後夜祭
「ありがとうございました。以上で全ての演目が終了となります。それでは最後に全ての出演者に登場してもらいます。それでは皆さんどーぞー!!」
出演者が手を振りながら次々とステージ上に並ぶ。
「サマンサー!」
「Dガールズー!!」
会場には歓声と声援が飛び交う。
「出演者の皆さん、ご苦労様でした。会場の皆様もう一度盛大な拍手をお願いします!」
一際大きな拍手と声援に会場は包まれ、音楽祭の盛り上がりを表すのだった。
「来賓の皆様、並びに来場いただいた皆さん、大いに盛り上がって頂き音楽祭大成功を納める事ができました!本当に、本当に、ありがとうございました!!」
「音楽祭終了をもちまして料理コンテストの投票もこれまでとなります。ここからはコンテスト結果発表となります。集計完了まで今しばらくお待ち下さい。」
ステージ上では大きく手を振る者や深く頭を下げる者、思い思いで感謝を表現する。そして緞帳とともに音楽祭は大盛況で幕を閉じた。
サマンサやDガールズ、その他の出演者達のおかげで、会場は今だに興奮冷めやらず盛り上がっている。幕の降りたステージには再びブルーノが現れる。
「皆さん、興奮未だ冷めやらぬといったところでしょう。音楽祭とても素晴らしかったですねぇ。さて今からは、コンテストの集計結果の発表となります。皆さんの一票はどちらの屋台に入れたのでしょうか?」
「それではランキング上位の現在の票数をどんどん発表していきましょう!」
ステージ上には、沢山のスタッフが票数を調べている。それはライブで観客の目の前で開票されていった。
音楽が流れる会場では、お酒と食事があちらこちらで楽しまれており、音楽祭での曲や出演者、お気に入りの屋台、コンテスト決勝進出などを話しあったり、おすすめご飯の話しで盛り上がるのだった。
「現在得票数一位は、黒毛長牛のロースト!ガストン商会です!!」
「おぉー!!」
「美味かったぞー!!」
「票数から決勝進出は決定しております!おめでとうございます!!」
「ありがとうございます。皆さんのおかげでございます。」
ステージ下の会場でガストンが皆に手を振る。満面の笑みの下はさも当然と言わんばかりの自信が見え隠れしている。
「引き続きまして二位の発表です。二位はエマおばさんのレンゴのポモド煮込み。エマ食堂です!!」
「エマさ〜ん!」
「お袋の味サイコー!」
「ありがとうね〜。」
「さて、集計が終わったようですので、三、四、五位と一気に発表していきます!」
「三位は、毛長牛と夏野菜たっぷりスパイスカレーライス!ゴメスの宿!!」
「四位、ポルの甘辛串焼き!カフェ、アリスのティーパーティー!!」
「最後五位は、野菜と挽肉の焼き麺!!クバル市場食堂!!」
「さぁ、上位五組決定致しました!!明日はコンテスト決勝戦となります、各街よりお越し頂いた来賓の皆様にクバルナンバーワンを決めて頂きます。それては明日もお楽しみ下さい。本日もありがとうございましたー!!」
かくして音楽祭、並びにコンテスト予選が終了し、残るは後夜祭のみとなるのだった。
そして翌日の夕方、後夜祭が始まる。
会場にはすでに人は集まり、思い思いに楽しんでいた。
「今日で祭りも終わりかぁ、寂しいよな」
「これだけデカい祭りは初めてだったからなぁ」
「今日もいっぱい食って、呑んで楽しむぞー!!」
ステージに照明が灯り、ブルーノが姿を表した。
「本日も沢山の来場者にお集まり頂き、誠にありがとうございます。いよいよ復興祭最終日、後夜祭となりました。昨日の音楽祭の興奮冷めやらぬ会場ですが、本日の食べ物コンテスト決勝でお祭りは終了となります。皆さん、食べこぼし、騒ぎ残しのない様盛り上がって下さい!!」
「それでは、食べ物コンテスト決勝戦を始めまーす!!」
音楽と共にステージ中央にある垂れ幕がめくられると予選通過した五組のメニューの書かれたボードが現れる。
ステージ左側には審査員用の席とテーブルが設けられ、この場で実食される。
「それでは審査員の登場です!まずはクバル首長サマンサ女史…」
次々と審査員が呼ばれていく。
「そしてログナー卿ですが、生憎お仕事のご都合で本日は欠席となり、代行として第一秘書をお務めしておりますファン・リーガルさんに審査をお願いいたしました。」
レイモンドの横に座るファン
「おやおやお久しぶりです、リーガル殿。クバルにおいでとは。」
「お久しぶりです、レイモンド様。お変わりないご様子でなにより。」
「ログナー殿はお仕事ですか?」
「はい、急用が出来まして、私が代役を務めます。お館さまから皆様によろしくと言伝をお預かりしております。」
「フィルモアのファン家の御子息ですから代役など勿体ないくらいですねぇ。」
「まだ家督を継いでおりませんし、なにより修行中の身、何事も勉強でございます。」
「それは結構な気構えですね。」
「ところで、舞台拝見いたしました。さすがレイモンド様何をやってもお上手です。」
「これはこれはお褒め頂き誠に恐悦至極。」
「それと我々が主からの言伝ですが、フィルモアにお寄りの際はお顔をお出しする様にと、今回の舞台の件でお話しがあるとか…」
「そうですか…、分かりました。お仕事で伺う予定がございますので、その折りに主にお会いしますね。」
「それでは引き続きまして、コンテスト決勝進出の五組に登場してもらいまーす!」
名前を呼ばれ、五組の代表がステージに出揃う。
「それでは、まず順番のくじ引きをしてもらいましょう!」
一 黒毛長牛のロースト
二 ポルの甘辛串焼き
三 野菜と挽肉の焼き麺
四 エマおばさんのレンゴのポモド煮込み
五 夏野菜たっぷりスパイスカレーライス
くじ引きの結果、この順番で決勝が行われることになった。ニヤつくガストンと対照的にアサヒの顔が曇る。
こういう時は、やはり一番手が有利になりがちでやはり印象に残りやすいのだ。
「決勝戦スタートッ!!」
自信たっぷりのガストンが料理をテーブルに運ぶ。
「それでは一組目黒毛長牛のロースト、どうぞっ!!」
審査員は真剣に料理に向かい合い、そして評価をしていく。
「さすが黒毛長牛、これほどのものはそう安易とは手に入りませんぞ!正に贅の極み!」
グースが賛辞の言葉を並べる。
「たしかに美味いですなぁ。」
「まだまだ料理はございます、二組目に参りましょう!」
そして、審査は進んでいく。
「これで最後五組目、夏野菜たっぷりスパイスカレーライス!」
カレーライスをテーブルに運ぶアサヒ、心なしか若干の緊張をしている様に見える。
「ほう、よい香りですねぇ。」
「初めてお目にかかりますわ。スパイスの効いた香り、暑い時期にはとても良さそうですわ。」
「うん、程よい辛味に野菜の甘さと肉の旨みもしっかりと出ておる。」
審査員達は一様に良い心象であった。ただ一人グースは苦々しい顔をしていた。
「さぁ、それでは審査に移りたいと思います。審査員の皆さんクバルの名物に相応しい美味しかった料理をお書き下さい!」
配られた紙にそれぞれ記入する審査員達
「優勝、そして準優勝にはクバル名物認定とトロフィーが用意されております。審査員の方々よろしいでしょうか?それでは回収いたします。」
合計七名分が集まり、開票される。
「それでは二位から発表します!」
「第二位、準優勝は…、野菜と挽肉の焼き麺!クバル市場食堂!!おめでとうございます!!」
「そして映えある第一回クバル食べ物コンテスト優勝は………、夏野菜たっぷりスパイスカレーライス!!ゴメスの宿でーす!!!」
「よっしゃー!!」
カレーライスの名が呼ばれ、つい声が出てしまうアサヒ
「やったー!」
「すげぇぜ、アサヒ!」
会場ではアコやネェル、ゴメスやチェン運送の仲間、そしてガンツォ達が歓声をあげ喜びを表している。そしてあちこちから大きな拍手が起こり皆新しいクバル名物を讃えるのだった。
審査員席では自信たっぷりだったグースが必死で悔しさを抑え、引き攣る笑顔で拍手をするのだった。
こうして生まれた新しい名物と新しい歌姫達の誕生は、クバル復興の象徴として住民達の心に刻まれるのだった。そしてチェン運送は名実共にクバルの一員となったのだ。
しかしアサヒの心には一抹の憂いが芽生えていた。
これにて復興祭終了です。
各キャラクターの個性が表現できたかなぁと思っておりますが、いかがだったでしょうか?
それはさておき、毎度閲覧ありがとうございます。
ブクマしていただいた皆様重ねて感謝いたします。
読んでいただけていると思うと、モチベーションが高まります。感謝感謝でございます。
引き続きお楽しみいただけると幸いです。




