第千二百六十九話
高志と来夏と沙耶が上陸。
その一報は、坂神島の全てに伝わった。
「……え、全員に伝わってるのか?」
海鮮丼をガツガツと食べまくりながらそんなことを呟く高志。
「みたいだな。ただ、秀星の情報はほぼねえな。秀星よりも厄介者扱いされてる可能性が高いぜ」
ラーメンをすすりながらタブレットを見ている来夏。
「うー!」
パフェを食べている沙耶。
何が言いたいのかは知りません。コミュニケーションを取れるのは椿だけです。
「秀星よりも優先順位が上かぁ。まぁ……当然だな!」
「おう!」
「うー!」
高志が笑い、来夏と沙耶は同意する。
そもそも、高志と来夏は、ギャグ補正全開だが、基本的には賢いのである。偏差値めっちゃ高いからね。
言い換えればすべて確信犯なのである。
ただ、その上でギャグ補正に振り切った方が人生楽しいので、そうしているというだけの話。
秀星は強く、そして倫理観もちゃんと備わっている。何より、常識的だ。
だが、高志と来夏に関しては、常識と社会的通念と論理的整合性が存在しない。
『あれ、俺なんかやっちゃいました?』とか『やれやれ、そんなはずじゃなかったんだがな』みたいなことを言っているクソガキだって、何の変哲もないバールのようなものを使って空間にトンネルを作るほど理屈が通っていないわけではない。
警戒するには十分すぎる。
「ふう、食った食った。よし、このまま食べ比べだ。ハシゴするぞ!」
「おー!」
「うー!」
……摘まみだされても文句言えんぞ。そのところ分かってるのか?
……わかってるんだろうな。うん。




