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神器を十個持って異世界から帰ってきたけど、現代もファンタジーだったので片手間に無双することにした。【連載版】  作者: レルクス
本編最終章 神器を十個持って異世界から帰ってきたけど、現代もファンタジーだったので片手間に無双することにした。編
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第千三百三十話

「えーと、誰かを倒したら+2ポイント。倒されたら-1ポイントで、何度でも蘇生ポイントで復活可能って感じみたいですね!」


 セフィコットが大量に並び、もっふもふの素材で構成された二階建ての建物が多いという、なんだかよくわからない田舎町。


 椿に与えられたエリアは、そのような場所だった。


「むへへ~! セフィコットさんがいっぱいですううう~~~っ!」


 とてもうれしそうに近くにいたセフィコットを胸で抱きしめる椿。

 童顔で身長も低めで、なんだかギャグ補正で余計に小さく見える椿だが、その胸はF。


 圧倒的な胸威を宿しており、抱きしめられたセフィコットは昇天した。


「わっほおおおい! もふもふ! もふもふ天国ですうううっ!」


 椿はもふもふの巨大な絨毯に飛びついた。


 そのままごろごろ転がり、バフンバフンと叩き、ぴょんぴょん跳ねる。


 それにセフィコットがワラワラ寄ってきて、椿に飛びついていく。主に胸。


「おっ、積極的ですね! むー。これって作ったの誰なんですかね? セフィアさんが作ったセフィコットはそこまで胸に抱き着いて来たりしないんですけど」


 確かに、抱き着いているというよりはビデオカメラを持って走り回っているイメージがある。


「むー。むー……まあいいですね! むぎゅううううっ!」


 どうでもいいや! となったようで、椿はおもいっきり抱きしめた。


 セフィコットはとてもうれしそうである。いや、表情などはないのだが、うれしそうである。


「さて、確かこのあたりが椿の……なんじゃこりゃ」


 転送装置に光が集まると、そこに人影が出てきた。


「あっ、アトムさん!」


 こんな環境だというのに黒スーツでネクタイまできっちりしているアトムが現れた。


「ああ、椿、元気そうだね」

「私はいつでも元気ですよ!」


 確かに。


「……で、この環境は一体どういうことなのかな?」

「アトムさんもそうだったと思いますけど、私がここに来たときからこんな感じだったのでよくわかりませんね!」

「確かに」

「アトムさんのエリアはどんな感じだったんですか?」

「見渡す限りのフローリングの床に山のような書類が並んでいた」


 地獄か。


「その書類って、中身はしっかりしてるんですか?」

「転送直後に足元にあったものを一部拾ってみたら、『常勝不敗竜国ヴィクトリー・ドラゴン・キングダムの敗北歴』という内容だった」


 設定の矛盾が自己主張しすぎである。


「それってドラゴン要素って必要なんですかね?」

「知らん」


 おそらく必要はない。


「むー……む? そうでした! アトムさんがここに来たからには、戦って勝ちますよ! むふー!」


 椿は自分が持つ刀。『弔丸(とむらいまる)椿色(つばきいろ)』を構える。


「残念ながら、君は十六人の中では唯一の『カモ』だ。どこから横やりが入るかもわからないし、ヘタな手加減をするつもりはない」


 アトムは、自分が持つ神器、『剛速神剣タキオングラム』を構えた。


 バトルロイヤル最初の戦闘は、日本二位VS世界一位の存在の娘。


 勝敗は……まあ、見えてますね。はい。

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