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49話 冒険隊アルラウネ

――

さくせん

 SPつかうな

 SPぜんかい

 そこからうごくな

――


 ……なるほど、今選択できる作戦はこの3つか。

 「SPつかうな」はSPを使う行動をしなくなるってことだな。これは実質的に通常攻撃固定になる。スキルを使った方がダメージが低い場合にこの作戦は使えそうだな。潮騒の洞穴で早速使えそうだ。

 逆に「SPぜんかい」はSPをたくさん使う行動をするようになるってことだな。今のところ攻撃スキルよりも補助スキルの方が消費SPが多いから実質的に使うスキルを指定している作戦と言っていい。レベル上げが進んで消費SPの多い攻撃スキルが習得できればまた違うんだろうけど今は関係ないね。これは多分今のところ使い道が無さそうだ。

 そして最後に「そこからうごくな」か。……これは単純に移動しなくなるだけか? 特に有用な感じがしないな。いつどのタイミングで使うんだろう。……これも今のところ使い道が無さそうだな。

さてまだ確認するべきことは残ってるんだけど、そろそろ朝礼に行くか。


 朝礼は毎朝同じ場所で行われる。内容も特に変わらない故に大抵その内容はスキップされる。集合すれば始まり、解散の合図だけを聞きにいく時間。ヒナタにとって朝礼とはそんな認識である。

 ……しかし今日の朝礼は少し様子が違うようである。見慣れぬモンスターがトップとヒショの隣に並んでいたのだ。


「……全員揃ったな。それでは朝礼を始める。……まず最初に朗報だ。遠征に行っていたフラワ、グリン、トルーネが帰還した」


 ヒショのその声に並んでいた3体のモンスターがそれぞれ頭を下げた。恐らく左からフラワ、グリン、トルーネなのだろう。

 ヒナタにとってはギルドのメンバーが増えたことになるのだが、それよりも遠征という単語がヒナタには気になった。


「我々冒険隊アルラウネは今回の遠征で新しいダンジョンを発見した」

「新しいダンジョンだって⁈ すごいなアルラウネは」

「ありがとうモッフ。そう言ってくれると私も嬉しいよ。……ただ、その見つかったダンジョンである果てなき森はかなり複雑で簡単には攻略できそうになかった。だがきっとギルドのみんなの協力があれば攻略できると思うんだ」


 ギルドの面々は新しく見つかったダンジョンに大いに心躍らせているようだ。皆テンションが上がっているのが目に見えて分かる。

 ……もっともヒナタはそれほどテンションが上がっていない。ヒナタはそもそも潮騒の洞穴の攻略、そして迷いの森の攻略とやることがいっぱいであり、新ダンジョンの攻略にまで手が回らないのだ。

そんなことを考えていると咳払いをしてからヒショが口を開いた。


「……とは言ってもすぐに攻略を始めるわけではない。皆は今個別で依頼を抱えているだろうし、攻略の準備も必要だろう。遠征から帰還したアルラウネと情報を交流しながら攻略の準備をしておいてくれ。……それでは解散」


 なるほど、すぐに攻略を始めないのか。それだったら迷いの森の攻略まで終わってからかもしれないね。それだったら参加できるんだが……。ん? ヒショが呼んでるな。


tips:

ダンジョンの入り口は様々である。注意深く辺りを観察してみよう。

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