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【書籍化1~2巻発売中!】必中のダンジョン探索~必中なので安全圏からペチペチ矢を射ってレベルアップ~  作者: スクイッド


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レインボーバタフライ戦前

 翌日。

 まあ、そんな都合よく手がかりがあるわけもなく。

 手がかりも無かったし、昨日は中ボス部屋で【透過捕捉】について調べて終わった。

 調べた結果、は中ボス部屋の外に出た後に【透過捕捉】を解除して、再度【透過捕捉】を使っても問題なく機能することがわかった。

 なんなら、一回中ボス部屋に入ってアサシンバタフライを出してからなにもせず外に出ても問題なくその効果を発揮した。

 で、そんな成果がマジでなにも得られなかった俺とシルフィ達は今──


「とうちゃーく!」


「それにしても、ここが鱗粉のダンジョンの最奥ですか……シルフィは少し落ち着いてください」


 ──ボス部屋のある鱗粉のダンジョンの最下層に来ている。

 もう本当に見事なまでなにも手がかりもなかった。

 そのせいでここまでの道のりは、パウダーバタフライを倒して少しレベルを上げたり、ポーションの素材になるような薬草を集めるぐらいしかしていない。

 薬草集めは俺じゃなくてディーネが主にやったけど……


「しっかし、虎山のダンジョンに続いてこの鱗粉のダンジョンまで、ここまでなんの成果なし……か」


 このままボス部屋までなにも手がかりが無かったら、二連続手がかりなしか……

 まあ、こればっかりは運だししょうがないから、とやかくいうつもりはないけどさ。


「うーん……ここまでなんにも無いとなるとちょっとへこむね~」


「そうですね……シルフィに同じくです」


「あはは……まあ、とりあえずボス部屋に行くか」


 今、俺達がいる場所は鱗粉のダンジョンの最下層に位置するボス部屋に通じる扉の前。

 すでにここまではシルフィの風による探索は済んでおり、残すはこのボス部屋のみ。

 ……さっさと倒そう。

 この鱗粉のダンジョンのボスがミスリルゴーレムよりも強いなんてことはないだろうし。

 そんな今から俺達が倒そうとしている鱗粉のダンジョンのボスは、レインボーバタフライ。

 レインボーバタフライはアサシンバタフライのように透明になるなどの特殊な能力は持たない。

 だが、その分ばらまいてくる鱗粉はより強力なものになって、ばらまかれる量も増えている。

 具体的に言えばここまで来れる探索者が五秒間なんの対策もせずに鱗粉を吸えば、すぐにありとあらゆる状態異常にかかってしまうぐらいにはばらまかれている。

 しかもアサシンバタフライみたいに隠れながらばらまくのではなく、レインボーバタフライが鱗粉をばらまく時に起こす風に乗せて広範囲にばらまかれるから、その危険性はアサシンバタフライの比ではない。

 だから、いつもと同じく速攻で倒す。


「あ、そうだ。シルフィ、ディーネ。二人にも状態異常解除のポーションを渡しておくから少しでも異常を感じたらすぐに飲むか、浴びるかしてくれ」


「りょーかいっ!」


「わかりました。ありがとうございます」


 俺は二人に状態異常解除のポーションを渡す。

 ……渡すんだけど。


「……まあ、そうなるよね」


 状態異常解除のポーションを渡したは良いものの、俺の視界に映るのはシルフィがポーションの入っている試験管に抱きついている光景。

 ディーネ? 渡そうとした瞬間この事を察してすぐに返してきたけど?


「ふぎぎぎぎ……! カ、カエデ、ちょーっとこれを持ち続けるのは無理かなーって思うの!」


「というかカエデさんこうなることわかってましたよね?」


「いやーもしかしたら持てたりしないかなって……」


「……何も言わなかったわたしも悪いですけど、さすがに無理ですからね?」


「ははははは……うん。ごめんなさい」


 やっぱりだめか。

 まあ、持てたら良いな~ってだけだったから別に良いんだけどさ。

 とりあえず、シルフィから受け取ったポーションを【アイテムボックス】に入れてっと。


「状態異常になったらわたしが回復しますから、申し訳ないんですけどカエデさんにはわたしが状態異常になった時に回復をお願いします」


「了解」


「え~っと……あたしは?」


 手ぶらになったシルフィが自分のことを指差しながら聞いてくる。

 えっと……うん。


「シルフィは部屋の中の調査と俺が何か失敗した時のフォローをしてほしいかな」


「りょーかい! 任せといて!」


「頼んだよ。……よし。それじゃあ改め直して、ボス部屋に突撃だ!」


 ボス部屋の扉に向き直り、扉を開け放つ。

 まずはいつも通り龍樹の弓を持った俺が入る。

 続いてシルフィとディーネの二人が、ボス部屋に入ってきた。

 そして、シルフィとディーネが完全にボス部屋へと入り終えた瞬間、聞きすぎてその内飽きてくるような、ボス部屋の扉が閉まる音が響いた。


「さて……シルフィ、ディーネあいつがレインボーバタフライだよ」


 そう俺はボス部屋の中央に羽をはばたかせて飛んでいるレインボーバタフライを指差す。

 いかにも毒々しい、天井の光源で七色に見える鱗粉を大量にばらまいているけど。


「……いや、あいつって言われても……」


「……見えないですね……」


 ……うん。そうだよね。

 鱗粉を大量にばらまくと俺は情報で知ってたし、まだ良い。

 ……けど俺含めてシルフィやディーネも下から見たらまったく姿が見えなくなるくらい鱗粉をばらまくのはどうかと思うんだよね!

 知ってたとはいえ本当に見えないし! ……まあ、それは良いや。

 今の俺には対処出来る方法があるんだし、さっさと倒させてもらおうか! レインボーバタフライ!

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