第61話 やっぱりお金が足りなくなった
最近、またお金が足りなくなってきた。
スラム2号店が増えて古着の購入も必要だし、市民区1号店のお客がずいぶんと増えてきた。
百均で買う品数が1日1000個なんて状態が続いていたりする。
「やっぱり、撮影会だけじゃ無理があるか」
最初、安いというのでカメ子が10人ほど申し込んでくれた。
だけど、そこからが広がらない。
今は1日5枠くらいしか売れない。
どうも、常連になったカメ子が口コミを流してくれないらしい。
撮影した写真もブログに上げてくれていない気がする。
宣伝してくれたら、もっと撮影会が人気になると思うんだがな。
1日数万円にはなるが、仕入れ代には足りない。
それほど、人気が出てきてしまっている。
1日客数が100人を超えるようになってきた。
大人買いをするお金持ちもいて、いくら仕入れても商品が足りなくなる。
「うーむ。もっと、売上が上がる方法はないかな」
異世界の方は順調すぎるくらいだけど、日本の方はいまいちだ。
もっと、需要があることをしないといけないな。
「あ、もしかして。太郎ラーメン店ができるかも」
元々は、異世界で開店するつもりで、準備をしてきた。
市民区で開店するつもりで、異世界の人にオーク太郎ラーメンを食べてもらっていた。
異世界の人だと余裕で大盛りを完食してくれるから気持ちいいんだ。
今の予定では、2.5㎏の特盛を大銅貨3枚で出す予定だった。
オーク肉をふんだんに使っているから、なかなか高い値段だ。
しかし、ラーメンを食べたことがない異世界人にとってカルチャーショックらしい。
「いつ、開店するんだ?」
すでにお試しで食べてもらった人の多くは開店を待ちわびていると言ってくれている。
調理はスラム食堂おばちゃんを中心にうちのメイドや撮影会のコスプレイヤーも手伝って、安定した味が出せるようになっている。
会計も問題にならないように、電卓を使ってトレーニング中だ。
確かに異世界だと人気店にする自信があるけど、それだと金貨が増えるだけだしな。
いい加減金貨が増えすぎて、使い道が分からない。
その点、オーク太郎ラーメンを日本で開いて人気になればお金の循環が達成できるな。
「よし、オーク太郎ラーメンは、日本に1号店を開くとするか」
そのためには、市場調査をしないといけないな。




