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神器を十個持って異世界から帰ってきたけど、現代もファンタジーだったので片手間に無双することにした。【連載版】  作者: レルクス
本編最終章 神器を十個持って異世界から帰ってきたけど、現代もファンタジーだったので片手間に無双することにした。編
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第千三百八十二話

「……」


 あなたは剣士には向いていない。


 そういわれたラターグの心境としては、『まあそりゃそうだろ』と言ったものだ。


 元々、彼は剣士など目指していない。


 今ですら、頭の中の多くを占有するのは、ダラダラと眠りたい。という感情だ。


 ミーシェ相手にそんな馬鹿なことを考えるような奴はラターグくらいのものだろう。


 もちろん、ラターグはそんな自分が大好きな人間でもある。


 今更揺らぐようなものでもない。


「……うーん。どうしたものかな」


 向いている。向いていないの話でどうこうするような時代は昔に置いてきた。


 そもそも今戦っているのは、『師匠として』どちらが優れているのか。という点。


「……仕方がない。この剣の真の姿を見せよう」

「え?」


 ラターグのつぶやきに驚くミーシェ。


 そしてラターグは、指をパチンと鳴らす。


 それだけで……剣は、枕に変わった。


「……嘘」

「嘘じゃないよ。ついでに言えば、まだこの枕に、僕が込めていた剣としての魂が残ってる。それはミーシェも感じ取れるはずだ」

「……その通り」

「ただ現実を言えば、剣の真の姿はこれだ」

「……神器としては、あんな仰々しい名前がついてるのに」

「ん? 命名なんて人それぞれだよ。枕に剣って名前を付けるくらい、別に珍しいことじゃないさ」

「いやそれはない」

「僕も撤回するよ」


 いくらなんでも暴論が過ぎた。


「……まあとにかく、本質なんてこんなものさ。さて……」


 指をパチンと鳴らすと、再び剣になる。


「……さっきまでと、込められているものが同じ」

「その通り。さて、続きをやろうか」


 剣を構えなおすラターグ。


 ミーシェはいぶかしむ。


 今のラターグは……剣を持ちながらも、剣士に見えない。


 だが、剣士としての魂が確立していないと、ミーシェに剣術は通用しない。


 何を企んでいるのかが、わからない。

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