第千二百十九話
過去にやってきた栞と刹那だが、この二人はこの時間の沖野宮高校には通っていない。
通う必要がないと言われればそれまでで。椿の場合は『まあ放り込んでおくか(雑)』という意見というか要望もいろいろあったのでそうなったが、スキンシップを取らせるためというのが二人の大きな目的なので、休み時間に屋上に来てもらってハグでも何でもすればいいのだ。
というわけで、そもそも学校には行っていない二人だが、まあそもそもとして、土日は誰にとっても休みである。
休みなので、別に椿がどのように行動してもいいわけだが……。
「ん~」
「~♪」
そもそも行動しない。というパターンがあるのだ。ということが示されたと言っていい。
栞はとっくに起きて鍛錬しているようで、刹那も起きてはいるようだが、抱き着いてきている椿のされるがままにすることを決めているのか、椿が刹那を放さない様子なので維持している。
「……ああいうの、未来でも結構あるのか?」
「両親と寝ることが多いけれど、それでもたまには私たちと寝ることもあるわ。特に次の日が休日だったときは、こうなることが結構多いわね」
秀星が栞に聞いたところ、そんな返答が返ってきた。
「まあ、椿だしな」
「そうね」
椿が相手の時に、何が起こったのかに対して一々反応していたら身が持たない。
誰かに迷惑をかけているわけではないので、良いということにさせてもらおう。
「というか……結構、もぞもぞ動いてるな、椿」
「刹那に抱き着いて寝ていると、大体の人は寝相が悪くなるわ」
「そんな法則があるのか?」
「ええ、まあ、だけど、みんなが悪いと考えていないことも事実ね」
皆椿が大好きだからね。まあ、多少、泣きついている時間が長い程度なら、問題はないと思うわけか。
「……ちなみに、一番長かったのってどれくらいの時間まで寝てるんだ?」
「午前十一時くらいね」
「普段早起きだから、そう聞くとすごいな」
刹那にはそういう魅力があふれているということなのだろうか。
……よくはわからない。




