第二百七十四話
文化祭と言うものに乗り気な人間と、そうではない人間がいる。
当然のことだが、興味がない人間と言うのは一定数いる。
しかし、興味があって、そして一部の騒ぎまくる連中がいることですごくうるさい。
「賑わってるなぁ……」
秀星はそう思った。
ただでさえ人数が多い学校だ。
その分、研究会の数もすごい。
もちろん、入ったばかりに中等部一年生はまだそこまで発表出来るようなものに仕上がっているかどうかとなると微妙なところだ。
というより、スカウトの人が多すぎて、上級生の熱意がすさまじい。
「いやーなんていうか、普通に食べるだけでもうまいな」
秀星はフランクフルトを食べながら歩いていた。
既に、全ての『発表系』の出し物に関しては、一回目の発表が全て終わっている状態である。
反則技だが、秀星はセフィアの端末を多数用意して、発表の実際映像がセフィアたちの目を通して秀星の方に流れ込んでくるようにしていた。
その情報からいろいろ判断しているが、秀星にメールしまくって無駄が無くなった発表会もある。
「まあ中には、失敗したデータを一緒に出さないと訳が分からんのに消しちゃって、結果的に自爆してるところもあるが……まあ、そこは社会勉強だな」
いろいろどうなるのかわからない部分があったのは間違いない。
それと同時に、『これ以上は聞いたらやばい』と思う部分があったはずだ。
そう考えるなら、詰めが甘かったと考えていいだろう。そう言うものだ。
「いろいろあるなぁ」
中にはすごい発表もある。
そもそも、『有意義な発表』というものは言い換えるなら、『学術的に意味がある』ということだ。
10を20にする。10をこなすだけで20ができる。といったことが数値的に示すことが出来るのなら、これほど見ているものにわかりやすい変化はない。
「にしても、普通に食べるだけでも結構いけるな。来客者の質が高いっていうのもあるが」
人工島を作り、そして来客者すら厳選しているメイガスフロントでは、何かと入って来るだけでもつらいものがある。
そもそも、島全体が人工衛星にすら映らないようになっているのだ。
かなり多数の侵入を許しているが、それでも普段は頑張っている。
最高会議の五人が集まるのがこのメイガスフロントであることを考えるとそれは確実。
とまぁ、そんな事情があって、来客者の人数は確かに多い。
付け加えるなら、『魔法社会のでそれなりの地位を持っているものの家族』となる場合が多い。
「そもそもレベルが足りてないと舐められるってことか」
とはいっても、それは仕方のないことだ。
「さてと……」
秀星は上空を見上げる。
「ちょっと、面倒なことになりそうだなぁ。FTRとは関係ないな。別の組織が何かミスったような、そんな感じかね?」
秀星は、空に浮かぶものを見て、これがこのメイガスフロントでの最終ボスになるだろうな。と考えていた。
今はまだちょっとぶっ壊してしまったら、メイガスフロントが壊れるのではないかと思えるほど巨大な物体が降ってくることになるのでやらないのだが。
(ま、面倒な部分は押し付けておいていいだろ。多分)
基本的に確信はない。
だが、それでも何とかなるのだ。
神器十個というのは、そう言うものである。




