表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1183/1408

第千百八十三話

「……あれ?お父さんとお母さん!?」


 椿は回り道をどんとこどんとこ進んでいた。


 敦美は無表情の時間が長くなっているのだが、秀星と風香がいたのでちょっと驚いている。


「椿。ここに来てたのか」

「そうですよ!カードダンジョンの攻略は魔法省から推奨されてますからね。むふー!」


 椿は刀を鞘に納めると、そのまま風香に向かって突撃!

 風香も納刀して、椿を受け止める。


「えへへ~。お母さんの体柔らかいです~」


 基本的にスキンシップというか、抱き着くくらいが普通の椿。


 ダンジョンの中では基本的に武器を納めることはほぼない椿だが、秀星が傍にいるときは別である。


 世界一位の男であり、ありとあらゆる感知能力が高いので、傍でイチャイチャしていても問題はない。


「……敦美。子守りお疲れ」

「まさか、こんなタイミングで遭遇するとは」

「回り道と近道で、定期的に切り替えられる交差点があるから、そこで引っかかったんだろうね」

「私もそう思います」


 回り道を一度選べば、そこから先がすべて回り道になるというわけではない。


 定期的に切り替えることができるタイミングが存在するようだ。


「しかし、ここから一緒に行けますかね?近道のモンスターは、このあたりになってくると相当な強さですよ?」

「!?……お父さんとお母さんと一緒に行けないなんて嫌ですううう~~~っ!」

「はははっ……まあ、俺がいるから問題ないさ」

「そ、そうだね。秀星君がいれば、椿ちゃんが勝手にいろいろやってても問題ないし」

「……そうですか」


 子守りがきつかった様子の敦美だが、秀星が相手だとね。


「はぁ、子守りを引き継いで良いのなら、私は帰りたいんですけどね」

「!?……敦美さんも一緒に行くんですよ!にゃふうううっ!うにゃあああっ!」


 興奮の椿。


 一応、勘は鋭いので、『本当にやばくなった時』はあまり主張しないのだが、そうではない場合、自分の主張を全面的に押しつけてきます。


「……仕方がないですね。後で本社で興奮されたら目も当てられませんし……」

「むふううう!」


 歓喜の椿。


 ……いや、興奮も歓喜もあんまり変わらないか。


(疲れる。両親がいても私がオマケにならないとは……)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ