156話 まだトップは不在
『目的のアイテムが手に入ったガドカリは嬉しそうに帰っていった』
『依頼をひとつ達成しました。すぐにギルドへ帰還しますか?』
心残りがあるとすれば、いまだにダメージ感覚がわからないままということだけかな。まあ、それはまた今度ってことで、今回はもう帰還しよう。特にやることもないしね。
「配達してくれてありがとう。本当に助かったよ。是非この報酬を受け取ってくれ」
『ヒナタたちは報酬として600G受け取った』
『依頼達成によりランクポイントを20手に入れた』
「ヒナタお疲れ様。今日はもう寝てまた明日頑張ろうね」
ヒナタの横で賑やかな音が鳴り響いた。最早聞き慣れた音だが、この日の音はなぜだか少し違ってヒナタには聞こえた。それは多分ベッドが変わっているからだろう。ウォーターベッドの上で満足そうにひとつ笑ってからヒナタはベッドから降りた。
ふふ、寝心地は抜群だよ。寝ている時の感覚自体は全くないんだけど、降りる時に感じる感触でかなり満足できる。つまり抜群の寝心地だよ。間違いないね。
さて、今日も依頼を進めようかな。前回はランクポイントが20稼げたからね。次の冒険隊ランクに上がるためにも、今回はひとつ果てなき森の依頼でも進めてみようかな? 案内だから難易度が上がるとはいえ、一回の依頼達成で70もランクポイントがもらえるのは破格だからな。
……おっと、こうしてる場合じゃないな。また朝礼に遅刻しちゃうや。
「……それでは、解散」
よし、朝礼が終わったな。それじゃあ今日の行動を始めようか。
……そう言えば今日もまたトップはギルドにいなかったな。やはり何かイベントでもあるんだろうか。トップ不在の間に何かアクションを起こす系のイベントの可能性はちょっと高そうに思えてきたぞ。と言っても何をしたらいいかなんて見当もつかないけどな。
こういう時は今までの行動がヒントだったりするんだよな。ええと、トップがいなくなったのは果てなき森の攻略が終わってからだよね。何か関係は……、さすがにないか。
となると、……どれだ? そういやどこかでトップの話を聞いたっけな。
ヒナタは今までの行動を頭の中で振り返り、ふと引っかかりを覚えた。何気ない話の中でトップのことが話題に上がったことがあった気がしたのである。そしてそれはかなり近しい、それも前日の記憶である。
…………あ、思い出した。ガオンが言ってたんだ。トップの部屋に古いハープがあって、トップがいない今なら触れるかもしれないって奴。ちょっとトップの部屋に行ってみるか。
tips:
依頼のランクが上がれば貰えるランクポイントも増える。時にはランクの高い依頼をこなしてみよう。




