チャリンコ☆クリスマス1
アメリカンなクリスマスパーティー当日。
あたしは一足先に、教室に来ていた。
「委員長さん。これはそっちに置いて下さい。」
「は~い。」
リーゼントと飾り付けの仕上げをする為だ。
最初リーゼントはサプライズで、用意するつもりだったらしいけど。ここは一応女子の校舎。鍵の管理はあたしの仕事だ。
「でも、これスゴイね。後藤君の家ってこんなものまで用意するんだ。なんか、何から何までまかせっきりで申し訳ないね!」
「うちの飾りのついでだから…。それに、お父さんがイベント大好きなんで。」
どうやら、リーゼントのお父さんはアメリカンな趣味らしい。と言う事は、リーゼントはヤンキーではなくって昔のアメリカの真似?なのかなぁ…。
ガラッ。
「あれ?山崎君。早いね~。まだ集合の時間じゃないけど…。」
ダンボール片手に、山崎君が教室に入ってきた。
「これ、パーティで使ってもらおうと思って…。」
「なに~??見せて、見せて。」
コンパクトなダンボール。中を覗くと…。
「山崎君。これは…。」
サンタの帽子、ネコミミカチューシャ、リボン、魔女の帽子…。
「こ、コスプレだけじゃない、よ…。ちゃんとサンタもトナカイも用意した…よ。」
疑いの眼差しで山崎君を見る。やつはどうにか、女子にコスプレまがいの事をさせる気らしい…。
『♪♪~♪』
「あ。あたしの携帯。」
急いでバッグから取り出す。相手はイッキだ。
「もしもし。…うん。…わかった。」
イッキとペコはケーキ係。ウララとマナと中野君(荷物持ち)はチキン(といっても駅前のファストフード店のものだけど)、柴田とイケメンは重たい飲み物係だ。
「後藤君。そろそろ、ケーキ係が到着するみたい。飾りはこれでいいかなぁ?あ。あの、箱は何?」
1つだけ、部屋の隅に置かれたダンボール。まだ開けてない。あれも飾りだったら間に合わないかも…。
「あれは!違います!みんなで、後で開ける…。サプライズです!」
サプライズ?あたしには言っちゃっていいんだ?
「じゃあ、いつ開けるの?みんな揃ってからでいい?」
リーゼントが頷いている。じゃあ、これで準備はOKっと。和室なのがちょっと残念だけど、結構クリスマスっぽくできたみたい。
部屋の中央には、赤い布をかけたテーブル。ケーキやドリンクはここに置こう。横にはあまり大きくない、クリスマスツリー。まぁ、畳に座れば大きさは気にならないかなぁ??壁はクリスマスカラーのキラキラテープを使って、ゴージャスに飾り付けたし…。畳を隠すために、大きさを変えたたくさんの風船を敷き詰めた。もちろん、サンタやスノーマンのバルーンも用意した。これはリーゼントが持って来てくれたもので、ガスがちゃんとはいっている。ツリーの傍にくくり付けられて、ふわふわ揺れている。
「あ、荷物どうしよう…?置く所ないから…。部屋の隅にもう1つテーブル出して、そこにみんな置いてもらおうか?」
「じゃあ。持ってきます。」
山崎君が折りたたみのテーブルを持ってきてくれたから、そこにカバンと携帯を置いた。
「委員長って、ストラップとかつけないんですか?女の子はジャラジャラつけてるんだと思ってました。」
山崎君が、あたしの携帯を見て不思議そうに言った。
「あたし、結構シンプル好きなんだよね。なかなか気に入ったストラップもないし…。」
「そうですか…。」
ガラッ。
「おいーっす。」
柴田とイケメンが、コンビニの袋を提げてやってきた。
「メリークリスマース。がんばってる委員長に特別プレゼント。」
そう言って、イケメンがあたしにくれたのは…。
「ジュースのオマケじゃん。」
よくある、ペットボトルのふたにくっついているオマケ。
「こんなに何個もいらないって。」
「ばーか。3個しかないんだぞ。女子全員にないんだから、お前がもらって隠しとけ。」
無理やりイケメンに、オマケを握らされた。しょうがない…。もらっておくか。
「メリークリスマス!!」
次々に、みんなが揃った。
さぁ。楽しいパーティのはじまり、はじまり☆
まだまだ、続きます。
登場人物が多いので、出てきて欲しいキャラクターなど要望があったら感想に書いて下さい。
先のストーリーはまだ決まっていないので、参考にさせて頂きます。
よろしくお願いします。




