仮面の者達
修正版です。
束の間の息抜きを終え、アルとピーターは川に足を突っ込んだまま川岸に寝転んでいた。
「あぁ〜気持ちいいなぁ。昨日は匂いと暑さでこんなとこで暮らせねぇよって思ったけど慣れちまえば気にならねぇし案外地球っていいとこじゃね?」
「そっスね。水もすっごい綺麗だし、これで食べ物も美味しかったら言うことなしっスよ。」
二人が青天の空を見上げて話している。その少し離れた場所でニコルとネェルも美しい自然を楽しんでいた。
しかし、それぞれに休息をとる彼らの背後の森では、怪しい集団が彼らを監視していた。そして彼らは姿を現す。
「おいっお前たち!そこを動くな!!」
「はぁ?」
「えっ?」
突然の怒声の方を向くと、ゴーグルとマスクが一体になった仮面を付けた者達がいた。
そしてその傍らには、仮面の仲間に後ろ手に腕を掴まれ首筋に短剣を突き付けられたラノの姿があった。
そして周りにいる仲間もそれぞれ手に武器を携えこちらに身構えていたのだ。少なくとも十五人以上に囲まれており、すでにアサヒたちは抵抗できない状態になっていた。
「おいっ、そこの女達こっちへこい。」
仮面の者の一人がニコルとネェルに声をかける。その声はまだ若い女性の様であった。
「アサヒさん、どうしよう?」
ニコルが不安気な顔をアサヒに向ける。
「とりあえず、言われた通りにするんだ。」
仮面の者の何人かが、ニコルとネェルに近づいていく。
そしてニコルに話しかけてくるのだった。
「大丈夫か?お前たちを助けにきたぞ。」
「え?」
「昨日から見張ってはいたが、ゴーレムがいたのでな。隙を伺っていたんだ。」
「は?」
「この場を収めたら、ちゃんと村まで送ってやるから安心しな。」
何やら会話がおかしいと怪訝な顔をするニコルだった。
「だ、だ、誰か助けてっ!!」
その時、情けない悲鳴をあげたのはラノだった。
次の瞬間ラノの腹部に短剣の柄がめり込むとラノは残りの吐瀉物を吐き散らしながらそこに顔から突っ伏すのだった。
「そこの女の子もこっちへおいで。」
ネェルに近づいた者が手招きをしながら優しく話しかけると、ネェルは不思議そうな顔で仮面の者に訊ねるのだった。
『なんで襲ってきたの?』
「襲う?違うだろ。お前達を助けに来たんだよ。」
『そうなんだ、ありがとね。』
呑気なネェルは仮面の者と手を繋いで歩いていくのだった。
「おいっ!貴様らはどこから来た!?答えろ!!」
「いや待て、俺たちは昨日ここに来たばかりで……、」
「そんな事はわかってる!どこの盗賊団だっ!?人攫いなんてしやがって何を企んでいる!」
「はい?なんのことやら……。」
「とぼけてんじゃねぇぞ!あちこちの村で人攫いや略奪をしやがって!!」
「五日前にハーレーを襲ったのもお前たちだろ!?」
アサヒはこの付近で事件があり、そしてその容疑が自分達にかけられてしまったと気付いた。
「いや、何があったか知らないけど俺たちは……。」
アサヒが自分達の事を説明しようとした時、先程ニコルとネェルに声をかけた女がにが話しに割り込んでくるのだった。
「ねえっ!ゴーレムを動かされる前にさっさと片付けちゃおうよ。」
「いやなんか言いかけたみたいだしよ。」
「そんなのいいから!あんたゴーレムの相手したいの!?」
「いや無理に決まってんだろ!分かったよ。」
「おい、お前たちへの尋問は後だ。くらえ!!」
仮面の者たちが話していたが、女に押し切られた仲間が球状の何かをこちらへ投げ込むのだった。そして破裂した物体から煙が上がると、アサヒたちはその煙をまともにくらい吸い込んでしまう。
「ゲホッ、なんだ!?」
そしてアサヒ達は、膝から崩れ落ちその場に倒れ込んでしまうのだった。
「やだっ!アサヒさん!?」
その様子を見たニコルが慌てて駆け寄ろうとしたが、仮面の者に止められてしまうのだった。
「ダメだ。煙を吸い込んだらねえちゃんも気を失っちまうぞ!」
「なんて事するんですかっ!あの人は仲間で私たちは盗賊なんかじゃないですよっ!!」
「えっ!そうなの!?」
「あなた達は何者なんですか!?」
「いや、クバルの自警団なんだけど……。」
「なんで話しを聞いてくれなかったんですか!?」
ニコルが周りにいる他の者達にも訴えかけると、先程アサヒと話していた一人が仲間の女と言い争いになるのだった。
「だから言ったじゃねぇかよ!なんか話してるってよ!!」
「しょうがないでしょ!盗賊だと思ったんだもんっ。しかもゴーレム連れてるなんて怪しじゃんか!!」
「だからちゃんと調べろって言ったんだよ。俺は。」
「うるさいなミゲルっ!」
「相変わらず口が悪いなアコっ!!」
言い争う二人にニコルは怒りながら叫ぶ。
「そんなのどうでもいいですっ!!皆んなは大丈夫なんですか!?」
先程の煙が晴れてくる中、仮面の者の一人がその面をはずしニコルに答える。
「いやぁすまなかった。俺達勘違いしたみたいだな。ネムリ玉なら大丈夫、三日もすれば起きるだろうから安心してくれ。」
仮面の者達は皆面をはずし申し訳なさそうな顔をニコルにむけるのだった。
そしてニコルと元仮面の者たちはアサヒ達に駆け寄り具合を確かめるのだった。
「とにかく、ほっとくわけにはいかないから街に連れて行って介抱するぞ。」
そしてアサヒ達はそれぞれ荷車に乗せられ彼らの街に向かうのだった。
閲覧ありがとうございます。
よかったら、ブクマ、感想などお願いします。




