第52話 カメラ小僧が登場した
3日間の募集を経て、撮影会の当日になった。
5チーム90分5枠の全25枠を用意したけど、売れたのはリムロムの2枠だけ。
それも一人の人が2枠申し込んでいる。
「いらっしゃいませ」
待ち合わせの公園から、狭間の部屋に連れてきた。
参加者はいかにもカメ子って感じの男。
年齢は30代後半くらいのオタファッションの小太りの男。
カメラを入れるでかいバッグを持っている。
「はじめまして。リムです」
「ロムです」
おー、感激しているな。
そうだろう、そうだろう。
撮影スタジオは、シアタールームを利用した。
ノートパソコンを置いてあって、ノートパソコンと同じ画面が横5mのスクリーンに映し出されるようにしてある。
あとは大工さんに頼んで作ってもらった白木のテーブルとイス。
それだけ用意してある。
「ノートパソコンにデータを入れてもらえれば、背景を出せますよ。たとえば、リセロの画像とかも」
なんか、喜んでいるぞ、何やら準備を始めたぞ。
あ、でも。
そろそろ、時間になる。
「はい。時間になります。途中で10分の休憩が入って90分2枠の撮影です」
「あの。。。」
「はい?」
「どこまでオッケーなんでしょう」
「それは常識の範疇でお願いします」
撮影会はお触りとか厳禁なところが多い。
だけど、ふたりにはちょっとしたお触りくらいはオッケーだと言ってある。
元々、スラムの女の子たちだから、エッチなことに対するガードが相当低い。
恋人同士じゃなくても、簡単にエッチなことをしたりしている。
だから、お小遣いをもらったら、お触りなんて大抵オッケーしちゃいそう。
モデルさんたちには、チップをもらったら、1000円を大銅貨1枚に両替してあげると言ってある。
だから、チップをもらうためにお触りくらいは許しちゃいそう。
ただ、変に噂にならないようにやりすぎてはいけないと教えてある。
俺も最初、やられたからなー。
触られまくりでその気にさせられてしまった。
そこまではするなって、ルールにしてある。
まぁ、その後は二人に任せて、俺は別の仕事をすることにした。
☆ ☆ ☆
「それでどうだった?」
「すっごくかわいい人でした」
「本当に。面白かったー」
おいおい、二倍以上の年齢のおっさんだぞ。
そんな言い方にないだろう。
「それでチップもらったか?」
「うん!」
なんと、それぞれ5千円づつもらっていた。
おいおい、どこまで許したんだ?
「えっ、ちょっと触らせただけよ。ねー」
「そうそう。ちょっと触らしたら真っ赤になって面白いの」
あー、カメ子は純情だからなー。
恋愛とか風俗とか。
女性に触れること全くない男も多いって言うし。
そんな男がかわいい女の子のコスプレイヤーに触れるってすごいことなのかもな。
「また、来週来てくれるって」
「おお、やったな」
「「うん」」
最初の撮影会はうまくいったらしい。
売上はチップも含めて1万8000円
今日1日の店の仕入れ代には、まだならないけど可能性を感じてきたぞ。
常連もできそうだし、よし。
カメ子的なブログを書いている奴に直接メッセージで売り込んでみるか。




