表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルカディアの子ども  作者: 梨香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/24

新しい仲間

 次の日から、ヨナ、ジミー、ヨシと一緒に学舎に通う。


 勿論、毎朝、(キラービー)火食い鳥(カセウェアリー)の世話は欠かせないし、朝食の用意もするよ!


 私とサリーの時は、オリビィア師匠が連れて来たけど、昨夜、ピザ屋でメンター・マグスと会っているからね。


 今日は、私とサリーが引率していく。


「水筒を持ってきて」


 台所で、水筒にレモネードを入れる。サリーが冷やしてくれた。

 夏ならすぐに温くなりそうだけど、秋だから冷たいままじゃないかな?


 私とサリーは、初日に失敗したので、三人には水筒を持って行かせるよ!


 幸い、バンズ村から三人は水筒を持ってきていたからね!


 それに……今日は、私の苦手な武術関連の日なんだよね。水筒は絶対に必要!


 マスター・マグスには、昨夜、ピザ屋で会っているけど、ヨナ、ジミー、ヨシは挨拶する。


「バンズ村から来たヨナです。弓スキル持ちの三歳です。弟のヨシとよろしくお願いします」


 ヨナはグリーンの髪を伸ばして、後ろでくくっている。

 狩人の村の人は、ほぼこの髪型だけど、しなやかな身体に沿っていて、よく似合う。


 男子どもの目がハートだ。美少女だからね。


「ジミーだ。斧スキル持ち。もうすぐ三歳になる」


 もうすぐ? サリーはもうすぐ三歳になるけど、ジミーは私と十日違いだよね? 冬生まれじゃん! 二ヶ月先は、もうすぐじゃないと思うよ!


 ジミーは森の人(エルフ)には珍しい短髪なんだよね。

 青い髪が長いのも格好いいと思うんだけど、ラング村では洗うのが面倒臭いと思ったのかも? 伸ばせば、良いのにね!


「ヨシです! もう少しで二歳になります! 知識スキルです。よろしくお願いします」


 二歳になるんだ? ちょっと早めに言っている気がするけど、秋生まれだったかな? 冬じゃないの? 男の子って少しでも大きく言いたいのかな?


 ヨシもヨナと同じグリーンの髪だけど、中途半端な長さだよね? ジミーみたいな短髪ではないし、かと言って後ろでくくれるほど長くない。


 あっ、前世のおかっぱ! 何か思い出せなくて、もやもやしていたのがスッとしたよ。


 髪の毛が短いから、より幼く見えるのかもね。ジミーみたいな野生児オーラが出ている子は別。


「皆、アルカディアの生活は知らないのだから、教えてやるように」とメンター・マグスが纏めた。


「私はカイキアス師匠の弟子のエレグレースよ。一番の年長になるから、わからないことがあったら聞いてね」


 ガウアレスが学舎を卒業してからは、エレグレースが年長になった。優しくて、しっかりしている


 ジミーが、艶やかなグリーン髪のエレグレースを見て、頬を染めた。

 森の人(エルフ)って基本的に顔が整っているけど、その中でもエレグレースはとびっきりの美人だからね。


 次は、赤毛のマリエールだ。

「イグニアス師匠の弟子のマリエールよ。よろしく。錬金術も修業中なの! 魔導具がいる場合は、相談してね!」


 ニコッと笑うと片頬にエクボがでて、少し色っぽい雰囲気のある子だ。多分八歳ぐらいだったと思う。

 

 エレグレースは、美人! マリエールは可愛い!


 甘い物好きなんだよね! 行商人が来たら、飴をいつも買っている。


「私はヘプトス! ポルトス師匠の弟子だ。木の家アビエスビラの近くだから、何か困ったら来い!」


 森の人(エルフ)にしてはがっちりした身体、濃い茶色の髪のヘプトスは、本当に頼りになるいい奴。

 

 農作業をよく一緒にすることが多いんだよね。木工細工のポルトス師の弟子もしていて、色々な道具を作ってもらっている。


 ただ、人見知りする癖があるから、ぶっきらぼうに見えているかも? 後で、三人に説明しておこう。


「私はリグワード師匠の弟子のリュミエールだ! 分からないことは、何でも聞いてくれて! 光の魔法と弓スキルを持っている」


 エレグレースが「リュミエールより、私達に聞いた方が良い」と横から口を挟んだ。

 リュミエールは、不満そうに唇を突き出している。


 ヨナとジミーは、一の巻からだったけど、ヨシは二の巻だ。


 小さい子と思っていたリュミェールは、少し驚いたみたい。


 お勉強が終わったら、水筒に入れたレモネードを飲む。


 甘い物が大好きなマリエールが羨ましそうに見ている。


「飲むか?」


 ジミーって、無愛想だけど、優しいんだよね。


「うん!」とマリエールは、嬉しそうだ。


 武術は、ヨナとジミーは狩人のスキル持ちだから、優等生だ。


「ヨナとジミーは弓のスキルか! それなら、目に魔力を集めて、遠くを見る練習をしなさい!」


 より遠くの獲物を射る練習だね! リュミェールも弓スキル持ちなので、一緒だ。


 サリーも弓を風に乗せて、より遠くまで飛ばす練習中。


 ヨシは、私と一緒にメンター・マグスの体術の指導を受ける。


「ミク、もっと素早く身をかわさないといけない!」


 わかっているけど、森の人(エルフ)は凄く素早いのだ。

 前世だったら、私でもオリンピックに出られると思うよ!


「ヨシは……先ずは体力作りだな。屈伸運動をしてみよう」


 私には厳しいメンター・マグスだけど、ヨシには優しい。

 ヨシは幼いのもあるけど、森の人(エルフ)の運動神経がないのを一目で見極めたのだろう。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ