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第27話 JKと一夜をすごすことに

「ご指名ありがとう」


青髪少年と一緒に外で待っていると、着替えてきた彼女がやってきた。

彼女の名前は、ソフィちゃん、年齢は17歳だと言う。


大人しそうな感じだったけど、指名したら喜びを全身で表現していて明るく感じる。

身長は俺よりも20センチくらい低くてちょうどいい感じだ。

濃い緑の髪にワインレッドのワンピースが似合っている。


「夕食は食べたかな」

「まだなの」

「じゃあ、一緒に食べに行こうか」


青髪少年も含めて夕食に行くことに。

ソフィちゃんと青髪少年は元々知り合いらしく、指名したと言ったら喜んでいた。

それもあって、一緒に食事することにした。


本当のことを言うと、女性とデートの経験が少なすぎて、ふたりだと間が持たない気がしたのが本当のとこだ。

日本ではゲームとアニメに明け暮れていたからなー。


「ソフィちゃんは何を食べたいか?」

「なんでもいいの?」

「貴族の行くような店は無理けどな」

「そんなとこ、元々、無理! 最近、話題の店がいいなぁ」

「どんなとこだ?」

「オーク肉料理のお店なの」

「オーク肉?」

「僕知ってるよ。魔物オークの肉を使った料理が有名な店さ。3区の店でしょ?」

「そう。噂は聞いたことあるんだけど、私達じゃ高くて無理だから」


こそっと青髪少年にいくらくらいかかる店か聞いてみた。

料理だけなら、一人銀貨1枚はいかないだろうとのこと。

それなら余裕だから、安心した。


「あー、楽しみっ。オーク肉ってどんな味なのかな」

「リン姉は昔から肉好きだからねー」

「ふたりはずいぶん前から知っているだな」

「うん、私達、スラムで育ったんだ。髪の色で分かると思うけど」


ん? 髪の色?

ふたりは緑と青なのは、スラムと関係あるのか。


「この街では、金髪みたいな髪じゃないと良い仕事ができないんだよ」

「あれ? 店主さんはこの辺りの人じゃないんだ」

「ええ。遠くからきたもので、この街の常識があまりないんだ」


そういえば、高級娼館は金髪ぽい髪色の人しかいなかったな。

娼館でも髪色による差別があるのか。


「金髪の人は元々この地にいた人達じゃないの。戦争で入植してきた人達。もっとも、もう150年前のことで今は街の中心にいる人達よ」

「そんなバックボーンがあるのか」


俺から見ると、青や緑の髪の人はコスプレみたいで楽しいと思うが。

金髪の人からすると原住民的に見えているのかな。


「すると、俺の黒髪はどうなのかな」

「黒髪は異邦人扱いね。それも相当珍しいから、どの階級にも入らないかな」

「旅人にはごくたまに黒髪の人はいるよ。だけど店主ほど真っ黒なのは初めて見たよ」


そうなると外人枠ということか。

差別はされない代わりに、親密感を持ってはもらえないかな。


「あ、ここだよ。今、この街で一番うまいオーク肉料理を出すと評判の店さ」

「うわー、楽しみ。じゅるる」

「俺も豚肉は好きだから、オーク肉にも期待だな」

「僕も食べたことないからわからないけど、噂ではとにかくガツンと来るって言われてるよ」


ガツンとくるオーク肉料理。

楽しみで仕方ないな。


その店はそこそこ高級という感じのレストランで、4人卓が全部で12あった。

すでに半分ほどは埋まっていて、俺たちもひとつの宅にすわった。


俺とソフィちゃんが並んで、俺の対面に青髪少年という配置だ。


「ここはステーキのセット料理があるのか。ランクがA、B、CとあってAが一番いい物らしい」

「何が違うかな」

「要はステーキのサイズらしいな。ステーキ以外のアラカルトもあるが最初はステーキセット料理がいいだろう。俺はAセットだな」

「私もAがいいな」


女子供には、Aだと多すぎるかもと考えたが、うまい肉なら大丈夫だろう。

ここは太っ腹で3人ともAセットだな。


「Aを3つ頼む」

「かしこまりました」


ピシッとした服を来た美人さんがオーダーを取ってくれた。

金髪の女性だから、いい身分の女性みたいだな。


「どんなのかな、楽しみ」

「早くこないかなー」

「腹減ったな」


さっきから肉が焼けたときのうまそうな匂いがしている。

こういうときの時間は長く感じるものだな。


「はいお待たせしました」


早っ、5分くらいで持ってきたぞ。

プレートにはサラダとスープとパン、そして大きな塊肉が載っている。


「骨付き肉か!」

「Aセットだから、一番うまいところだからだよ」

「すごくおいしそう」


うん、まずはがぶりと食らいつく。


よく火が通っていて、甘辛いソースがかかっている。

かじった瞬間、肉汁がどばーっと口の中に広がった。


「「「うまい!」」」


なんだ、この味の深みは!

基本的には豚肉に近いといえば近いけど、強烈な旨味が後から感じられる。

少し堅いとも感じるくらい肉の反発力があるが、その食感も美味さを引き立てている。


ガツガツと喰いまくる。

俺だけじゃなくて、ふたりも同じだ。


肉はあばら骨のあたりのようで、骨についた肉がまた美味い。

歯でそぎ落とすように肉を食う。


最初こそフォークを使っていたが、だんだん面倒くさくなり手掴みになった。

やっぱり骨付き肉は手掴みで食うのが一番美味い。


肉を半分くらい食べたところで一休み。

Aセットの肉はさすがにデカくて、一気食いはできないな。


このあたりでサラダを食べて、少し休憩だ。

ふたりを見ると、まだガツガツ食っている。

本当に肉好きのようだな。


「どうだ? うまいか」

「「とっても!」」


最高の笑顔で返事してくれる。

なんか、いいな。こういうのも。


それもひとりは美少女JKだしな。

もうひとりもジャニーズがスカウトに来てもおかしくない美少年だが、俺はそっちの気はないから関係ないが。


俺はサラダを食べ一休みしたら、パンを手に取って皿にソースと肉汁が混ざった物を付けて食べる。

どっしりとしたパンが美味い肉汁ソースでこれも美味いな。


「あ、それいい。僕もやってみる」

「私も」


ふたりも真似して蕩けるような顔になる。

うん、そうだろう。


俺はスープを飲んでみた。


「あれ?」


肉の切れ端と野菜が入ったスープなのだが、出汁がほとんど出ていなくて塩コショウくらいしか味がない。


「これだけ美味いオーク肉があるんだから、豚骨、いやオーク骨をスープになぜ使わない?」

「えっ、骨をスープに入れるの? それ美味しいの?」

「美味いぞ、きっと。これだけ旨味が強い肉なら、骨の髄だってスープにしたら絶品のはずだ」


俺は野郎系ラーメンを想像して、美味いオーク骨スープを飲んでみたいと思ってしまった。

この肉で作ったチャーシューだって、すげー美味いはずだ。


「でも、オークの骨は臭くてダメだよ」

「それは下処理をしっかりとやっていないからじゃないのか?」

「下処理って?」


青髪少年は料理に興味があるのかもしれない。

ちょっと面白いから、ちゃんと説明してやった。


高さのある鍋にたっぷりのお湯を入れて煮る。

それは5分で捨てて、またお湯を入れて5分煮る。


ここまでくると、臭みは相当弱くなるはすだ。

後はネギやニンニクという臭み取り野菜と一緒に煮る。


そこから8時間かけてスープを取るんだ。

骨についた肉はもちろん、骨の髄まで出て極上のスープになる。


あ、話していたら、猛烈にオーク骨スープが飲みたくなった。


「オーク骨って手に入らないかな。新鮮な奴な」

「手に入るよ。魔物の解体はスラムの住人の仕事だもの。オークの骨はゴミになってるよ」

「うおー、それはもったいない」


明日、頼んでみるらしい。

それは楽しみだな。


学生の頃、野郎系ラーメンが好きすぎて、バイトした甲斐があったな。

ちゃんとスープを取る方法は身体で覚えているからな。


「ふう。お腹いっぱい。とってもおいしかった。ありがとう」

「おう。又、来ような」

「嬉しい」


レストランを出たら、ソフィちゃんが腕を組んでラブラブカップルみたいになっていた。

美少女とラブラブなんて、なんという贅沢か。

異世界じゃなくては味わえないものだな。


「ほら、あそこがお勧めの宿屋だよ。一泊銀貨2枚の贅沢なとこだから、気に入ってもらえると思うよ」

「おう。お前の案内は的確だから信じているよ。今日のガイド料だ」


大銅貨3枚を握らせると青髪少年はにっこりと笑った。

ここから先は大人の時間だ。


「うわー、素敵。こんなきれいな宿初めて。ベッドがふっかふかよ」

「おお。いい感じだな。俺の定宿にしようかな」

「こんなとこに毎日泊まれたら、幸せねー」

「今日は恋人同士だから、幸せを分かちあおう」

「うん」


ソフィちゃんが抱き着いてきた。

唇と唇が触れ合い、そして恋人同士のラブラブな一夜が始まった。


異世界はロリコン天国なんです。


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― 新着の感想 ―
[良い点] やっとラーメン屋につながってきた! オーク骨スープ…音訓での読みが難しいのでオク骨スープとなるかな? [気になる点] 珍しくもじらずに実名ジャニーズになってましたね。 [一言] いーなー、…
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