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第41話 あちこち邪魔が入るようになったぞ

「店の近くに眼付が悪いのがいるよ」

「あー、それ。たぶん、ライバル商会の手先みたいだな」


俺はいまや6人チームのリーダーになっている青髪少年に金髪美中年の話をした。


「うー。それなら、コブラ一家に頼んでみたら?」

「でも、そういうとこに頼んだら、後々面倒くさくなるんじゃない?」

「何言ってるの。みかじめ料を払っているのは、こういうときの為でしょう。もちろん、見張りを頼んだりしたら、それなりのお礼はいるけどね」


そういうものなのか。

それなら、こういう問題は専門家に頼むのがいいかもしれないな。


「じゃあ。お願いしよう。とりあえず、これは寄付として渡しておいて」


金貨1枚を青髪少年に渡してみた。

足りなくはないかな。


「うわっ、いきなり金貨。それも寄付。いいの?」

「いいさ。何が起きるか分からないけど、味方になってくれる人達は大切にしなきゃ」


青髪少年はすぐに飛び出して行って、コブラ一家の兄貴を連れてきた。

店の前にいた眼付の悪い男は追っ払ってくれたらしい。


「さっそく、どこかの奴らに目をつけられたな」

「お手間を掛ける」

「いや、これが俺たちの仕事だから、安心してくれ」


うーむ、こういう人達と付き合い方はちょっと難しいな。

そういう人達は反社会勢力と言われているような日本とは根本的に違うのだろう。


「それでは、お礼も兼ねて一緒にいくとしようか」

「おっ、酒か?」

「いや、女だ。娼館は嫌いか?」

「嫌いなはずはねぇだろう。どこにでもお供するぜ」


店は青髪少年に任せて、コブラ一家青年と娼館に行くことにした。


今は青髪少年は店番もできるようになっている。

客引きは12歳から14歳の女の子の部下に任せて、店番をしてもらうことが多い。

おかげで店を開いている時間を増やすことができてるい。


「やっぱり、男同士の結びつきを強めるには娼館に一緒にいくに限るな」

「おう。同感だ。この店は俺が命に代えても守ってやる」


うん、性欲のようなシンプルな物のほうが結びつきが強くなる。

飲食という手もあるが、正直、俺も行きたいというのが強い。


「で、どこに行くんだ」

「うちのお客さんもいる《アモーレ》だ」

「おー、高級店じゃないか」

「高級娼館は嫌いか?」

「もちろん大好きだ!」


久々にミッシェルとエッチすると思うとすでに一部が熱くなってきている。

最近はソフィのとこに行くことが多くて、ミッシェルは久しぶりだ。


「しかし、すごいとこだな。豪華だな」

「そうか?」


まぁー、元世界と比べるとそれほどとは感じないが、こっちの世界ではこれだけキラキラしているとこは貴族区にしかないかもしれないな。


「おー、すごい! 金髪だけじゃないか!」

「そうだぞ。この店は金髪ナイスバディが基本だ」


相変わらず端っこの方にミッシェルがいる。

にこにこ笑って、視線を送ってきているな。


「誰を選ぶんだ。これだけいい女ばかりだと迷うな」

「俺はもう決めているから、好きな女を選べ」

「いいのか? 先に選んで」

「いいぞ」


もちろん、ミッシェルを選ばれたらダメだと言うが、まぁ、かぶることはないだろう。

これだけいるんだからな。


「では、やっぱり真ん中にいる女だな。ひとりだけ輝きが違うな」


ん? 真ん中か。中段のど真ん中にいる女か。

あー、確かにひとりだけ衣装が派手だな。ナンバー1なのかもな。


「分かった。俺は彼女だ」


ミッシェルを指さすと立ち上がって喜んでいる。

あ、ナンバー1の女に睨まれているな。

なんでだろう?


「じゃ、2時間後な」

「おう」


それぞれの部屋に入る。

もちろん、俺はミッシェルと一緒にな。


「お久しぶりっ。嬉しいな」

「俺の店では会っているぞ。ここは久しぶりだけどな」

「どこのお店に通っているのかな? それともいい人ができたかな」

「あー、まぁ。いろいろとな」


うーむ。ソフィの話をすると怒るかな。

まぁー、拗ねたふりくらいはしそうだな。


「でも、嬉しかったわ。私を選んでくれて」

「何言っているんだ? ミッシェルに決めて来たに決まっているじゃないか」

「嬉しいっ」


抱き着いてキスしてきた。

もちろん、熱いキスを返してやった。

そのままベッドに倒れ込んで、情熱的な抱擁を始めたぞ。


☆  ☆  ☆


「どうだった?」

「そりゃ、最高だったぜ」

「それはよかった」

「あんないい女が言いなりって、まるで天国だな」

「まぁ、また一緒に来ような」


こいつと一緒に来るときは、この店だな。

やっばり高級店には高級店の良さがあるな。

ミッシェルのテクにはとても太刀打ちできる気がしないが、それはそれでいいもんだな。


「それはそうと。やたらと、兄貴のことを聞かれたよ」

「えっ、なんで俺のことを……」

「まぁ、黒髪だし目立つからじゃないですか?」

「あー、高級店に黒髪が来るというのは、ってことか?」


この異世界は、金髪至上主義みたいだからな。

青髪とか緑髪は、いくら金持ちになっても、貴族になることは無理みたいだしな。


「えっ、どういうことかな?」

「だってそうだろう。黒髪は下に見られるんだろう」

「何言ってるんですか!」


ん? なんか急にテンション上がったぞ。

なんか変なことを言ったか?


「黒髪というのは、至上の存在。唯一金髪の上に存在するレアな存在だよ」

「そうなのか?」

「この国が成立したのは、金髪好きな黒髪の勇者がいたからって伝説があるんだよ」


なんと!

俺以外にも黒髪がいたのか。

それも、勇者となると転生者なのかもしれないな。


「そもそも、黒髪は烏髪とも呼ばれて、天に一番近い存在ともいわれているのさ」


そんな話もあるのか。

まぁ、金髪好きな黒髪勇者が勝手に言った気がするな。


「とにかく。兄貴の店はコブラ一家が守ってみせるぜ」

「頼んだぞ」


コブラ一家の後ろ盾ができて、すこし安心したな。


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