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第41話 いろちゃん、シャドウになる! 人のコスプレを叩いてはいけません! Bパート

『黒人が日本人のキャラのコスプレをするなー!

 肌の色の黒いキャラ以外やるなー!』


 エモバグの雄叫び。


「何を言ってるの―――ッ?!」


 とセーラー服のままエモバグに突進していくいろちゃん。


「いろ! 変身が先でしょ!」


「まずはキュレーティンしなきゃ!」


「いろ。落ち着いて下さい」


 わたし達三人はいろちゃんを捕獲した。


「キュレーティン!」


 改めてキュレーティンする。


「咲き誇るキュレーター、プリジェクションサクラ!」

「実りのキュレーター、プリジェクションペアー!」

「はじけるキュレーター、プリジェクションソーダ!」

「満開のキュレーター、プリジェクションケラサス!」


 エモバグはすでに車道をのし歩いていて、ベスク本庄を目指していた。

 その足元には銀髪の巻き毛、黄色い礼服のレボリューショナー、バレッタが。


「ペアーはエモバグの相手をして」


「わかったよ、サクラちゃん!」


 三対一なら楽勝のはず。


 と思ったが、


「助けに来た。バレッタ」


 男性のようにがっちりした体格の礼服のキュレーター。

 綺羅星子こと、プリジェクションアンダーだった。


「ふっ、よろしく、お嬢さん達」


 優雅に一礼してからレスリングの構え。


 この人を交えての肉弾戦はなかなかしんどい事になりそうだ。


 でもペアーをフリーにする事はできるはず。

 頑張って、ペアー。


『黒人が日本人のキャラのコスプレをするなー!

 肌の色の黒いキャラ以外やるなー!』


 車道を下り、ベスク本庄に向かうエモバグ。


「コスプレは自己表現だから、その人のやりたいキャラをやればいいんだよ!」


 ペアーは坂道の上からのドロップキック。

 スワンダイブ式ミサイルキックで奇襲をかける。

 エモバグはよろけただけだったが、注意を引く事には成功した。


『似てないものを似てないと思ったらいかんのかー!生きにくい世の中になるー!』


 エモバグはペアーに向かってパンチ。

 しかし、


「一目に触れるSNSに書くのと、個人的に思うのは違うでしょ!」


 エモバグのパンチを頭突きで弾き返すペアー、


「レイヤー達を生きにくくしてるのは、あなたの方なんだからー!」


 からの回転式延髄斬り。


 エモバグはダウンした。

 しかし、すぐに立ち上がりボディプレス!


『ブスを笑っちゃいかんのかー? 身体的特徴で笑われへんなんてつまらん世の中になるー!』


「いい訳がないじゃない!!」


 それを横に避けたペアーはなんとエモバグの巨体を抱え上げた。

 逆さまのエモバグを抱えて、


「背が小さくたって! シャドウ様へのリスペクトは本物なんだからー!」


 垂直式ブレーンバスター!

 今日のいろちゃんはなんだかワイルドだ。


「一生懸命、衣装を作ってポーズも練習したんだからー!」


 さらに足四の字固め。


「エモーショナルパワーが貯まったっち」


 締め上げる度にパワーが貯まる締め技で、ほどなくペアーのブローチが光輝く。


「コスプレに見た目は! 関係ない!」


「パワー、貯まったっちってば……」


 パワーが貯まってもペアーの締め技は続く」


「背が低くたって! 関係! ないんだからー!」


 いろちゃん、やり過ぎ!

 そもそもエモバグは一回も背の話はしてないよ。


「ふーっ、ふーっ……。


 倒していいよね。答えは聞いてない」


 すみやかに倒して下さい。


 虫の息のエモバグを蹴り上げるペアー。


 エモバグの身体を捕まえると片足をエモバグの首に引っかける。

 さらにエモバグの両腕を両手で捕まえ、締め上げる。


「ペアークラッシャーハーヴェスト!」


 落下激突技を受けて、エモバグは雲散霧消した。

 後には黄色のサイスフィアが残される。


「エモバグがやられたか。退くぞ、バレッタ」


「分かったわ、アンダー」


 プリジェクションアンダーとバレッタは去って行った。


「そう言えばあのバレッタっての仮面を取らなかったわね」


「確かに。キュレーティンすると思ってた」


「これまでのセオリーで考えるならそのはずでした」


 何か理由があったのかな?


「熱くなっちゃった、ごめんね」


 変身を解いたいろちゃん。

 もう怒ってはいない。


「気は済んだの?」


「って言うかさ、さっき一緒にコスプレした子からメールあってさ」


「大槻月姫ちゃんだっけ?」


「うん。

『部外者の言う事なんか気にしないで。似合ってたよ』だって」


「さっきあったの?」


「うん、今さっき!」


 言われた内容より新しい友達ができたってのが大きいんだろうな。

 何はともあれいろちゃんが元気になってくれてよかった!


 ☆☆☆


 ジャンプを繰り返しアジトに戻るプリジェクションアンダーとバレッタ。


「バレッタ、メールを打っているのか?

 君は今は敵に追いつかれる恐れがあるんだ。

 気を抜くのは感心しないな」


 プリジェクションキュレーターとなったアンダーとバレッタには速度の差があった。

 かつてジコチューが追跡され、アジトを突き止められた事もある。


「もう済んだわ」


 スマートフォンをしまうバレッタ。


「今回のエモバグは嫌い」


 憮然とした表情のバレッタ。


「君もコスプレをするんだったか」


 短髪からさわやかな笑顔がのぞく。


「わたしも美学にそぐわないエモバグを召喚してしまう事ならある。

 目的のための手段と割り切る事だ」


「そうね」


 無表情な同意の言葉だった。


 バレッタは自身の仮面に触れた。

 確かに手段を選ばずに事を進めている。

 だからこの仮面も今日外す訳にはいかなかった。


「分かっているわ」


 バレッタはアンダーの後を追い、闇に消えて行った。


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