第二十話 壊
C組クラスメイト──
~11月3週目~
とあるファーストフード店
「あんたさぁ……男の受けも悪くないって……どの口が言うの」
「あはは、ハルに近づいてクラスカースト上げたいって女じゃん。はっ!少しくらい痛い目みたらいいのよ」
「うっわ……普段の馬鹿キャラとのギャップ」
「本命くんにも振られて、どうせ誰かに遊ばれんだから……まぁ比較的まともなほうだから良いじゃん」
「……あの話聞いたでしょ」
「ハルとコーキのおもちゃにってんでしょ。最高に笑った。良いじゃん別に。変な親父に捕まるよりマシよ」
「あたしよくあんたの友達続けてるわ」
「ウチもそう思う!」
急な馬鹿キャラ……。こいつは……。
「それよりも、ハルの方が面白いことになっているじゃない。既に本命を寝取られているっ……て、ふふふふふ」
「え~あたしの収入源潰れられると困る~」
「やだ、絶対潰れるところ見る、ふっ……ふふふ。最高の裸の王様、あっははははは、ざまぁ……哀れ……ふふふふふ……」
「あ~神様、私にもまともな彼氏と友達をください~」
真理愛──
~11月4週目~
痛いだけだった愛なんてなかった。触れられても、何も感じなかった。ただ恥ずかしいだけ。
お風呂に浸かりながら考える。アドバイス貰ったからマッサージしてみるけど、何も感じない……。みんな何が良いのかなぁ……また呼ばれるの……嫌だなぁ……。
ふと考えてしまう。
これががっくんだったらな……そう考えた瞬間、世界が歪んだ。頭がフワフワしてきた。あれはそう、がっくんだったんだ。優しくてあったかいがっくんなんだ。そう考えると下腹部がすぐに熱くなってくる。
ぜんぶぜんぶぜんぶ、がっくんなんだ。だからこんなに……気持ちいいんだ……っ!
その週のそれはうまくいった……。
~12月1週目土曜日~
初めの時とは別物だった。がっくんだと思えば体は熱くなり、下腹部はすぐに反応した。
ただたまに、体の上に自分が浮かんでいった。
自分達を上から見下ろしてるようなそんな感じがする。
シてるのは別の誰かで、真理愛がこっち。
ばかだなぁって自分を見下ろしている。
それは〇〇で……がっくんじゃないのになって……。
~12月3週目土曜日~
凄く適当に帰されて体の熱が取れなかった。役にたたないなぁ……。
部屋に帰って一人でした。
がっくんにされてるって思ったら……すぐだった。
最近回数が増えている。
中学まではこんなことしたことなかったのに。
それにこの壁の向こうにがっくんがいるのにな……。
学──
~12月1週目土曜日~
指輪……いや指輪は重いか……いやしかし、指輪……。
迷いながらターミナル駅のショッピングモールを歩いていたら、西片とすれ違った気がした。その隣には、真理愛か?髪を染めてポニーテールにしている。
付き合っているならそういうこともあるよな……。少しだけ寂しくなった。
時子は辛いだろ寂しいだろって言ってくれたけど、その時子がいるから救われているんだ。
なんだ、拳が握りこんだまま緩まってくれない?血が出てしまいそうになるが……まぁいいか。
それはそれ。今は時子のクリスマスプレゼントを考えなければ。
指輪……いや指輪は重いか……いやしかし、指輪……。




