第千三百四十話
日本に存在する魔戦士の中で、ランキングを突けるとどうなるのか。
この話題の答えの最もはっきりしている部分は、一位の部分。
朝森秀星は、魔法省が世界中に発信する公式のサイトにて『世界一位』として記載しており、また、それに対して他国からの何かしらの妨害もない。
簡単に言えば、『もう何も考えず、とりあえず秀星は一位でいいよね』ということで一位になっている。
そこに続くのは、アトム、高志、来夏。
魔法省のナンバーツーにして、文字通りの『才能の塊』であるアトムの実力は圧倒的だ。
持っている神器、『剛速神剣タキオングラム』は、簡単に言えば、『重くて速い攻撃ができる』という、とても単純だがわかりやすい力を持っており、才能という意味で圧倒的なアトムが使うと、汎用性の塊になる。
タキオングラムそのものは最高神の神器であり、ただでさえもともと多いアトムの魔力量を千倍まで引き上げており、加えて分かりやすい強さを発揮しているゆえに、圧倒的だ。
高志と来夏に関しては、強いというよりは……『常識』と『社会的通念』と『論理的整合性』に囚われない存在ということでランクインするだろう。
圧倒的なギャグ補正は通常の法則を軽く捻じ曲げて適用させる。そして、高志と来夏という存在が生み出す『空気』は、そのギャグ補正の力を破棄するには十分な条件を世界に上書きしてしまう。
倒すとか、倒さないとか、そういう話に立つことすらない存在であり、ランクイン。
続くのが誰なのかと言うと、五位として、おそらくは風香だろう。ということになる。
最近では、神祖の神器すらも獲得しており、戦闘力は当然、圧倒的。
椿という娘の存在を意識したためか、落ち着いてきており、しかもなんだか余裕のある雰囲気を出し始めている。
旋風刃が今どのようになっているのかは不明ではあるが、未来の朝森秀星の妻にして、朝森椿の母というその属性は、解明不可能な結果ともたらすには十分な条件である。
……ここまでで言えば、例え風香や椿が向かったとしても、中央の特別エリアで暴れまわっているアトムに対して、何もできずに終わるのでは? という考えのものは多い。
ただ、秀星という本当によくわからないモノを除けば、序数は、あくまでも序数でしかない。
環境は、変わる。




