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第千二百八十九話

「むっはー!美味しいですうううっ!」


 高級ホテルというだけあって、当然、高級な食べ物もたくさん置かれている。


 沙耶が食い荒らしたような話は例外であり、椿は大量に食べる時もあるが、普通の時の方が多いのだ。

 なんかギャグ補正がわけのわからない方向にいやっほおおおおう!してしまうと椿も大量に食べるわけだが、そうでない場合は普通に食べている。


 というわけで、朝食と呼ぶにふさわしい量の料理を食べているわけだが、椿はうれしそうだ。


 なお、叫んでいるようにも見えて周りに迷惑では?という質問に対しては、『叫んでいるように見えて実はそこまで響いていない』という謎仕様によって、叫んでいてもあまり問題はない。

 まあ、所詮はギャグ補正。仕様などあってないようなものだ。


「むふふ!なんだか食べ歩きしたいですね!」

「朝七時だからそこまで開いてないと思うよ」

「それはそうでした」


 さすがの椿も開店時間を早めることはできません。そこまで行ってしまうと経済的にまずいことがいろいろ起こるので。


「となれば、またいろいろ見て回ります!朝からでも楽しめるものがいろいろあるはずですよ!」


 元気そうにそんなことを言う椿。


 基本的にはしゃぐタイプなので、外で思いっきり走り回る方が椿としても楽しい。


 まあ、別に楽しむものが室内限定となったとしても、それはそれで遊ぶわけだが、細かいことは基本どうでもいいというスタンスなので。


「どこか行きたい場所とかあるのか?」

「むう……そうですね……」


 いろいろ考えている様子の椿。

 まあ、変な単語ばっかり並んでいる可能性があるので、考えているというと多少の……いや、かなり語弊があるが、椿だって脳みそが付いているわけで、考えることができないわけではない。


「地下を回りましょう!昨日は地上を歩きまくりましたからね!今度は地下で行けるところに行きますよ!」


 探検という言葉は椿は大好きである。


 ……ということにしておこう。疲れるし。

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