嘘と秘密とドSな…3
10月26日最後の部分を書き直しました。
何度もすみません。
少し、ストーリーが行き詰まり気味です。
学校の近く、駅前のいつものファストフード。学校が休みの今、集まる場所といえばここしかない。定期券で通える、集合場所。
「やっぱ、行きたくないなぁ~。なんちゃって…。」
足取りの重いあたし。ぶっちゃけ、行きたくないんだけど…。ウララが怖いし、マナには逃げられないように腕をとられているし…。逃げ場が無い…。
「行くわよ、委員長。ちゃんとあたしに話を合わせるのよ!じゃないと、疑われたままよ。柴田君がストーカーになってもいいなら、いいんだけど?」
「…がんばり、ます。」
あぁ。嘘つくのって体に悪いよ…。
店の中に入ると…。ヤバイ。柴田のやつ、もう来てる。奥のテーブル席に柴田とイケメン、それに…。中野君。今日はいつも通りで眼鏡はかけてない。
「…どうも~。」
何か気まずい。どっちも気まずい。下心はないんだけど、今日だけはイケメンの横に座りたい!!って思ってたのに…。イケメンのやつ、一番奥の席に座っている。その横に柴田。イケメンの向かいに中野君。
「ほら!ゆい座って。」
マナに背中を押され、席についた。
「ははっ。」
この席、嫌がらせ?あたしが座らされたのは、最悪の席。柴田の真向かい、中野君の横。あたしの横にはマナ。ウララは柴田の横で、マナの真向かい。つまり、あたしの目の前に柴田がいて、横には中野君がいて、頼みのウララは斜め向かいに座っている。本当に嫌がらせかしら…。
「柴田君、昨日はゴメンネ。あたし彼氏と一緒の時は携帯チェックしなくって…。」
最初に口を開いたのは、ウララだった。しかも、いきなり例の話!びっくりして、心臓がバクバクだ。
「そっかー。でも、別にたいした用事じゃなかったから。」
柴田のやつめ、たいした用事じゃないならメールするな!おかげでこっちは…。
「でね。昨日はデートだったんだけど、偶然委員長に会ったの!駅前で。」
うわぁ、さっそく嘘ついてるよ~。しかも、横に中野君いるのに…。ちらっと横を見ると、中野君は動揺どころかいつもと何も変わらない。その平常心、分けてくれないかなぁ…。
「なんかね~。元気なかったから、その辺ドライブして家まで送ってあげたの。委員長でも、落ち込む事あるのね~。でも、大丈夫よ。ちゃ~んと家まで送ってあげたから。」
「ふ~ん。お前、また迷子にでもなってたんじゃねーの?それか、お腹空いてたとか?」
何にも知らないイケメン。でも、今日は怒る気しない。だってあたし、今それどころじゃないから。
「違うよ!ちょっと疲れて座ってただけ。でも、ウララの彼氏が送ってくれたからよかった。それより…。」
「ウララさんの彼氏って、どんな人?木村さんから見て、かっこよかった?」
「えっ…。」
フリーズ。背筋が凍るって、こういう事?ありえない!中野君が、会話に加わっている!っていうか、その質問なに?柴田が探りをいれるならわかるけど、中野君?キミ、絶対わざとだよね…。
「か、か、かっこいいと思うよ…。お、大人だし。運転できるし…。ウララの彼氏だし…。」
中野君の顔、見れない…。は、話を変えなきゃ!!
「どんな車に乗ってたの?車。」
「えぇっと~。」
中野君の追求。一体何を考えているの?
「あたし。車、詳しくなくて名前とかわかんない。」
「ふ~ん。」
あぁ。もうこれ以上聞かないで…。変な汗かきそう…。
「遅れましたぁ!」
救世主登場!これで一気に話の流れを変えなきゃ!
「山崎く~ん!久しぶり~。」
「…そ、そんな、久しぶりじゃないよ。」
山崎君が良いタイミング来てくれたおかげで、中野君はまたいつものように黙っている。
「ね~。これからどうする?冬休みの予定決めよっか?」
「おう。早く決めないと…。」
「リョウの田舎行きの電車がきちゃうもんね。」
「うるせーなー。お前今度ついてきたら、駅に置き去りにしてやる!」
あたしはわざとイケメンに話をふって、柴田と中野君の方を見ない。なんか、柴田に会いたくないって思ってたけど…。中野君の方がヤバイ。中野君は地雷を持ってる。
「それなんですけど、僕に良い案があります。」
山崎君はそう言って、1枚の紙をテーブルに置いた。パソコンからプリントアウトしたらしい…。
「これに参加しませんか?」
田舎の風景の写真と、ボランティア募集の記事。ん?
「これって…。」
「おい!山崎。これどっから持ってきたんだよ!ていうか、お前わざとだろ??」
「あぁ!これ。リョウの地元じゃん。ド田舎の。」
イケメンは柴田を睨んで、紙を取り上げた。
「あ、人数分ありますんで。まわして下さい。」
山崎君は紙を取り出して、マナに渡した。そこからウララへ、みんなに渡される。阻止したくても、イケメンには最後に渡される。ナイス、席順。
「新年のお祭り?ボランティア募集?リョウ君。これリョウ君の地元なの?マナ、リョウ君ってもっと…。」
「どうせ、ド田舎だよ!」
イケメンがむくれている。ド田舎に住んでるの、もしかして気にしてるの?まぁ、不便そうだったしね。
「でも、山崎君よくこんなの見つけてきたね。」
「は、はい。ここだったら佐伯君も時間を気にせず、遊べるかと思いまして…。」
「やさしーい!山崎君!」
ホント、ウララの言うとおり。見直しちゃったよ。
「リョウはいいけど、俺たちどうするんだ?帰りの電車。」
「し、心配ないです。ここ、読んでください。」
紙をよく読む。…ボランティアスタッフは泊り込みOK。食事つきって。
「じゃあ、タダで泊まれちゃうじゃん。なんか、合宿みたい!楽しそう。マナ行きたい!」
「あたしもー。」
「じゃ、俺も。」
みんなが手をあげる。じゃあ、あたしも…。
「僕も。」
「!?」
あたしが左手をあげようとしたら、中野君の右手があたしの左手に重なって…そのまま握られた。
「木村は?」
手をあげないあたしに、柴田が聞く。
「ん?あたしも…行きたい。」
おそる、おそる…。あたしは右手をあげた。左手は中野君に捕らわれていて…ってなんで?中野君…なんなの?みんながいるんだよ!こんな所、見られたら…。どうすればいいの??
「どうするんだ、リョウ。」
みんながイケメンを見つめる…。
「ったく。しょうがねーな。けど、お前らが思ってるほど、いいもんじゃねーよ。ド田舎だし。泊まるのだって、公民館だぞ。」
「リョウ君。詳しいね。もしかして…。」
「毎年、行ってるからだよ!若者は貴重だから。行きたくなくても行かなきゃ…。子供も年寄りも、期待してるから…。」
「じゃあ。決定ね。どうしたの?ゆい。今日、なんか大人しいね。」
みんなの視線が集まる。もう、本当に限界。右手で頭をかく。左手は…。
「!?そ、そうかな?いや。お祭り楽しそうだな~って想像してただけよ…。」
話している途中なのに…。中野君が左手にいたずらを…してる。なんか…指で…あたしの左手をなぞっている。すごく…恥ずかしいよぉ…。
見えない所で、言えない事を…してる。そう考えるから、恥ずかしくなるわけで…。
中野君は、なかなか手を解放してくれない。小さなあたしの手を、簡単に覆い隠してしまう大きな手。最初に感じた温度差も、今は感じない。冷たい手が温まったのか、暖かい手が冷まされたのか…どちらなのかはわからないけど。
テーブルの上では、楽しい合宿の計画。テーブルの下では…。
中野君は相変わらず無表情で、クスリとも笑わない。あたしに意味有りげな視線を送るわけでもない。
結局…。
中野君はずっとあたしの手に触れていたし、誰にもバレなかった。
弄ばれたのはあたしだけ…。
本当に疲れた…。
ストーリーに行き詰っています。
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