第千二百六十一話
「……未来だと、結構中心部にいることが多かったし、業務的にもそうしていたけれど、この時代はこのあたりのエリアでものんびりやってるのね」
「僕はナンバースリーと言っても、基本は戦闘要員だからね」
「まあ。それもそうね」
栞と刹那は、布明を連れて町の中央に向かって歩いていく。
権限ランクが最高レベルの栞と刹那だが、当然、この島のナンバースリーである布明もまた、権限ランクは最高レベル。
ほぼほぼ素通りでいろいろなところに入っていくレベルだ。
ただ、未来の人間である栞としては、いろいろ思うところはあるのだろうか。
「まぁ、坂神島って結構平和だからねぇ。審査だって結構きついし、海に浮かんでるコンクリの島だけど、保有してる戦力は大きいから、基本的に僕は暇なのさ」
ブツブツという布明。
……どうやら彼の中では、自分に雷の槍の魔法をブッパされても、それはそれで『平和』の範囲に収まるようだ。
それはそれでどうなのかと言わせてもらいたいが、結局どうでもいいことなので放置。
(にしてもまぁ・……なんというか、凄く強烈だなぁ)
椿の情報はもうすでに出回っている。
たくさんの椿の観察写真が出てきており、それを見ただけで人柄が分かった。
その上で栞と刹那を見ると、『自分なりの突き抜け方』が全然違う。
まあ、その程度のことはよくあることではあるのだが……まあ、未来の人間なので、現代人とも違うずれがあることは当然と言えば当然か。
(どういう感じでこの三人はバランスとってんだろうなぁ……いや、椿ちゃんが最強すぎるってことに落ち着くのかな?よくわからん)
布明はニコニコしている裏で、そんなことを考えていた。
……まあ、考えること自体、そして考えている内容も、どうでもいいことだが。




