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神器を十個持って異世界から帰ってきたけど、現代もファンタジーだったので片手間に無双することにした。【連載版】  作者: レルクス
本編最終章 神器を十個持って異世界から帰ってきたけど、現代もファンタジーだったので片手間に無双することにした。編
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第千三百三十六話

「ほう、強いな。想像以上だ」

「それはどうも」


 清磨とゼツヤの戦いは、山脈の頂上で続いている。


 一撃が山を削るような、そんな高出力の領域であり、通常の戦いとは次元が違う。


「こんな威力になるわけか……今回のステージがここまで広い理由が分かった気がする」

「そうは言っても、未来の技術まで知ってるレルクスは何をしでかすかわからんし、神祖に至ってるミーシェは、本気出したら地球くらい輪切りにできるぞ」

「そういうアンタは?」

「俺くらいになると、好きな『惑星』を作るなんて造作もない。と言えば、どれくらい『使えるエネルギー量』が意味不明かわかってくれるかな?」

「……銀河くらい作れるんじゃね?」

「さっきのは、『造作もない』といえるのが惑星だ。という意味だ」

「なるほど……」


 造作もないことであっても、いくつもやれば飽きが来る。


 銀河系に存在する星の数は、恒星や惑星、その他もろもろの星々を合わせれば、とんでもない数になる。大体、1000兆個くらいはあるのではないだろうか。恒星の時点で一つの銀河系には2000億個あるらしいので、当たらずとも遠からず……いや、宇宙レベルのことなので断言することに意味はないか。


 造作もないというレベルであっても、さすがに1000兆回やれを言われたら、さすがに絶句するだろう。


(まあ要するに、それこそが、人間の限界でもあるわけか)


 神は人の想像の限界にあるならば、宇宙は人の想像を超えた存在だ。


 いくら神と言えど、宇宙レベルのことをするには想像力が足りないということなのだろう。


(……まあ問題なのは、そんな連中が地球レベルのステージで戦ったらどうなるのかって話なんだが)


 オーストラリア大陸レベルで一つの要素を満たすような空間が地球にあるはずがない。


 要するに、人工的に作られた空間であることは間違いない。


 ただ、『戦いの場が一つの惑星レベルに収まっている』ということは間違いない。


「……お前たちって、どうやってそのバランスを取るっていうか、ギャップを埋めてるんだ?」

「それを為している最強のバランス調整概念が、『全知神レルクス』ということだ」

「いいこと聞いたわ。次元が違いすぎてよくわかんねぇ」


 まあ、確かに、何をしでかすかよくわからない連中。という意味では、神器のコアを作ったゼツヤもそうなのだろう。


 文字通り、過去から未来まで全て知っているような、そんな存在でもなければ、バランスを取れないということなのかもしれない。


「……はぁ、そんな奴と一緒のステージで戦うことになるとは、世も末だなぁ」


 清磨は剣を構えなおすと、体内から魔力を一気に放出する。


「安心しろ。全知神レルクスがいる限りは、お前が考えているようなことにはならんさ」


 ゼツヤも、体の内側から神力を放出する。


 このバトルロイヤルにおける、最初の『戦い』の、決着がつこうとしていた。

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