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【書籍化1~2巻発売中!】必中のダンジョン探索~必中なので安全圏からペチペチ矢を射ってレベルアップ~  作者: スクイッド


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現在

 そして、翌日。


 今日も今日とてレベルアップのためにダンジョンに向かう。


 町は昨日のこともあって少し物々しい雰囲気だが、それでも一応平和ではある。

 ちょっと厳つい人が歩いていたりするけど、警備中と書かれたタスキをかけているから依頼を受けた探索者なんかだろうな。


 あとは、狙われていたのが高校生ということもあって高校生はしばらく休校。中学生や小学生も念のためと学校は休みになっているらしい。


 俺の近所にも幼馴染みの女子高生が……幼馴染みでいいのか?あいつは。まあ、幼馴染みでいいだろ。


 とにかく幼馴染みがいるのだが……あいつは突然できた休みを満喫してるだろうな。

 俺もたまにはのんびりしたい。


「よし。今日も頑張ろう」


 いつも通り俺は、ダンジョンに向かう。


「……あれ、今日はいないんだ」


 いつも通り灯火のダンジョンに到着したが、そこには警備員や通行人を除いて誰もいなかった。


 それはあの探索者のマイナス運動をしていた宗教の人間も例外ではなく、誰一人として見つけられない。


 好都合って言えば好都合なのだが……なんだろうな~……なんというか、違和感を感じる。


 まあ気にしても仕方ないか。


 俺はそう思いながら、灯火のダンジョンの中に入る。


「さてと、それじゃあ始めますか」









 そして、レベル上げのために灯火のダンジョンに潜って七鬼炎を一方的にボス部屋の外から倒していった。


 説明会の打ち合わせとかもあったから、今日は久しぶりのちゃんとしたレベル上げのためのボス周回だったけど、やっぱりレベルが上げやすいわ。


 そんなことを考えながら帰路につく。

 外もかなり暗くなってきていて、もうすぐにでも日が完全に沈みそうな時間帯になっていた。


「あちゃ~久しぶりだからって少しやり過ぎたな。早く帰らないと」


 俺は早足で家に向かって歩き始める。


 しばらく家に向かって進んでいると、おかしな人達を見つけた。


 その人達の顔は既に日が沈んできているのもあって見えないけど、人数は三人。


 ……怪しいなんてものじゃないな。


 そう考えた俺の考えは正しかったらしく、その人影は一つの家を探るように見つめている。


「さすがに怪しいなんてレベルじゃないよな……」


 昨日の今日でこれはさすがに怪しすぎる。


「おい、あんたら……ッ!?」


 俺は怪しい三人に話しかけようとするが、三人は俺に気づいた瞬間に走り出してしまう。


「え、え~……」


 俺が驚いてしまったのは、三人があまりにも速かったからだ。


 強さ自体はそこまででも無さそうだったけど、普通の人間が出せる速度ではないと思うんだけど……


 そして、三人組はそのままどこかへ行ってしまった。


 だけど、一瞬見えたあの服に書かれていたマーク……あれってもしかして。


「迷教だよな……?」


 迷教──正式名称は迷宮教会。


 迷教は最近、というか結構前から探索者のマイナス運動をこの辺りで行っている宗教だ。

 以前に、なんでこんなことをしてるんだろうと思って調べてみたりもした。


 まあ、その結果としては今の活動とはまったく一致しないものだ。


 活動内容は、ただダンジョンで家族が犠牲になってしまった人達を集めて、祈りを捧げるというもの。


 ダンジョンでモンスターに襲われて死んだ人間は、遺体が残らなかったり、形すら残っていない場合が多い。

 そのため、遺族の方々はその死を受け入れることができずに、ダンジョンに復讐心を抱いてしまう。


 その気持ちはわかる。


 俺だって、両親が死んでしまった時は、どうしようもないくらいに悲しかったし辛かった。


 もちろん、俺の両親はダンジョンで死んでしまった探索者というわけではなかったけどな。


 まあ、それはいい。問題はその祈りだ。


 その祈りというのも、本来はその復讐心を落ち着かせるためのものらしい。

 活動も、そんな復讐心を落ち着かせるために話を聞いたりするものだったはず。


 決して最近のようなダンジョンは神からの贈り物だとか言って活動するようなものではないはずだ。


 そんな迷教の信者である証のマークの付いた服を着た人が、今ここにいた。


 しかも、家の中を探っていたということは……まさか、中にいる誰かを狙っていたのか?


「……とりあえず、通報だけしておこう。多分無駄だろうけど」


 俺はポケットからスマホを取り出して即座に110をかけ、ポリスメンをこの場に呼び出すのだった。

 ……証拠で動画でも撮っとけばよかったかな……

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