表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神器を十個持って異世界から帰ってきたけど、現代もファンタジーだったので片手間に無双することにした。【連載版】  作者: レルクス
本編最終章 神器を十個持って異世界から帰ってきたけど、現代もファンタジーだったので片手間に無双することにした。編
1377/1408

第千三百七十七話

 灰色の炎を纏う不死鳥が出現する。


 ただそれだけのことならば、圧倒的に高いレベルの参加者が揃っているこのイベントでは珍しいと言えるものではない。


 いや、不死鳥を出すという技術そのものが難しくない。と言うのが正確なところだ。


 よって、誰が出したのか。ということが問題になり……『ラターグ』が出したということが、重要と言えるのである。


「……それが、あなたが『技』として出すモンスターということ?」

「そうだね。若いころは移動のために世話になったもんだよ。最近は出してあげてないから……ちょっと拗ねてるけどね」


 不死鳥を実際に見ると、ラターグの方を一度も見ようとしない。


 いや、ミーシェが相手なのだから、確かに彼女から目を離すような余裕はないだろう。


 それ以前の話として、ラターグに意識を向ける様子がないのだ。


 それを指して『拗ねている』ということなのだろうか。


 ……ただ、ラターグは平気で億単位の年月で爆睡するようなゴミなので、そりゃ拗ねるのも当然と言えば当然だが。


「ふむ、どのような手段を使って来るのかわからないけど……斬ればいい」


 ミーシェは剣を構えて、次の瞬間には、不死鳥の胴体を一刀両断していた。


「……ふむ、想定よりも脆い。スペックのリソースが頑丈さにない……ということは」

「そう……この不死鳥は、僕が『第二層』を解放している限り、何度でも再生できる」

「ふーむ……」


 不死鳥を観察するミーシェ。


 まあ、不死鳥と言うからには、その程度の再生能力は持っておいて不思議なことはない。


 ただ、再生能力を優先した個体をここで出してくる意味はない。


(まだ何か固有の力が備わっているか、それとも……段階を踏まないと次に進めない力なのか……)


 先ほどから、『第二層』と言っている。


 ある意味、『第一層』である通常のスロウス・ワールドの表面に全てがあって『選ぶ』のではなく、スロウス・ワールドそのものの階層をまたぐとなった場合、違うのだろうか。


 ……いや、ラターグにとっての『力加減』の解釈の問題だろう。少なくともミーシェには関係のはない話だ。


「……それで、どうするの?」

「ああ。そうだねぇ……まあ多分……」


 ラターグは、ほぼ起きていないような表情ながら、フフッと微笑む。


「多分、この力で、君には勝てると思うよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ