第千二百十三話
「~♪」
「ふむ……」
栞がアトムのところに行っている間、刹那もまた、清磨の執務室に来ていた。
敦美と話したり手紙を渡したりして、いろいろとなれている敦美はすぐに受け入れた。
というわけで、敦美がいるソファで隣に座って、撫でられたりとされるがままになっていた。
大変気持ちよさそうにしており、なんだか椿以上にちっこいイメージがあるため、凄くマスコットのような雰囲気を醸し出している。
「……俺と敦美から、こんな子が生まれるんだなぁ」
「とはいえ、椿さんの影響も多そうですがね」
刹那にとって過去の存在だが、この時代の敦美は彼女にとっては母親である。
まあ、高校生にしては多少、距離感が近い気がしなくもないが、椿とかかわりがあるのなら、そういう価値観に対して疑問を抱かない可能性はあるだろう。
この執務室に来るまでにいろいろな社員に遭遇しており、当然、刹那はかわいがられていた。
強烈に元気な椿と対照的に、ちっちゃくてよちよちしてプルプルしている子なのでとてもかわいいのである。
敦美と違って胸はまあ大きいとは言えないが、それが尚更『年下感』に繋がっているのか……まあ言い換えれば、ロリコンホイホイとしてすさまじいと言える性能を持っているということだ。本人に言うと怒るだろうが。
「しかし……椿さんの発作の影響でここにくるとは……未来でもかなり、いろいろなところで影響が大きいみたいですね。発作が起こるとはいえ、そう簡単に、未来に人間を飛ばせるかとなればそれは違うでしょうし」
「だろうなぁ。まあ、難しく考えても仕方ねえし、良いんじゃねえか?」
敦美も清磨も、いろいろ思うところはあるが、椿でかなり慣れているため、『まあ、うん。いいんじゃない?』となっているようだ。
「~♪」
……ところで、刹那ちゃん。あんまり喋らないんだね。




