第二十一話 蹂躙
真理愛──
「あーわりわり、こっちもセーナが伸びちゃってさ。シャワー借りにきたとこ」
何でもないようにコーキくんはそう言った。
「そ、そうなんだ」
私も何でもないようにそう返した。
「もう上がるからシャワーどうぞ」
胸とか隠したら変かなって隠すことができずシャワーをコーキくんに渡す。
「……マリーちゃん、おっぱいおっきいね」
「……え?」
ふにっと胸を触られる感触がする。
「あーごめん、遊び遊び」
そう言うとパッと胸から手を放してお手上げのポーズをする。
友達の彼女にこんなこと……するのかな……。
よくわからなくて、戸惑ってしまう……。
「あ、あはは。だめだよ。私はハルくんの彼女なんだから」
軽口を言って、逃げる隙を伺うけどコーキくんは入り口を塞ぐ形で立ったままだ。
じっと、こっちを見てくる。
顔、胸、お腹……その下。全部見られてるのがわかる……。
「わりっ!そうだよな。親友の彼女に手を出すほどアホじゃねーわ」
そう言って入口を開けてくれた。
ホッとして、出ようとした……その瞬間、後ろからハグされた。
ずるずるとその場にへたり込む……。
上がった息を必死に整える……。
「見てよマリーちゃん、もう三発目なのに、こんなに出たわ」
ハルくんだって、こんなに出てるところは見たことないくらいゴムにあれが溜まってた……。
ぼーっとした表情でそれを見る……自分のハァハァという呼吸の音がうるさい……。顔が熱い……。
「ふー!スッキリしたし、今日は寝るかなー」
早くシャワーを浴びて出ていってほしかった……。
私は……まだ動けそうになかったから……。
「あ、言い忘れ。マリーちゃんも気持ちよくなってくれたみたいで、良かったよ」
ニヤニヤした顔で私のことを見下ろしてくる……。はやくどっか行って……。
「……マリーちゃんも楽しんでくれたと思ったけどなんか不満な感じ?」
急に冷たい声を投げかけられてビクッとする……。
恐る恐るコーキくんをもう一度見上げてみると、口だけ笑った能面みたいな表情で見下ろされていた……。
自分の手元の使用済みのゴムをプラプラさせながらしゃがんでくる……。
そのゴムを数回左右に揺らしたと思ったら……汚い!私の顔にくっつけた……。
「これ、浮気のしょーこ。……ハルってさ嫉妬深いんだよねぇ」
彼の言わんとすることを理解する……。
「どしよっか」
今度は満面の笑みを浮かべてそう問いを投げかけてくる……。
「ど~しようかな~」
思案するように腕を組んで考え込むふりをする……。
「……ハルにばらされたくないよね?」
また冷たい声で問いかけてきた……。
ガクガクと体が震えるのを感じた……。
「はい……言わないでください……」
コーキくんが襲ってきたのに……。
満足したのか、私を放置してコーキくんはシャワーを浴びている……。
「マリーちゃんありがとね。すっきりしたよ」
シャワーを止めて私を見下ろしてくる……。
「でもそうだな、俺さマリーちゃんのこと気に入っちゃったからさ」
聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない……。
「明日俺の家来いよ。来なかったら全部ハルにばらすから」
ハル──
今頃コーキが下で遊んでいるはずだ。あいつ、こういうこと考えさせたらほんと天才だ。
ま、もう少し遊んだら幼馴染くんとかいう奴に返して、次の女に交代かな。
いずれ俺に心底惚れてる時子とお堅い結婚をするんだ。それまでくらい、ちょっと遊んでも問題ないよな。
にしても、セーナちゃん、仕込まれすぎだろ。さっきまで自分に入ってた『俺の』を口で丁寧に掃除してくれてる。
この子、緩いな。マリーが伸びちゃって……少し遊んでくれない?って言ったらあっさりOKだ。
あっという間に受け入れたのは拍子抜けだな。
自分から動いて気持ち良くしてくれんのは高評価だけど。
コーキほんとに捨てるのかな、もったいない。
キープしてセフレにすんだろうな。あいつ前からエグいもんな。
あー、それならマリーもセフレにするか。もったいないし。
幼馴染くんには申し訳ないが、もう少し遊ばせてもらおう。
『お掃除』が終わってこっちを向いてるセーナちゃん。そろそろあいつらも戻ってきちゃうかな。
夜は長い。マリーとまた遊んで……明日はそうだな……。
「セーナちゃん、明日も俺と遊ぼうよ」




