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【書籍化1~2巻発売中!】必中のダンジョン探索~必中なので安全圏からペチペチ矢を射ってレベルアップ~  作者: スクイッド


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シルバー資格

『模擬戦闘終了です。勝者は――』


 アナウンスが流れた後、すぐに瓦礫から腕が生えてきた。……腕?


 その光景に?マークを浮かべていると、ドカンッ!という音と同時に両腕が生えて瓦礫が吹き飛んだ。それと同時に土煙も上がり、視界が悪くなった。


「げほっ!ごほぉ!……はぁー……死ぬかと思ったぜ……」


 土煙が晴れると、咳き込みながらだけど傷が一切ない男性が出てきた。


 よかった~無事だったか。お茶の間に見せられないようなR-18+みたいな感じになってなくて本当によかった。


「いやぁ~まさかまだ武器を狙ってたなんてな!隙があったら一気に攻めようと思ってたんだが、逆にやられちまった!俺の完敗だ!」


「いえ……俺も結構ギリギリでしたよ。最初からあなたが本気だったら負けていました」


「ハハッ、そりゃ一応これは試験だからな!それに、普段はパーティーでタンクをやってる俺の防御を抜くとは大したもんだと思うぞ?」


 なんか誉められてるけど納得いかないな……試験とはいえ手加減されてたし、武器が訓練用の両手斧だったから勝てただけだ。


「さてと、それじゃあ評価といくか。まずは純粋な攻撃力。これは合格だ。というか訓練用の両手斧でも十分な強度はあるはずだから、破壊した時点でもう文句なしだ。

 次は戦闘技術。この点に関しては近接戦闘が少し怪しかったが、それでも十分。回避能力も高かったし、最後の攻撃も良かったと思う。それにスキルの扱い方もうまい」


 そう言って男性は俺の評価をしていく。というか、結構高評価なことに内心驚いている。

 勝てはしたけど実際はほとんど力押しみたいなものだったからな。


「最後に総合的に見て、攻撃、防御、技術すべてよし。

 ということで結果は実技試験合格だ!おめでとう!」


 男性は笑顔でそう言った。


 やった……なんとか実技試験に合格することができたか。

 そして、職員から実技試験を合格したことを証明するための、受験番号が書いてある紙を受け取る。


 最初から受験番号を割り振っていたら、実技試験で落ちた人の受験番号を抜かしてミスでもしたら大変とかいう理由らしいけど……


 そこは【魔道具作成】スキル持ちの人に、落ちた人の受験番号を自動的に弾く機能のある魔道具を作ってもらうとかしようよ。なんで未だに手動でやってるんだ。


「なんにせよ、実技試験を試験官のシルバー資格保持の探索者に勝利して合格したのはお前が初めてなんだ。誇れよ!」


「ゴハッ!」


 誇れよと男性が言ったところで背中を叩かれた。結構強く叩かれてしまい、思わずむせて咳き込んでしまう。


 い、痛ぇ……!


「あぁ、すまん。力を入れすぎたみたいだ」


「ゲホッ、ゴホッ。だ、大丈夫です……」


 とは言うものの、やっぱりちょっと痛いな。てか、あんな軽そうに叩いていたのに、俺の防御のステータスを突破してくることを考えたら相当この人もレベルが高いよな。


 まあ、なんにせよこれで面接試験を受けることが出来る。


 面接試験は普通にしていればほとんど落ちることはないし、とりあえずは安心かな。万が一にも落ちないように、頑張っていこうか!









「なんて思っていた時もありました」


 俺の手で銀色に光る探索者資格を眺めながら呟く。


 結果から言わしてもらおう。シルバー試験は合格だ。


 俺が実技試験を合格したあとも実技試験は続いていき、実技試験が全員終了したら昼休憩を挟んで面接試験が行われた。


 面接試験は受験者五人、面接官三人の集団面接で行われていって、俺は二人組のパーティー二組と一緒に集団面接を行ったけど……


「まさかあんなに質問が来るなんて思ってもなかったな……」


 最初に自己紹介をして、簡単な世間話のようなものをしたまではよかったんだけど……そこからの質問責めだった。


 最初のうちはまだ良かったんだよ?


 ただ途中からどうでもいい質問が続いていって約一時間。まあ、他の人達も似たような時間だったし……うん。仕方ないか。


 それだけシルバー資格を取る人はしっかり見極めなきゃいけないってことだもんな。明言はしてなかったけど、面接官の三人の中には嘘がわかるっていうスキルを取ってる人もいただろうし。




「まあ、なんにせよこれで俺もCランクのダンジョンに入れるんだ」


 Cランクのダンジョンともなると、F~Dランクのダンジョンに比べると数は減ってくる。まあ、それでも全然多いんだけどな。


 Bランクダンジョンっていう選択肢もあるけど、当然ながらその選択肢を選択するわけがない。


 なんせBランクダンジョンの安全マージンのレベルは5000。ボスはダンジョンによっては【捕捉】スキルで嵌められるかもしれないけど、その前に確実に普通のモンスターに殺される。


 それに、CランクダンジョンからはこれまでのF~Dランクダンジョンのモンスターが使うことのなかった魔法や、棍棒のような原始的な武器じゃなくて剣や槍を使うモンスターだっているんだ。


 いくら俺がソロでボスを一人で嵌め殺しができるとはいえ、その前段階の普通にいるモンスターに殺されちゃ話にならない。


「まあ、今はレベルを上げるのが最優先項目だな」


 武器もまだまだCランクダンジョンに通用するし、金もまだまだある。ゆっくりレベルを上げていけばいいさ。


「よしっ!そうと決まれば早速明日からダンジョンに行くとするか!」


 さてと、明日行くダンジョンをどれにするか決めなきゃな。


 ……あ。せっかくシルバー資格を取れて実力の証明ができたんだし、【アイテムボックス】の肥やしになってるハイコボルトを売ってこなきゃ。(使命感)

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ブックマーク、評価、いいね、感想、誤字報告ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] まだまだ主人公が最強には程遠いという描写があって非常に良い。ダ〇まち の某白髪主人公のように強いんだけどまだ最強じゃない感じがすごく好みです。かつてダンジョンで助けられた雲の上の強さをもつ憧…
[良い点] 読みやすくテンポもいいと思います。 内容も好みなので完結まで更新楽しみにしてます!
感想一覧
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