第80話 もしかして、チェーン店をつくれということか?
異世界のビジネスも、元世界のビジネスも、順調に行き始めてから1カ月。
待望のものがやってきた。
「おめでとう! レベルアップしてレベル4になりました」
管理人さんの声が響いたのだ。
「狭間の部屋の面積がさらに4倍になります」
やっぱりそうか。
また4倍になった、ということは。
200㎡の4倍なら800㎡だな。
一般のファミリー向けマンションが70㎡だから通路もいれれば、1フロアー10室程度の広さだな。
太郎ラーメン店も開いたし、異世界店も2店になってそろそろ手狭になっていたところだ。
もっと店を増やしたいと思っていたが、狭くてむりだった。
「異世界と元世界の扉がもう4つづつ増えます」
おー、8つづつになるのか。
広くなったし、支店を増やせるな。
「アトリエが作れるようになりました」
アトリエ?
鍛冶工房や錬金術工房が開けるようになるのか。
これは考えていなかったぞ。
「中庭が作れるようになりました」
中庭か。
これはおしゃれだな。
しかし、それほど必要性があるようには感じないぞ。
「マップ室が作れるようになりました」
なんだ、そのマップ室というの?
戦争をしている司令官がいる部屋に戦場の地図がある場合がある。
あれのような物かな。
とにかく俺は、新しい狭間の部屋、もう部屋というには広すぎな感じがするが、の有効利用を考えた。
今の女子部屋、これを一気に3倍にしよう。
全部で12室だ。
今は4室で25人住んでいる。
はっきり言って狭く感じる。
これからまだ増えそうだし、3倍にしておけば大丈夫だろう。
アトリエは20㎡の二部屋サイズのものを2つ用意した。
イメージは鍛冶アトリエと錬金アトリエだ。
どんな使い方をするのか、まだ未定だが、楽しみだな。
「あと。店を増やすか」
今は4店ある。
異世界側が市民区の1号店が雑貨店と古着店が一緒になった20㎡とスラム区が古着店の10㎡。
元世界側が太郎ラーメン店が20㎡で撮影店が10㎡。
手狭になっている店を拡張するのと、支店を増やすことを考えよう。
レベルアップしてからと計画していたこと。
それが太郎ラーメンの異世界店の開店ともうひとつ、秋葉原店の開店だ。
さすがに秋葉原となると、こっそりと開店はできない。
安い倉庫みたいなところを借りて、その壁に扉を付けることにしないとな。
秋葉原なら、ネットだけでなく路面での集客が期待できるぞ。
他にもいろいろと計画はしているが、ひとつひとつ完成させないとな。
一気にやるとまずい気がする。
とにかくだ。
まずは、広くなったことでいろいろと試せるようになったのは、いいことだ。




