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第81話 雇用を増やそう

狭間の部屋が広くなったことで、やりたいことができるようになってきた。

今、俺が一番やりたいと思っていることは、雇用を増やすことだ。


スラム区に住んでいる人は1万人ほどいるらしい。

1家族は10人もいて、掘っ建て小屋に固まって住んでいる。

食べる物も十分でなく、痩せている人ばかりだ。


それもそのはず、スラムに住んでいる人の平均日給が大銅貨1枚。

穀物を買ったら、1日の給料で買えるのは3㎏ぐらいだ。


一家10人の中で働いているのが2人しかいないと、給料がほとんど食費に消えてしまう。

それも十分な量にならない。


働いている人が少ない原因はそもそも仕事がそんなにないというのが大きい。


スラムの人ができる仕事は動物の解体、ゴミ集めや掃除、洗濯のような市民であればやりたくないもの。

あとは、力だけ必要となる運搬や土方作業。


それでも仕事があれば御の字で、それもない人は街から外に出て、魔物の危険がある森などで食材を採取をする。

それくらいしかない。


だからスラムで1000人の仕事を生み出すことができたら、平均で1家族に1人の収入を与えることができる。


それも、俺が雇う場合は最低、日給大銅貨2枚を支払うつもりでいる。

それだけあれば、いままであれば一家で働いている2人と同じだけ、つまり収入が倍増するのだ。


もっとも、今は雇っている人は一緒に住んでいる女の子達20人と、外に住んでいる20人の計40人だけ。

これを25倍の1000人まで増やそうというのは、大それた計画だと自分でも思う。


「まずは古着部門だな」


今は古着をベールで買ってきて、スラムのスタッフが選り分けをしている。

洗濯もしないまま、売り出している。

また、市民区にある服飾のアトリエに依頼して、市民が着るための服に加工してもらっている。


そのやり方を変える。


まずは古着を洗濯して、商品の見栄えをよくする。

これによって、売り上げ増を目指す。


一時は1日2ベール100㎏くらい売れていた古着だが、今は1ベールちょっとに減っている。

スラムの人達が随分買ってくれたから、飽和状態になりかかっている。


そこで、古着を綺麗に洗濯して、人気の出そうな色などを選び出しカジュアルな服として売り出す。


今はスラム区の人向けに売っているから大銅貨1枚から2枚の値段にしている。

市民向けには大銅貨3枚を基本にして売る。


スラム区の人達がうちの古着を着るようになって、市民の間でも噂がでているという。


「あいつらが着ているのはなんだ?」


それまでボロボロな色なしの服しか着ていなかったスラム区の人達が色とりどりな服を着始めた。

市民の中で新しい流行に敏感な若い女子が気にし始めたようだ。


市民が集まる商業地区に2店開く予定だ。


その店は女性向け商品だけを並べる予定で、すでに場所を借りる話はできている。

あまり人気がなく商品がぶつからない店の壁を借りて開店する。


壁を借りるために、1店で月金貨1枚も掛かってしまうが、やはり女性があつまる場所に店を開く意味は大きい。


化粧品と古着、そしてリメイクした服。

他にも百均で買ってきたアクセサリーや雑貨を並べる予定だ。


基本的な値段を大銅貨3枚にする。

市民の女性にとってはそんなに高い商品だとは感じないことだろう。


今ある市民区の店は、冒険者の店にする。

特化することで、お店の特徴も出やすくなるだろう。


店は市民区に3つ、スラムには今の1店に加えてもう1店作る。

全部で5つ。


スラム区にはお風呂屋をオープンする予定もしている。

スラムには風呂などないから、どうしても衛生的によくないからな。


銅貨1枚という格安な値段で狭間の部屋に作った風呂場を解放する。

もともと、家賃、水道光熱費がかからないという利点があるので、安くしても赤字になることはないだろう。


あと太郎ラーメン店を市民区とスラム区にオープンする。

もっとも、オーク素材をふんだんに使うとスラムの人達には高くなりすぎるから、スラム店の方は肉なしだな。


オーク豚骨スープの野菜ラーメンがスラム店用の基本メニュー。

オーク豚骨スープのオーク肉肉と野菜の山ラーメンが市民区の基本メニュー。


それぞれの特徴にあった店を出せば、売上があがるのはもうわかっている。


あと、日本のお店も増やす予定だ。

オーク太郎ラーメン店で、名前は「美少女」。


すでにパイロット店は成功して、1日3万円ほど売り上げている。

だけど、場所があまりいいところじゃないからそろそろ限界らしい。


次はデカ盛りと美少女趣味のメッカ、秋葉原に開店する。

そのつもりで、場所の選定をしている。


さすがに壁だけ借りて、というのは怪しすぎるから、路地店でもいいからお店を借りる。

できれば、つぶれたところのようなあまり人気がないところで、保証金が少ないところ。


まだ、日本円には余裕がないからな。

太郎系ラーメン『美少女』秋葉原店を成功させて、日本円の資金が豊富になったらいいな。


あと、コスプレ撮影ルームはなかなか人気が出てきているから、今の1ルームを3ルームに増設予定だ。

どうしても時間がかぶることが多く、予約を断ってきたからルームが増えると、売上も増えるだろう。

コスプレモデルの美少女は沢山いるからな。


レベルアップで作れるようになった、アトリエ・中庭・マップ室はまだ手付かずだ。


アトリエは使う人がいないし、中庭はどんなのを作るか構想中でマップ室はテストで作った段階。

どれも利用するまで時間が掛かりそうだ。


それよりも、まずは女の子部屋を増やしたい。

今の4室を一気に20室にしてしまうつもりだ。


それだと100人までは女の子を住まわせることができる。

仕事の用意はまだできないが、先に美少女たちを青田買いしてしまおう。


まだ仕事がない女の子は、寝るところと質素だけど十分なご飯を提供する。

仕事ができたら、部屋に住んでいる女の子から選んでやってもらう。


仕事をしている女の子の方がお金が手に入るから、裕福になるし、親に仕送りもできる。

仕事をしたがる子が多いんだよね。


あと、他にリビングも用意する予定だ。

20㎡ほどの部屋を2つ。


2つの部屋は俺も入れるようにしておく。

女の子達と仲良くなる場所だ。


えっ、ただ仲良くなるだけだよ。

それ以上は……まぁ、なんとかなるだろう、きっと。


その予定で俺は一気に部屋づくりの線を引いていった。


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