ジミーに料理と畑仕事を教える!
「ジミー、野菜を採りに行くわよ!」
何故、ジミーがこちらか? 力仕事が待っているからだ。
サリーは、それをわかって組み分けしたんだ。
ヨナは力仕事もできそうだけど、今はヨシと離さない方が良い。それに本も結構重いからね!
「ここがうちの畑よ! あちらの小麦畑は、アルカディア全体のなの」
二日留守にしていたから、夏野菜の最後の収穫をしなくちゃね。
「ジミーは、ナスを採って! 私は、きゅうりを採るわ」
背負籠いっぱいに夏野菜を採る。
「ミクは、やはり上手く作るな」
「うん! これは上手なの」
魔法の修業、武術訓練は、他の子より遅れているけど、植物育成のスキルのお陰で、野菜はピカピカだよ!
採れたてのきゅうりで、サラダを作る。
「ジミー、きゅうりを洗って!」
「全部食べるのか? 無理だ!」
「サラダに使うのは四本だけよ。後は、液に漬けて夜に食べるの」
それでも多いだろうと言いたげな顔だ。これがミラやバリーなら聞いてくるんだろうけど、ジミーだからね。
「きゅうりは、薄く切って、塩を振り、少しだけハチミツとお酢で味付け。でも、美味しいんだよ」
ジミーって、料理ができそうなんだよね。ミラと違ってさ! バリーと同じ感じがするんだもん。
「スープとパンは朝のままで良いよね! じゃあ、後はナスを薄く切って、フライパンで焼く。それを大きな器に入れて、トマトソース、ナス、トマトソースと何段か重ね、チーズを上にパラパラ!」
これは、ジミーに説明しながら自分でやる。私がやった方が早いから。
「ジミー、これをオーブンで焼くから、焦げないように見ていてね!」
その間に、テーブルに食べ物を運ぶ。
サラダとスープとパン! 飲み物は、さっぱりしたいからミントティー。
「ミク、焦げそうだ!」
うん、ちょっときつね色で良い感じ。ナスのトマト焼き!
「ご飯ですよ!」
階段の下で呼ぶと、全員集合だ。
熱々のナスのトマト焼きをテーブルで切り分けて、皿を配る。
「美味しそうだな!」
オリビィエ師匠が喜んでいる。
「お酒が飲みたくなるメニューね」
アリエル師匠は、優雅に食べている。
「ミク、これはピザにしても美味しそうね!」
ああ、そうかも?
「そろそろ、ピザ屋を開かないと、文句が出るぞ」
オリビィア師匠が笑いながら言う。
「ピザ屋? この前、ラング村で焼いていた物?」
ヨナとヨシは、夜に来て食べていたからね。
ジミーは、ピザを知らないけど、美味しいのだろうとスルー。
「私たちは、昼から長老会なのよね。バンズ村から三人来た報告をするわ」
アリエル師匠は、面倒な長老会が終わったら、ピザが食べたいって気分みたい。
「他の長老達も、ピザを食べたら、機嫌が良くなるさ」
オリビィア師匠は、神父さんが他の村を回っても、駄目なんじゃないかと心配している。
「では、旗を立てなきゃね!」
サリーは、お土産にかなりお金を使ったから、また貯めたいようだ。
「ピザ屋? 前に食べた物を売るの?」
ヨナとヨシは食べたけど、ピザ屋と聞いてピンときていないみたい。
「うん、皆も手伝ってくれたら、お小遣いになるよ。昼からは、生地をいっぱい作らなきゃ!」




