第千三百十七話
椿は時間は守るのだが、基本的にルーズな性格であることに変わりはない。
そのため、この時代における初めての『女子大生がたくさんいる場所』である大学に来たことで大変興奮しているのか、時間も忘れて抱き着きまくっていた。
……ちなみに、今の椿は一応沖野宮高校の生徒ではあるものの、授業そのものは完全に受けなくてもいいものになっている。
どのみちドッペルゲンガーでいずれ消えてしまうため、それなら限界まで遊んでもらった方が良い。という意味も込めてこのような状態にしているのだ。
授業を受けなくてもいいということは、その分、外出もやり放題。
よく目立つ子なので、よほどのことがなければ行方不明にはならないため、結構自由に行動している。
その一環として、統合院大学に突撃してきたわけだが、こういう立ち位置なので、かなり時間に対してルーズになりやすいのだ。
統合院大学で多くの女子大生に抱き着きまくっていた椿だが、夜になってもそれは収まらない。
……というわけで、急遽、近くのホテルに突撃する羽目になったのである。
金だけはやたら持っている椿に、そういう意味で遠慮というものは一切ない。
マネーパワーという、人間社会の一つの真理を武器に、ホテルのワンフロアを貸し切って、そのまま椿のウハウハ用のフロアとなってしまった。
こういう状態になると、マジで椿のハーレム状態になってしまう。
……一応、統合院大学を選んだ理由そのものは、宗一郎がバトルロイヤルに呼ばれているから、ということらしいのだが、本当にマジでどうでもいいようだ。
大学の敷地内という、一応『外』が多い環境から、『ホテルのワンフロア』という、一応壁に囲まれた私的な空間に移動すれば、もう見境はない。
楽しそうな椿の笑い声や唸り声が響き渡り、なんだかどうしようもないことになっている。




