表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1228/1408

第千二百二十八話

「なあ、椿が発作中に泣き出したんだが、なにか知ってるか?」


 朝森宅。


 星乃と栞が秀星直筆の参考書を読んでいたが、清磨の質問に振り向いた。


「刹那限定イベントよ」

「限定イベント!?」


 どういう言い方だ!というのが清磨の本音だが、こればかりは仕方がない。


「姉さんは発作中って基本的に泣くことはないんだけど、刹那さんに抱きついたときだけは時々泣き出すんだよなぁ」

「なるほど、まあよくわかってないタイプのアレというわけか」

「そんなところよ」


 結果、よくわかんない。


「ああ、だからセフィコットたちが悶絶してるのか」


 限定イベントを見逃したからか、『ちくしょおおおっ!』とばかりに体をねじっているセフィコットたち。


「ただまぁ、姉さん自身もよくわかってないことだからな……」

「だよなぁ」

「あの子は記憶力はいいほうだけど察しは悪いし、発作中ならなおさらね」

「いや、たまに変な覚え方してるときもあるけどな」

「例えば?」

「小さい夜の曲って書いて『セレナーデ』っていうだろ?」

「ああ」

「姉さんは『ネカセーテ』って覚えてた」

「ハッハッハ!」


 まあ、勝手に寝ていてくださいとしか言えないが、椿らしいといえば椿らしいか。


「ただ、刹那さん限定だけど、そもそもあんまりないんだよなぁ」

「椿なりに何かを感じ取ってる可能性があるってことか」

「そうとも言えるわ。警戒しておいて損はないわね」


 通常と異なる思考回路を持つ以上、感覚も感じ方も違うだろう。


 なにか、起こるのかもしれない。


 ……なにもない確率のほうが高いけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ