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第四百四十五話

 良樹が考えている通り、沖野宮高校には二つのテロ集団が襲撃を仕掛けている。

 先に購買店に襲撃を仕掛けてきたのは、『月下同盟』

 後方で待機して、空間生成装置と図書館を狙うのは『アーク・テーゼ』だ。

 この襲撃が終わり次第忘れてもらって構わない。


 月下同盟は『魔法を持っていなかった大手テロリスト』であり、アーク・テーゼは『魔法が解禁されて限度がなくなったテロリスト』である。


 月下同盟の狙いはもちろん、本来なら高額で取引されている魔法商品の強奪である。

 沖野宮高校の購買組合は強いので、そんじょそこらの小売店とは比較にならない量の商品が揃っている。

 すべてが売り切れることはまずないのだが、そもそも一年目では無理な話だ。

 多くの商品が売れ残っているわけだが、維持費は問題ない。秀星も金を出しているといえばわかるだろう。世界樹商品販売店のオーナーである秀星にところには、日々大金が転がってくるので、それを使えばいいというだけのことだ。

 もちろん倉庫は頑丈(セキュリティ部分を作ったのは秀星)で、普通なら突破できない。

 月下同盟が突破できるかどうかはともかく、商品を狙っているというのは、十分納得できる理由である。


 もともと規模の大きいテロリストであり、日本人ではないものが多い。

 というより、本国のほうでセキュリティが強すぎて、セキュリティの甘い沖野宮高校に来たというのが本音だろう。

 世界一位がいるということは知っているはずだが、だからと言って彼らがそれを本当と思うのかはまた別の話だ。


 そしてアーク・テーゼの方だが、魔法関係が解禁されて出てこれるようになった者たちだ。

 ちなみに『ビルシャカシャカ』の被害者でもある。

 ……すごく意味不明な言葉を生み出してしまったような気がしなくもないが、置いておこう。

 二人のリーダーを軸にして活動する犯罪組織であり、巨大なスポンサーが後ろにいるテロ集団である。





 どちらにも言えるのは、『人体実験をすると秀星が直々に来るので無理』だということである。

 秀星は今でも、その情報が入れば直接乗り込んでつぶしている。

 日本でも、そうした人体実験をしていたところはつぶれているし、今ではあまり活動している様子を聞かないカルマギアスも、取り締まる方向にシフトしている。


 ……話が変わるが、皆さんはカルマギアスを覚えているだろうか。

 秀星が異世界から帰ってきたくらいにかかわっていた組織で、今ではFTRに優秀な人材を引っこ抜かれて、糸使いの簔口亮介がストレスを抱えていた組織のことである。


 そして、なぜそのようなことを説明するのか、という理由を出そう。


「おいおい亮介~。お前まだ飲めるだろうがよ~」

「そうだぜ亮介!ほら、一升瓶イッキだ!イッキ!」

「……なぜ私はこいつらの酒盛りに付き合わされているんだ」


 ビルシャカシャカに飽きたバカ二人が、沖野宮高校への襲撃を完全に無視して酒盛りを始めたからである。

 ちなみにバカ二人はベロンベロンである。

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