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ゆ~みっくすちゃれんじ!  作者: M11
Heat-2 タニグラへ行こう!
14/25

友美の静岡遠征編です

若干の百合要素含みます

 キーンコーンカーンコーン……。

「ホームルームは、これにて閉会」

「起立!礼!」

 ガヤガヤ……。

 先生と日直の号令で、教室は放課後の喧噪に包まれる。

 部活へ行く者、帰宅する者等、様々である。

「友美ー」

 仲の良いクラスメイトが、声をかけてきた。

「なに?」

「さっちんとみぃーがね、一緒に帰らない?って」

「ちょっと待ってね……」

 手帳を開いて、予定を確認……っと。

「あ……」

 今日は、あの日かぁ……。

「……もしかして、例の日?」

 彼女、芝本亜弥(しばもとあや)は小学校時代からの幼なじみ。あたしがRCをやっている事に対して、唯一理解をしてくれている親友。他の友達からは、

「付き合い悪いよー?」

と文句を言われているけど、友達付き合いはそれなりに円満……のはず。その辺りをフォローしてくれるのが、彼女なの。かなーり助かってます。

「タイミング悪いなー」

 ちなみに『例の日』とは、母さんと「RCショップ・ミナガワ」で待ち合わせをする日。月に一回、母さんとお店で待ち合わせをして外食する日なの。

「困ったわねー」

「ちょっと、母さんに都合を聞いてみる」

 言うが早いか、携帯を取り出してメールを打ち始める。言っておくけど、携帯の所持に関しては、学校の許可を取ってあるからね?

「あやっちは、返事が来るまで向こうのフォローお願い」

「はいよー」

 とてとてと、彼女は先述の二人組の方へ移動していった。

 五分後……。

「♪~~~」

 メールの着信音。相手は……母さんだ。

『多少遅くなるかも。研究所出たらメールするわ』

 ということは、若干時間が出来た……事になるのかな?

「ごめーん、おまたせ」

「どうだった?」

 あやっちが結果を聞いてきた。

「母さんが少し遅れる、って。付き合うよ」

「よぉっし、そうと決まればシノ、行くわよ!」

 さっちんと呼ばれていた佐倉郁奈美(さくらかなみ)が、音頭を取る。

「どこへ行くの?」

「例のアイス屋で新作が出たらしいの」

 もう一人のみぃーこと、久世美優(くぜみゆう)が情報を教えてくれる。

「女子としては、行かなければいけないよね、ゆーちゃん?」

「たまには、男の趣味から離れて私達に付き合いなさいよね」

「ははは……」

 口は悪いさっちんだけど、みぃーと一緒になって、女友達があまりいないあたしを心配してくれてるのがわかる。これも、あやっちのフォローのおかげかな?



「結構さっぱりした味だね」

 新作アイスを順番に食べて、あたしは感想を漏らした。

「ちょっと物足りないかなぁ」

「私的には良いと思うけど?」

「インパクトが足りない……かな」

 それぞれ、さっちん・みぃー・あやっちの感想。

「でも、おいしかったよ」

「ゆーちゃんはここ、久しぶりでしょう?」

「そうだねぇ」

「ほんと、付き合い悪いんだから、シノは……」

 返す言葉もございません……とほほ。

「なに、その……RCって言うの?そんなに楽しい?」

 いきなり、ストレートに聞きますか。

「楽しくなかったら、やってないよ」

 趣味とは、そういうもんでしょう?

「私にはわからないなぁ」

 まぁ、普通はそうだよね。あたしたちの年代では、恋愛に興味を持ったり、アイドルにはまったり……あたしはその対象がRCだっただけ。

「でも友美は凄いよ?大の大人達に混じってRCして、なおかつ速いんだから」

「「へぇーーっ」」

 あやっちの力強い台詞で、二人に感心されちゃった。

「でも、この前は優勝できなくて残念だったね」

「うん……って、何であやっち知ってるの!?」

「こっそり見に行っちゃった♪」

 行っちゃったって…….。

「場所、知ってたの?」

「友美が教えてくれたじゃない、たまたまお店の前を通ったときに」

 そーだったっけ?記憶にございません。

「友美ったら、もの凄い真剣な目だったよ。二人にも見せてあげたかったなぁ」

「そ、そんなに?普段真剣な表情みせないからなぁ、シノは……」

「ちょっと、見てみたいかも」

 見せ物じゃありませんって、さっちんにみぃー?

「見に来てたなら、声をかけてくれても……」

「んー、そうしようと思ったんだけど、ちょうど飯合(めしあい)君?と話をしてたから」

「め、メッシー?アイツもRCやってるの?」

「へぇー、意外ー」

 ソウデスカ?男の子なら、普通なのでわ?

「そうらしいよ。敵情視察に来てたみたい」

「仲良さそうだったね」

「ちょ、まて!彼とは、口論になってたのよ?どこをどう見れば仲良いのよ……」

「そうなの?」

「彼と話せる女子って、アンタぐらいしかいないわよ?」

 マジっすか?

「飯合君って、ちょっと怖い感じあるよね」

「男子もあまり近づかないしね」

 へぇー、やっぱ転校生&関西弁ゆえに?

「あたしはそんな感じしなかったなぁ。怖いだけなら、店の常連メンバーの方が怖い人いるし。横峰さんとか?」

「まぁ、横峰さんという人がどんな人か知らないけど……」

「大人と付き合っているシノは、やっぱ違うねー」

 何か、他人が聞いたら誤解を招くような発言デスヨ?

 そこへ……。

「♪~~~~~」

 メール着信を携帯が知らせてきた。

「あ……母さんだ」

「ということは、お開きね」

 ごめんね、みぃー。

「もうちょっと居たかったなぁ」

「無理を言っちゃあいけないよ、かなちゃん?」

 時間があったらまた付き合うからね、あやっち、さっちん。

「居たかったなぁー!」

 うあ、さっちんがメンドクサイキャラになりかけてるー。

「こっちは納めておくから」

「ゆーちゃん、また明日ね」

「またね。あやっち、みぃー、さっちん」

 さて、お店へゴー!



「行ったわね」

「行ったね」

 亜弥と美優はお互いに視線を合わせる。そのまま、視点をテーブルに落とすと、ふてくされてる郁奈美がまだ座っていた。

「折角、久しぶりにシノとお茶できたのに……」

 相当ご立腹のようだ。

「なんだかんだ言いながら……」

「友美のことが好きなんだねぇ……」

 それを聞いた郁奈美が、突然立ち上がった。

「い、い、い、いい加減なことを言うんじゃあないわよ!わわわ私はただ、シノの交友関係が心配だから……」

「はいはい」

「そういうことにしておいてあげるよ」


「あんた達ーっ!」


 郁奈美のボルテージが、最高潮に達しようとしている。

「これは…」

「立派なツンデレだね」


「だ、誰がツンデレかーっ!」


「ちょっと違くない?」

「ツンが強すぎて、まだ覚醒してないか……」


「いい加減、そこから離れなさーいッ!!」


補足:友美の親友紹介


芝本亜弥(しばもとあや):友美の幼馴染 あやっち、友美と呼び合う 同年代での友美の理解者

佐倉郁奈美(さくらかなみ):クラスメイトその1 さっちん、シノと呼び合う 4人のリーダー的存在 お嬢様

久世美優(くぜみゆう):クラスメイトその2 みぃー、ゆーちゃんと呼び合う 割と常識人


郁奈美→友美の一方通行(片想い)な感じ もちろん、友美は気づいていません

他2人にはバレバレ それをネタに郁奈美はよくイジられますw

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