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幼馴染が急に距離を置き始めたので、少林寺拳法始めてみました  作者: 10kg痩せたい
幼馴染篇

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第十話 北条の噂

真理愛──


~10月1週目~


 文化祭の準備を進めているときに、クラスの女子が話していた北条さんの噂を聞いてしまった。


 北条さんがお爺ちゃんの店の駅周辺によく行っていて、年上の男性と会っているという話だった。

 パパ活とかそういうのかなと、根拠もないのに皆が話に混じり始めた。


 他にも放課後、視聴覚室で男の子と密会しているみたいな噂もあるそうだ。


 もしかして……あの時会ったのはその用事だったのかな。あの表情は、たまたま私が会っちゃったから見られたくなかったのかなって思った。

 でも、それをここで言うと噂が間違った形で広がっちゃうかもしれないから私は聞くだけに留めた。


 それに、初めて知ったけど西片くんは北条さんの幼馴染で、よく知っているからそれは噂にすぎないと否定していた。

 でも、じゃあなんであんなに暗い表情をしていたのかな……。




学──


~10月1週目土曜日~


 久しぶりに来たとあるファミレス

 何の因果かまた隣には西片くんだ。


「おめ~」


「ようやく聖奈とそういう関係になれたわ」


「いやいや下品下品」


「お前もはやくこっちにこいよ?」


「わかってるって」


「どうなの、最近は。よく話してるけど」


「う~ん、変わらず……かな。たぶん例の幼馴染だと思うんだよな」


「ふぅ~ん、そうか。協力する?」


「協力って、お前が出張ると変なことになりそうだから要らない」


「ちょ~!ちょっちょっちょっ、聞き捨てなりませんなぁ!」


「あはは、わりっ。冗談だってば。頼りにしてるよ、相棒」


「おうよ、任セロリ!」


「……いや古くないか、それ」



 男友達と盛り上がったからだろう。そういう会話をすることもあるさ。

 ただそういう話はもう少しクローズドな場所でやった方が良いと思うぞ……。




真理愛──


~10月2週目~


 放課後、今日は聖奈ちゃんも、西片くんも用事があり、何をしようかなと悩んでいたら、いつも元気で明るいグループの女の子達が話しかけてくれた。


「まりあっち~おつ~」「おつ~」


「珍しく今日は1人~?」


「うん、そうなんだ。聖奈ちゃんも用事があるみたいで……えへへ」


「そうなんだ~、じゃあちょっとおしゃべりしよ~。あたしも彼氏待ちでさ~」「ウチは付き合わされた!」


 お話を聞くとバスケ部に彼氏がいて、今日は試合前だからあと1時間くらいで終わるらしい。それを待つと言う事だった。いいなぁ青春ってかんじだなぁ。


「まりあっちってさ、ハルくんにアタック受けてるじゃん。どうなの~」「聞きたい聞きたい!」


「えっ……うん。よく遊びに誘われてるけど、えへへ、アタックなのかな?一緒に遊んでるだけだよ」


「ええ~でもハルくんだよ!」

「そうそう。ハルくんってさ、中学の頃から真面目で決めたら一筋って男の子で女子からも人気あったんだ」


「でもこれまで彼女らしい彼女もいなくてなんでだろ~ってみんな話しをしてて」「そうそう!」


「高校に入ってからあれれ~って思ってたら、まりあっちみたいな可愛い子と遊ぶようになってさ。納得~ってみんなで話してたの」「わかるぅ~」


 皆が可愛いと言ってくれて少し照れてしまう。

 そうだよね。私も西片くん見ていたけど、真面目なところが好印象だった。

 成績も良くてサッカーでも1年でレギュラー入りしてるって聞いている。

 並大抵の努力では出来ないことだと思っていた。

 皆も西片くんのことを評価してくれていて、なんとなくホッとする。


「そうなんだ。たしかに西片くん、良い人だよね」


「だからね、あたし達はハルくんのこと、オススメするよ!」「オススメ!」




 2人といっぱいお話しできた。ふと会話が途切れたタイミングで1人の子が気になる話題を出してきた。


「ところで話変わるんだけどさ」「どした~ん」


 少し話すか迷った感じで……私に質問をしてきた。


「……まりあっちって幼馴染の男の子、居たよね?」


「A組のがっくん。南雲学くんのこと?」


「そーそー、南雲君!その彼がさ、最近北条と会ってるらしいじゃん」


 ドキリとする。どういうお話だろう。


「まず北条なんだけどさ、聞いたことあるかもしれないけどいろいろ噂が流れているの」


 聞いた。でもそれはたぶん噂でしかなかったはずだ……幼馴染の晴くんも否定していた。


「でもね、それ以前の……中学の頃から、先輩に手を出しているとか、パパ活しているとかいう話もあった子なの」


「えっ……」


「そういう噂が1件とか2件とかならさ、噓かもなってなるけど、高校に上がってからも途切れてないの」


「うそっ……」


「でね、南雲君のことなんだけど。そんな北条に近づいてるって話が出てて……」


 私は言葉を発せなくなっていた。


「中学の頃もね、男の子が取られちゃったって泣く女の子が多くて……男の子も飽きられたらポイッて捨てられるみたいな感じでカップルどっちも不幸になるっていうのを知ってるんだ……」


 ほんの数秒、冷たい沈黙が流れる。


「南雲君については具体的にどういうことがあったかとかはまだわからないんだけど……なんか北条に夢中だっていう話で……」


 じゃあがっくんは、北条さんに遊ばれているかもしれないってこと……。

 そんなの酷いよ。がっくんは真面目だから、簡単に騙されちゃうかもしれないッ!

 もし騙されていたらその時は私が……。


 ……私が、どうしたらいいんだろう……?


「話しておいてあれなんだけど、この話さ、裏取れてないんだ。他の人に話したりするのはちょっと待ってね。一応幼馴染のまりあっちには伝えておこうと思って……」




学──


~10月2週目土曜日~


 今日はバイトもお休みをもらい、クラスメイトと遊びに出かけた。


 遊び……というか半分は文化祭の買い出しだ。

 クラスの女子に持たされたメモを見て、近所のターミナル駅で買い物をした。


 衣装や食器類はもうあるので、おしゃれなコースターやランチョンマットにこだわりたいと言う事だった。


 いやそういうのはセンスある奴が行くべきでは?と言ったがじゃんけんで負けた俺達に役目が回ってきた。

 み、見える……センスが悪くてクラスの女子に断罪される未来の俺の姿が……。






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