第16話 そこは金髪パラダイスだった
「いらっしゃいませ。《アムーレ》にようこそ」
おおっ、もしかして。あなたは執事さんか?
モーニングみたいな黒い服を来た初老の男が出てきたぞ。
すごくいい感じの紳士だな。で、ここって、娼館だよな。
「初めての方ですね。《アムーレ》のルールを説明させてもらってもいいですか?」
「ああ。頼む」
「これから、出会いの間にお連れします。そこには今、サービスできる女性がいます」
あれか。横にずらっと並んだ女性から選ぶのかな。
「気に入った女性を指名するばいいのかな」
「ええ。女性は番号札を付けていますから、番号を私に告げてください」
「分かった」
「その後、奥にある部屋におふたりで行ってもらいます。そこから先はお二人だけの世界です」
「それはいいな。で、時間はどのくらいなんだ?」
「2時間となっています。時間になりましたら、ノックしますので帰りの支度を始めてください」
「そうか。で、料金はいくらになるのか?」
「銀貨2枚から4枚になります。番号札が白い女性は4枚。赤い札は3枚。青い札は2枚となっています」
札の色で値段の違いがあるのか。
よし。今日は豪勢に銀貨4枚の女性を選ぶとするか。
やっぱり、人気がある女性がいい女だろうからな。
せっかく異世界でエッチするんだ。異世界の最初の女性はとびきり良い女性にするとしよう。
自慢じゃないが、俺は日本では素人童貞だ。恋愛みたいなリア充の世界とは縁遠いからな。
だからな。風俗の世界には色々とうるさいぞ。
たった一度のエッチの機会とは言えども、無駄にはできないからな。
「それでは、こちらに」
導かれて入った部屋はだいたい六畳間くらいか。
真ん中に椅子がひとつだけ置いてある。
「ここに座れということか?」
「はい。お座りください」
俺は素直に座ってみた。
目の前には、真っ赤なカーテンが引かれている。
横巾、4mくらいあるかな。
執事が手を叩くと、するすると赤いカーテンが開いた。
その向こうには、美しい女性が並んでいた。
女性達は階段状になった雛段に座っている。
数えてみたら、一段に7人で4段あるから28人か。
「気に入った女性がいればお知らせください」
「あー」
28人の女性がずらっと並ぶと圧巻だな。
さの上、それぞれアピールしているし。
ただ、思ったよりバリエーションが少ないのが気になる。
髪の色は、金髪が一番多くて、他はプラチナ色や少し赤ぽい金色。
おかしいな……この街には金髪以外にも茶髪や青髪、緑やオレンジといろんな色の髪の女性がいるのにな。
ここにいるのは金髪と、それに近い髪の女性だけだ。
その上、身長が高くてスタイルがいい。
バストが大きくてヒップも大きくウエストはきゅっと引き締まっている。
ボンキュボンな女性だらけだ。
年齢は20代後半から30歳くらいに見えるな。
異世界女性の年齢はよくわからないけど。
本当のことを言うともう少し若い方がいいんだが。
25歳になったばかりの俺としたら、自分より年下がいい。
残念ながら、ここにいるのは同じか少し上の女性ばかりだ。
うーむ。風俗の年齢規制が強いんだろうか、異世界は。
まぁ、いいか。並んでいる女性から、選ぶとしよう。
この胸の高ぶりのまま、エッチなしでここから出るなんて考えられないぞ。
下半身もギンギンに同意しているしな。
だけど……困ったな……選べないぞ。
こんな美人ばっかり並んで、「私を選んで」とアピールしている。
そういうことに慣れていない俺だからな。目を合わすのもなんか難しい感じだ。
まいった……どうしよう。
「あれ?」
アピール全開の女性が多い中で、中段の一番端の女性が気になった。
なんか、下を見ているというか……なんか、恥じらっているというか。
他の女性達と比べると確かにナイスバディ感が弱くて背も小さめで、すごく綺麗な金髪。
だけど、かわいらしい顔をしている……うん、良い感じがする……よし、彼女にしよう。
「34番の方を」
「ミッシェル! ご指名だ」
最初、彼女は呼ばれたのに気づかなかい様だった。
周りの女性達からつつかれて、びっくりした顔になった。
指名されるとは思っていなかったみたい。やっぱり謙虚でいい感じ。
あ、彼女は青い札だったのか。銀貨2枚の一番下のランク。
思いっきり笑顔になった彼女は、ひな壇を降りてきて俺の前に立ってスカートのすそを持って挨拶した。
俺は、うむ、とうなずいて彼女の手を取った。
ちょっとひんやりとした柔らかい手。
彼女とこれから……そう思うと嬉しさがあふれてきた。
ふたりで奥の部屋に歩いていって、ふたりきりになった。
そして、濃厚なエッチをした。
金ができたら、エッチだと。
それしか考えいないとは。
せっかくの異世界なのに!




