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第40話 上里SAの戦い、再び! 魔法の言葉、「上里セレクト」! B、Cパート

『上里サービスエリアは他の地域のお土産だらけで地域性がないー!』


 エモバグの抑揚のない大音量の声。


 サービスエリアに他のみんなもすでにいた。


「咲き誇るキュレーター、プリジェクションサクラ!」

「実りのキュレーター、プリジェクションペアー!」

「はじけるキュレーター、プリジェクションソーダ!」

「満開のキュレーター、プリジェクションケラサス!」


 揃い踏みのあたし達の前には青バグ。

 そして三つ編みの紺色のキュレーショナー、ジコチュー。


「おっ、現れたね、プリジェクションキュレーター!」


 エモバグの肩に乗っかってスマホをいじっていたけど、わたし達に気付くと地面に着地。


「今日はあたしも本気出しちゃう」


 仮面を外したジコチュー。

 年齢はわたし達と変わらなそう。

 不適な笑みを浮かべている。


「キュレーティン!」


 EPMの輝きに包まれるジコチュー。

 その光は紺色だった。

 頭に羽飾りが現れ、髪の毛や唇がが紺色に染まり、胸元にブローチが現れる。


「これこれー! いいじゃん。

 レジェンドじゃん」


 自分のドレスを見てはしゃいでいる。


 よく見てみると金色の肩などの刺繍は残っている。

 レボリューショナーの名残はある。


「気ままなキュレーター、プリジェクションジコチュー!」


 紺色のプリジェクションキュレーターが姿を現した。


「ソーダちゃんの邪魔はさせないよ」


 あたし達とプリジェクションジコチューが向かい合う。


「あんた、ゲーム好きらしいじゃん」


「ん? 何言ってんの?」


「デスティニー・アーカーシャ・オーダー、やってる?」


 ああ、ジコチューはそういうゲームが好きなんだっけ。


「わたしはソーシャルゲームの類いはプレーしないよ」


「何だよ。つまんねえなあ」


「でもアニメのDAO(でぃーえーおー)は見てるよ」


「ふーん、デスティニーシリーズをどれほど見てるって言うんだ?」


「全部」


「な、何だってー!」


 ソーシャルゲームに興味ないだけで、デスティニーシリーズは好きなんだよね。


「全部、やるじゃねえか……」


「タイトルの違うスピンオフも抑えてるよ」


「あんた達! 何、おしゃべりで盛り上がってんの!」


 ここでももちゃんの突っ込みが入った。

 そうだった。


「おほん!やっつけちゃうよ!」


「かかって来な!」


 改めてにらみ合う。

 あたし達はこのジコチューと交戦する事になった。

 この間にソーダちゃんはエモバグと戦う。


『上里サービスエリアは他の地域のお土産だらけで地域性がないー!』


 サービスエリアの店舗に突進するエモバグ。


「たくさんのお土産が買えるのは素晴らしい事じゃない」


 ソーダちゃんは店の前に回り込み、後ろ回し蹴り!

 エモバグを店舗から引き離す。


 その間に人々は避難していく。


『名産がないから商品も増えないー!』


 体勢を立て直したエモバグのパンチ!


「何言ってるの!」


 素早く回避するソーダちゃん。


 そして、カウンターのコークスクリューパンチ。


「今年は明智光秀まんじゅうが追加されたんだよ!」


 うん、それは滋賀県のお土産だよね。


 とにかく、さらにキレキレ攻撃が炸裂。


『上里の特産品で勝負しろー!』


 さらに掴みかかってくるエモバグに、


「上里サービスエリアには『上里セレクト』と言う看板があるんだよ!」


 ふともも蹴りからの、


「上里は全国から選び抜いた名品の数々を販売するというオピニオンなんだよ!


 この魔法の言葉がある限り、どこのお土産を置いても許されるんだからー!」


 サマーソルトキック!


 許されてるかどうかは別にして、ソーダちゃんのブローチが輝く。


「北海道や沖縄のお土産だってあるんだから!」


 スタっと着地するあおいちゃん。


 もはやセレクトどころか手当たり次第だ。


「パワーが貯まったベェ!」


 これでエモバグを倒す準備はできた。けど、


「このままじゃエモバグやられちゃうじゃん」


 ジコチューは飛び退いてあたし達から離れると、


「ジコチューだっていいじゃないかー!」


 エモバグの影を踏んで叫んだ。


 エモバグに三つ編みとブローチのような突起が現れる。

 プリジェクションキュレーターとエモバグの融合だ。


「せっかくだからさ、あたしのUR(ユーアール)技、見ていきなよ」


 自信満々の声。

 レボバグの胸のブローチも輝いている。


「キレキレ攻撃してないのにずるい!」


 あおいちゃんが抗議する。


「こっちはサイスフィアとエモバグを生成してんだよ。

 このくらいするさ」


 その瞬間レボバグが青く輝いた。


「ジコチューマイウェイ!」


 青い光が、地面をレボバグからソーダちゃんに向かって伸びる。


 青い光を纏って突進してくるレボバグ。

 すごい速さ。

 その速さの乗った攻撃は当然重いはずだ。


 でも、ソーダちゃんのブローチも輝いている。

 落ち着いて手を前に出し、エモーショナルなメントヌを複数展開。


「ソーダスプラッシュリフレクション!」


 この前も見せたソーダちゃんの新必殺技。

 発射ブローチから発射されたエモーショナルな炭酸が、エモーショナルなメントヌに反射して、枝分かれしながら複雑な軌道を描いて飛んで行く。

 メントヌに触れる事で炭酸の威力も強化される。


 非常に協力な必殺技だ。

 しかし、


「ひゃっほー!」


 レボバグは突進しながらも巧みな動きでソーダスプラッシュを回避した!

 しかも、回避しながら突進している。


「もらったよ!」


 ソーダちゃんに肉迫するジコチュー。

 しかし……


「片手!?」


 ソーダスプラッシュリフレクションは片手で繰り出されていた。

 そして、


「ソーダスプラッシュ!」


 もう片方の手から炭酸が発射される。


「はっ、ソーダスプラッシュなんて一番弱いSR(エスアール)だろ。


 そんなもの!」


 炭酸が命中するが、構わずレボバグは突っ込んで来る。


 しかし、


「ソーダスプラッシュ!」


 またもや、エモーショナルな炭酸が命中。


 さらに、


「ソーダスプラッシュ!」


「ソーダスプラッシュ!」


「ソーダスプラッシュ!」


 基本技の連発の「タイプ:クリエイティブ」の効果をソーダちゃんは使ったのだった。


 バランスを崩し、ついに転倒するレボバグ。


 そして、その拍子にレボバグは消滅してしまう。


「サイスフィアゲットだベェ!」


 後には青いサイスフィアが残される。


「やるじゃん!

 でもそろそろ別の色の奴のUR(ユーアール)技が見たいよねえ」


 ジコチューは逃げて行った。


「すごい!ソーダちゃん。あんな使い方」


 新必殺技をおとりに使うなんて。


「基本技使い放題プランのおかげだよ」


 済ました顔のソーダちゃん。


「そう言えばソーダちゃんはプリダイムシフトしないの?」


 順番的にはそろそろだと思ってたけど。


「今はまだその時ではない」


 と、親バートン。


「そうなんだ」


 親バートンが言うって事は何か根拠のある話なのかな?


「とりあえず学校に戻るよ」


 ももちゃんの言葉で解散。

 月姫ちゃんが「未来の神話 マジヤーバス」貸してくれるって言ってたし、早く他のサブカルチャーの話もしたい!


 ☆☆☆


 これは後で聞いた話なんだけど。


 その日の放課後、大槻月姫は下校中の、高速道路下で一人の少女と出会った。


 左右の三つ編みに、黒のブレザーの少女。


「ジコチュー」


「今は小沼雅湖(おぬままさこ)だっての」


 スマートフォンを操作しながら、顔も上げずに少女は言う。


「プリジェクションペアーとは仲良くなれたの?」


「やっぱりラノベやゲームは食い付きがよかったわ」


「でもDAO(デスティニーアーカーシャオーダー)はやらないんだろ?」


 不機嫌な小沼雅湖。


「あんたの出る幕じゃないって事」


 そんな雅湖を見て、大槻月姫はニヤリと笑った。


「プリジェクションキュレーターを油断させるのはあたしに任せる事ね」


 なんだかすごいね!


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