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第千二百三十五話

「なあ椿」

「む?」

「未来では特進クラスってところに在籍してるって栞は言ってたんだが、どんな感じのクラスなんだ?」

「むー……」


 秀星からの質問に頭の中でグルグルと考えている様子の椿。


 やることなすことがほぼすべて気まぐれである椿だが、直観部分ではダメな部分があることも理解しているため、どれを話そうかと悩んでいるのだ。


「……不思議な感じのクラスですね」

「だろうな。例えば?」

「三賢人というポジジョンの生徒がいます」

「お、おう……」


 高校生が自ら名乗るようなものだろうか。


「要するに三人の生徒を表しているんですけど、この三人、十五歳でも十六歳でもないです。もっともっと上です」

「ほう」

「ただ、外見は十六歳相当なので問題はないって感じですね」

「本当に問題はないのか?」

「ないということにしているそうです。だから問題はないです」


 暴論だが、多少はそういうのがないと成立しない部分はあるのだろう。


「栞よりも強いのか?」

「普通に戦っている分には栞の方が強そうですけど、本気を出したら分からないですね。というより……修羅場を潜った回数が三賢人は多そうですし、そういう事情を抱えているところもあって相当強いので、駆け引きとかそういうものが得意って感じだと思いますよ?」


 栞も駆け引きは出来ないわけではないが、基本的にはスペックの差でゴリ推しができてしまうため、駆け引きの経験とかほとんどないのだ。


「……なんていうんだろう。バランスが取れてるような取れてないような……」

「私はみんな大好きですよ!」


 胸を張って宣言する椿。


 ……まあ、誰が相手であっても、椿は自分の世界観に取り込んでしまうから、ある意味、それでバランスが取れていると言えなくもないのだろうか。やや不明である。

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