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第121話 『VS『魔導研究会』③』

予約投稿忘れてたぁぁぁぁ!

 

 しかし、カレットはそんな魔法の大群にまるで臆した様子もなく、むしろ楽しげにすらしている。


「ふふっ、ふははッ!そう来なければな!

 飲み込め!【五重(ファイアストーム)火嵐(・クインテット)】ッ!

五重(ウィンドストーム)風嵐(・クインテット)】ッ!」


 ノルシィの放った36の魔法の刃を各五重に展開された火と風の嵐が次々と飲み込んでいく。


 水の刃は火の嵐を、土の刃は風の嵐を、それぞれ1〜2発は抜けるのだが、それでもどうにか突破した刃も余すことなくもう片方の嵐に為す術なくかき消されてしまう。


「ふはははははは!そんな数だけの魔法で私の魔法を突破出来るとでも思ったのか!舐められたものだなぁ!【三重風炎槍】ッ!」

「カレット、そろそろ」

「おぉ!ありがとう!んぐっんぐっんぐっ、ぷはぁ!」

「【四重滝壁】〜。特定の属性に特化するのは確かに強いけどぉ〜それが通じない時に別の手段が取れないって事でもあるのよねぇ」


 風で強化された火の槍を、大瀑布のような水圧の壁で叩き潰したノルシィはあえてカレットを煽るような言い方をする。


「う〜ん。ちょっと暑いわね。【アメフラシ】」


 そして、わざとらしく額を拭うジェスチャーをしてから杖を振るう。

 攻撃(いままでの)魔法とは少し毛色の違う魔法にカレットが怪訝な表情になる。

 とはいえ、それは俺も同じだ。名前からして水系統の魔法だと想像は付くが、それだけだ。


 と、未知の魔法の正体を探る前に効果は現れた。


 サァァァァァァァッと雨が降り出したのだ。実に大会日和な晴天だったはずの空はいつの間にか雨雲で満ちており、依然雨を降らし続けている。


「な……ッ!?天気を変える魔法だと!?」


 ノルシィが使った未知の魔法。その効果は、今カレットが言ったように雨を降らすというものだった。


 そう、ただ雨を降らすだけ。


 服や髪が濡れて不快感があったり、視界が悪くなったりもするが、あくまでそれだけだ。HPが減ったり何らかのデバフがかかったりという訳では無い。


 だからこそ意図を測りかねる。


「どういうつもりだ……?」

「ふふふ、もちろん理由はあるわよ〜。こんな理由が、ね。【凍結(フリーズ)】」


 ノルシィが魔法を発動する。

 次の瞬間、この雨の意図が理解出来た。


 ビキビキビキ……!


 今も尚降り注ぐ雨。その全てが凍り、無数の氷槍となって空から降り注いだのだ。


 しかも、それだけじゃない。既に地面に落ちていた水溜まりや水を吸った装備、そして雨に濡れた身体すらも凍り付き始めたのだ。


 これにはさすがにHPが減少する。さらに、システム的なデバフか物理的な阻害かは分からないが、動きが緩慢になる。

 雨自体に意味は無かったが、その雨こそがこのコンボの最大のキモだったということなのだろう。


「ッ!これが目的か!【六重(ファイアストーム)火嵐(・セクステット)】【六重(ウィンドストーム)風嵐(・セクステット)】ッ!おまけに……【六重(ファイアボール)火球(・セクステット)】ッ!」


 だが、カレットの対応も迅速だった。


 身体を凍り付かせながらも五重に展開された火と風の嵐によって依然氷の槍を降らせ続ける雨雲ごと全ての氷槍を焼き尽くし、その熱波によって周辺の地面に張った氷を溶かし切り、しかしそれだけでは終わらず、その水を蒸発させる。


 さらに、追加で放った六発の【ファイアボール】をそれぞれ『カグラ』の面々のすぐ側に着弾させ、その熱で凍り付いた装備や身体を溶かすという芸当をもいとも容易くやってのけた。


「助かる!」


 凍り付いていてはろくに動けもしない。それでは相手の遠距離からの魔法乱舞に為す術もなくやられてしまうだろう。

 そういう意味で、カレットの【ファイアボール】には大いに助けられた。


 だが、流石のカレットもこの短時間でこれだけの量の魔法を使うのは厳しかったのだろう。先程ポーションを飲んだばかりだと言うのに、もう次のポーションをメイから受け取って飲んでいた。


「いいのかしらカレットちゃん?そんなにパカパカポーション飲んじゃって。数に限りがあるのよ〜?【五重乱水槍(らんすいそう)】」


 怒涛の魔法ラッシュによってカレットが早くもメイから手渡された3本目のポーションを空けている。

 対するノルシィはまだ1本も空けておらず、『魔導研究会』として見ても、まだ1本たりとも空けていない。逆に『カグラ』としては既に5本ものポーションを消費している。


 ポーションの持ち込み上限が10本である以上、確かにこれは大きなディスアドバンテージとなるだろう。


「ふん!MPを気にして魔法が楽しめるか!

六重(ファイアボール)火球(・セクステット)】【六重(ウィンドボール)風球(・セクステット)

六重(ファイアランス)火槍(・セクステット)】【六重(ウィンドランス)風槍(・セクステット)

六重(ファイアカッター)火刃(・セクステット)】【六重(ウィンドカッター)風刃(・セクステット)】ッ!」


 しかし、カレットはそんな事はまるで気にしていないらしい。


 ペースを落とすこと無く、むしろさらにアクセル全開で魔法を放つ。

 火と風の球が各六発に火と風の槍が各六発、さらに火と風の刃が各六発。計36発の魔法が今度はノルシィ目掛けて放たれる。


 質には質で、数には数で対抗しようという事なのだろう。カレットが普段は滅多にしない小魔法の乱れ打ちをしている。


 とは言ってもその威力はシャレにならない。装備にスキル、称号にバフと現在のカレットは火魔法と風魔法限定でとてつもない量のバフがかかっているのだから。


「……っ。これはちょっと厳しいわねぇ。【六色ら……」

「はっはぁ!相手はカレットだけじゃねぇ!俺を忘れてもらっちゃ困るぜぇ!」


 カレットの魔法を迎撃しようとしたノルシィのすぐ横で、いつの間にか移動していたのかリクルスが拳を振りかぶっていた。


「はぁ……いきなり殴りかかってくるなんて無粋ねぇ、そういうのは嫌われるわよ〜?」


 少し向こうでHPを三割程減らした魔道士がいる所を見るに、カレットが一気に魔法を展開したのを見て急いで駆けてきたのだろう。行きがけに進行方向にいた魔道士を殴り飛ばして。


「はっ、敵には嫌われてなんぼだ!固まりな!【縛弾ばくだん】ッ!」

「それは無理ねぇ〜。私、がっつく男って苦手なのよ〜」


 スタン効果のある一撃を、ノルシィは身体を大きく逸らす事でなんとか回避する。


 だが、その代償は大きくノルシィの体勢は大きく崩れてしまう。

 これでは次の攻撃に対してまともな回避行動を取ることは出来ないだろう。


「避けたか!けど次のは避けらんねぇぞ!【斬脚】ッ!」


 そして、そんな格好の隙を見逃すリクルスでは無い。

 大きく体勢を崩したノルシィに対して斬撃属性を持つ蹴りのアーツを使って蹴りかかる。その軌道は正確にノルシィの首を狙っていた。


「ふふっ、避けなくても大丈夫なのよぉ?だって……私には魔法(これ)があるから、ね」


 だが、ノルシィはそんな眼前に迫る死を前にして一切焦りを感じていないようだった。

 それほど自身の魔法に自信を持っているのだろう。


「【氷竜(ヒドラ)】」


 リクルスの致死の蹴りがノルシィを捉える直前、ノルシィが一瞬だけ早く魔法を発動させた。


 ……さて、結果から言おう。


 この魔法によって、リクルスは死んだ。


今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!


おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします


ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!


今後も当作品をよろしくお願いします!

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