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職業:救世主 ~世界の危機にシスコンとストーカー召喚してなにさせる気!?~  作者: 弐逸 玖
2-2 各々(おのおの)の想い、それぞれの立場
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この後の予定ですが

「……さて。みんな揃ったわけだが」

 アテネーが落ち着きを取り戻し、メルカさんがお茶を手配してくれた。

 ただ着替えるだけでもイベントになる。なんて騒々しい連中だ。

 しかも全員各分野で尖ってるという。


 他の連中が、さっきメルカさんと話していたテーブルに集まる一方。

 そのメルカさんは、お茶を持ってきた巫女服を部屋の外へ出るように促し、扉を閉めると俺達から少し離れたところに椅子を持っていって座る。


 ――うん。そうだね、始めようか。


「多分アテネーも聞いてたよな? ――そ、さっきのメルカさんの話な」

「その。有り体に言って、……王都にあってもインコンプリーツへの差別はあると」

「なら、話は早い。……本来お前達は俺と亜里須が王都で法王に会う、そこまで護衛して貰う。と言う約束でここまで一緒に来てもらったわけだ」



 その後は王都に潜り込んで普通に静かにくらす。

 少なくともアテネーの最初の腹づもりはそうだったはず。


 そしてリオの紹介するはずだった、インコンプリーツに理解のある副司祭様。

 これはもう誰のことだか言うまでもない。

 だから。メルカさんのいる今、ここで決めてしまった方が良い。



「メルカさん、――俺達が中央から召喚されるのはいつぐらいの予定ですか?」

「当初の予定より半月以上、ほぼ一月は早いのです。なので、大神殿にて受け入れの準備が整うまでは、どんなに早くても10日はありましょうね。迎えが出るのはそれよりさらに数日の後となるでしょう」



 リオがとんでもない場所に 転移して(もどって)くる。それは初めから計算に入っていたらしい。

 むしろ。王都まで“たった”数週間でたどり着ける場所、そこに戻れたこと自体が計算外。――って、ちょっと待て。

 なんでそう言う方向音痴を迎えに出すんだよ……。


 

「逆に言えばあと二週間しかない。だから呼ばれる前に決めておきたい。法王に会ってその先、このパーティをどうするか」

 できれば個人的にはこのままの枠組みが良いんだが。



「はい。じゃ、まずは特に役にたってないけど私!」

 リオが真っ先に手を上げる。

「お前も、どちらかと言えば護衛される側になるんじゃないのか?」


「どうなんだろうね? その辺。……とにかくそれは、もう話が来てるんだ。法王様に会った後でも、法国を代表してユーリとアリスのお世話係は当面継続。これは決定」

 リオは当面一緒に居てくれるものらしい。


「お前の動向については、俺がとやかく言うことでは無いんだけどな」

「要らないって言われたら交代でしょ? ほら、私は他にお仕事ないし……」

「いや、そう言う意味じゃ無いよ。一緒に居てくれるならありがたい」


 食べるものに不自由はなくなるはずだが、生活力。

 そして大巫女としての影響力は、法国内では絶大。

 コイツがそばに居てくれるなら心強い。


 ――ぴゅい!

【シスコンだしね】

「関係ねぇよっ!」


 確かにリオは可愛い妹、里緒奈に瓜二つ。

 しかも俺はシスコンのスキル持ちだがな!

 ……人に知られると恥ずかしい。以外の効果、あるのか? 職業カテゴリだし。



「ちょっと良いか? マイスター。話の腰を折るようでアレだが、私は別にそう言う約束をお前とした覚えはないぞ」

「いや、だってなモリガン……」


「マイスターに身も心も。処女も心臓も脳みそも魂も、全て捧げる、私がお前とかわしたのは、そう言う契約だ」

 ――そこまで求めた覚えはねぇよっ!


「もちろん。処女は一回分しかないし、そもそも女同士だから捧げ様も無いのだが、アリスについても基本的には同じこと。マイスターと共に私を許した上に拾ってくれた。そのことに変わりは無い」

「……もり。ちゃん?」


 ――更にリオさんまで一緒に居るなら、私がお前の元を離れる理由が無いじゃないか。そう言うと珍しく大真面目な顔で俺と目を合わせる。


「餓死寸前の一飯の恩義。これは返しきれない程重い。しかもマイスターの恩人だと言う以上、リオさんが一秒長く生きられるなら喜んで楯になる。お前に捧げた命というなら、使い道としてはあり得ないくらいに上出来だ」

 普段はただのバカにも見えるけど。本質はバカ真面目な奴なんだよ、コイツは……。


「よって、私はマイスターとアリス。双方から要らんと言われるまで。ランドの外だろうが地獄の果てだろうが、何処までもついて行く。――但し! 他のことはどうでも良い、飯だけは食わせてくれ。……話はそれだけだ」


 コイツはコイツで、あまりに生活力がないから心配はしてた。

 会うまでは雑草だけ喰って生きのびてたくらいだ。


 まぁ俺達にくっついていれば、少なくても当面食いっぱぐれる心配はない。

 そしてリオとっしょなら、いざとなれば。

 同業者のメルカさんが拾ってくれるんじゃないかな。

 でも。



「それで良いのか? お前がやりたいことってなんか無いの?」

「やりたいこと? ……考えた事もないが」


「なら、やっぱ一緒に来い。食いっぱぐれないなら、ゆっくり考えられるだろ?」

 頭が良くて器用で才能に溢れた、……変態。

 自分でやりたいことが無い、なんてことは本当は無いはずだ。


「考える。……私がやりたいこと、を?」

「そ。お前には時間が必要だと思うんだ。――俺と一緒に居れば当面、飯の心配は要らないんだ。ゆっくり考えたら良い。今んとこはそーゆーことにしようぜ?」


「その、えーと。……あの、一緒に居て良い、のだな?うむ。それなら、私としての問題はない」

 

 仕事用の機械のように扱われ、村の外には、それ以外出してもらえず。

 その村さえなくなってしまって、ひとりぼっちで、食事にも事欠いて。

 お前は、だから冷静に考えることが出来なくなっただけなんだよ。


 ……時間が必要だと思うんだ。

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