第千三百七十話
「えっぐいなぁ。あんなに強いとは……」
ラターグは椿とミーシェの戦いを覗きながら呟く。
彼はこのバトルロイヤルにおける順位とか、優勝賞品だとか、そういうものは全く興味はない。
ただ、このイベントで誰と誰が戦って、誰が勝ったのかという戦績は、今後の『格付け』に影響するため、色々確認していたのだ。
ただ、ミーシェをどうやって抑え込むのかということに関しては、まだ結論が出ていなかったこともあり、うなりながらも来たわけである。
するとどうでしょう。椿がミーシェと戦っているではありませんか。
これにはラターグも驚いた。
もちろん、未来の自分が何らかの仕込みをしたのは分かっていたが、ここまでとは思っていなかったのである。
「うーん。なんともいえないな。あの剣をあそこまで使えるとなると相当なレベルが求められるし……一体何があったんだろうね」
流石のラターグも、未来のことはわからない。
ただ、椿にここまでしなければならない理由があったということだ。めんどくさがり屋のラターグが動いたのだから間違いない。
「……まあ、このあたりは考えてわかることじゃないか。栞ちゃんなら全部知ってそうだけど、流石に教えてくれないだろうね。だからまあいいんだけど……僕ってそんなにウザいか?」
なんだかんだとうざいと言われまくっているラターグ。
基本的に何も気にしないミーシェが何度も言うのだ。過去になにかやったのだろう。
……とはいえ、気にしているのがミーシェなので、くだらない理由である確率は高いが。
「はぁ、まあ、どっちが勝つのかはわかってるけど、戦いの内容は今後に影響するかもなぁ……」
神風刃の強化形態でここまでやれる。
それは決して、神々の中でも簡単に結論付けていい話題ではないようだ。




