表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/18

16


 俺はペンダントを取り出して掲げた。


 しかし、その刹那、ポケットの出口にソケットが引っ掛かり、上手く出せずに床に転がった。

 やべえ、と俺は咄嗟に屈んだ。


「グワウッ!」


 悪霊は骨張った右腕を薙ぎ払った。

 それはしゃがみ込んだ俺の頭上で空を切った。

 俺はペンダントを拾い上げると、つんのめるように前に走った。

 やべえ。

 危なかった。

 そう思いながら振りかえったとき、俺は目を見開いた。

 悪霊は眼前にまで迫っていた。

 ペンダントを出す間もなく、俺はそのまま壁に磔にされた。


「グッググググゥゥゥ……」


 悪霊の腕に押さえつけられながら、俺はくぐもった呻き声をあげた。

 強い衝撃と同時に、禍々しいオーラで全身が悪心を包み込んだ。

 こ、このままじゃあやべえ。

 どうにかしないと。

 身体を捻って藻掻くが悪霊の力が凄まじく身動きがとれない。


「お父様! やめて!」


 リーゼが叫び声をあげた。

 その瞬間、刹那、力が緩んだ。

 俺は上手く右手をすり抜けさせ、ポケットに手を突っ込んでペンダントを取り出した。


 すると、ソケット部分から光が溢れ出始めた。


「ゥゥウウウゥグググ……」


 光に包まれた悪霊は俺から身体を離して悶え始めた。

 苦しんでいる、というよりは、苦悩しているような姿だった。

 今しか無い。

 俺はテーブルの下に置いていた銅剣を持ち、悪霊に挑んだ。


「駄目です! そんなもので、お父様には敵わない!」


 リーゼがぶつかるように俺を制した。


「け、けど、チャンスは今しか無い」


 俺は言った。


「あのような姿になったお父様は、あなたの力では止められない」

「じゃ、じゃあ、どうすれば」

「逃げましょう」

「逃げるっつったって――」


 俺は眉根を寄せた。

 それが出来るなら、リーゼはここに閉じ込められていないのではないか。

 この屋敷にいる限り、奴から逃れることなんて出来ないのではないのか。

 そのように考えた。


「私の部屋に行きましょう」

 リーゼは叫ぶように言った。

「お父様は、私の部屋には入って来られない」


 そ、そうなのか。

 安置があるなら、とりあえずそこに逃げ込むべきか。

 だが――と、悪霊に目をやった。

 悪霊は苦しそうに藻掻いていて、まるで無防備に見えた。

 今なら、会心の一撃を奴に叩きこめる。

 そんな風に感じた。


 そして俺は――


 A 分かった。一緒に逃げよう。そう言って、リーゼの手を取った。


 B 少し離れていてくれ。そう言うと、無防備な悪霊の背中に向かって剣を振り下ろした。



 A を選んだ方は17へ


 B を選んだ方は18へ

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 ここは男を見せるところ。  そしてリーゼちゃんともっこり~!  それじゃBの18へ、レッツゴーっ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ