には及ばねえ。ユイには助けられてばっかで___おいコラ待ててめえ誰がお義父さんだぶっ飛ばすぞ!」


「戦闘中だぞラウル。義息子のことなど放っておけ」


「義親子喧嘩は他所でやりなァ!」


「いつから村公認の番になりやがった!? てかお前ら『義』って逐一付けんのやめろわざとらしいんだよクソッタレがッ!」


 前線で戦いながらお茶目な援護射撃をする余裕があるというのは賞賛すべきところなのだろうか。

 いずれにせよ、竜獣人と熊獣人は息ぴったりだった。

 戦い方も言い方も、まるで打ち合わせていたかのように。

 まるで、互いを知り尽くした夫婦のように___


「……あれ、もしかしてあの二人ってうおわわ」


「こっちに来なさい。フリアも。治療を始めるわよ」


「はい、母さま!」


 結論に至る前に、俺はアホ毛の女獣人に掴まれたままログハウスの中に引きずり込まれていた。

 いや、いい加減に降ろしてほしいのだが。

 ていうか、言い出しっぺの俺が言うのもなんだが、あんな悪ノリされるとリナが怒り出しそうで怖い。俺なんかとけっこん(仮)とか嫌なんじゃなかろうか。

 と、その時、途中からずっと顔を俯かせていた狼少女が、一言、こう言っているのが聞こえてしまった。


「ユイと、夫婦……」


 リナは村長とアウローラの二人をじっと見つめていた。

 頬を仄かな桜色に上気させて、ちらりと俺の方を振り返る。


「……っ!」


 目が合った瞬間、リナの獣耳がぞわわと逆立った。

 狼少女は頬を赤くしたまま、しかしどこか決意を新たにした顔で踵を返し、戦場へと戻っていった。



お読みくださり、ありがとうございます。

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