第3話~チュートリアルその①~
酒場、龍の顎亭で俺は、ジークさんにカードゲームのやり方を教えてもらっていた。
「よし! それじゃあ始めるとすっか」
酒が少し入っているのか、顔が少し赤いジークさんが饒舌に喋りだす。
「待って下さいジークさん。まだ彼に名称を言っておかないと」
「おお、そうだったな。マルク。説明してやってくれ」
「はぁ……仕方が無いですね」
マルクさんは呆れたようにジークさんを見た。
そして、俺の方に振り返る。
『コントラクトモンスターズ』それが、このカードゲームの名前だよ。
ちなみに、プレイヤーは契約者と呼ぶんだ」
コントラクトモンスターズ。
何故だろう、初めて見るのに初めてじゃないような気がする……
「よし、名前も言った所でルール説明だ。
勝利条件は10ある相手のライフを0にするか、相手がデッキからカードを引けなくなったら勝ちだ。
まぁ、これには幾つか例外があるがな」
なるほど、ライフ0をしたり、デッキからカードが無くなる以外にも、勝つことの出来るカードが存在するのか。
「じゃあ、始めるぞ。ほれ、デッキだ」
そう言ってジークさんは俺にデッキを渡してくれた。
カードの裏面は電波神が俺を此処へ導いた扉に掘られていたレリーフが書かれてある。
「まずは、デッキをシャッフルして、上からカードを五枚引くんだ」
そこら辺は他のカードゲームとあまり変わらないのな。
と思いながらデッキをシャッフルして五枚、カードを取った。
「カードを取ったな。本来なら先行後攻はジャンケンで決めるんだが、今回はルールを説明しとかないといけねぇから俺が先行を取らせてもらうぞ」
良かった。先行は俺が貰う! ドロー!とかじゃなくてジャンケンなんだな。
とか思っていると、ジークさんはデッキの一番上に手を置き
「誓いを此処に!」
「……なんですか。それ?」
「何って、ゲーム開始の宣言だよ」
困惑する俺にジークさんはさも当然のように言う。
というか、ゲーム開始の宣言なんてあるんだ。〇闘とか! 〇ートオー〇ン!みたいなのが。
「ほれ、言ってみな」
「こ……誓いを此処に」
とりあえず見よう見まねで言ってみた。なんか中二病ぽくって恥ずかしい。
と言っても何も変化は無い。ちょっと期待してたんだけどな。
「行くぜ、俺の番。ドロー!」
なるほど、先行は最初のドローが出来るのか。
「本当ならここでスタンドフェイズとムーブフェイズっていうのがあるんだが、今は関係無いから飛ばすぜ。
そして、コールフェイズ! ここでは一ターンに一度、手札からランク3以下のモンスターを呼び出すことができる!」
「ちなみに、ランクはカードの左端に書いてあるからね」
ここでマルクさんの解説が少し入る。
カードをよく見ると、確かにモンスターカードとおぼしきカードには名前の左側に数字が書いてあった。これがランクなのだろう。
「よって、俺はランク3《ゴブリンライダー》を後衛に召喚!」
カードがテーブルに置かれた途端。緑色の肌をした醜いゴブリンとその相棒のイノシンが現れ……なかった。
「更に、《ゴブリンライダー》の効果発動! 『速攻』! 《ゴブリンライダー》を前衛へ!」
うん、さっぱりわからない。前衛? 後衛? 訳わからん。
「あのー。前衛とか後衛とかってなんですか?」
取りあえず質問してみよう。何かわかるかもしれない。
「ぜんえ「前衛・後衛というのはね。言ってみればモンスターの位置だよ。
まず、モンスターを召喚したら一旦、モンスターは後衛送りになるんだ。
その後、ムーブフェイズで一度に最大三体まで後衛のモンスターを前線へおくことができて、逆に前衛から後衛に下がる時は下がるモンスターの数に制限はないよ。
そして、前線では、モンスターを攻撃させて相手のライフを削ったり、相手モンスターの攻撃を防ぐことができる訳なんだ。
ちなみに、さっきの《ゴブリンライダー》の効果の速攻は、自身をムーブフェイズ無しで前線へ移動できる効果と言うわけだ」
「おい!マルク! それは俺の台詞だ!」
ジークさんの声を遮ってマルクさんの説明が入る。
それにイラっとしたのか、ジークさんのチョップがマルクさんの頭にめり込んだ。おお、痛そう。
「マルクのアホもしばいたことだし、続けるぞ。と言っても、先行は最初の二ターン攻撃することができない。俺はこれでターンエンドだ」
これでジークさんのターンは終わり、俺のターンになった。
「行きます。俺のターンドロー!」
えーと、今の俺の手札は全部モンスターカードで、ランク3が三枚、ランク1が一枚、ランク4が二枚だ。
というか、どうやってランク4以上のモンスターを出すんだろう。
勝手がわかんないからとりあえず、出せるカードを出そう。
「俺は、《リザードウォリアー》を召喚します」
このカードは速攻を持っていたから、速攻を使って前衛に出そう。
「俺は《リザードウォリアー》の効果を発動しまs「ちょっと待ったぁぁ!」
速攻を使おうとしたら、マルクさんに遮られてしまった。
「ここは速攻を使わずに、追加召喚をしよう」
「エクストラコール?」
また、新単語が出てきたよ。
新出TCG用語
山札:プレイヤーがゲームをするために組まれたカードのセットのこと。
カードを引く(ドロー):山札からカードを引く行為。
番:ゲーム中プレイヤーに与えられる回。




