深淵
申し訳ございません。このお話はプロットのため未完成です。
「水素クラゲと大気圏内の紫電に注目してください」
アッテンボロー博士が映像をスローで再生する。
そしてとある瞬間で停止する。
「此処です!紫電が水素クラゲから別の水素クラゲへ伸びています。水素クラゲの挙動に注目してください」
唐揚げ弁当を食べていた水素クラゲを通過した紫電が別の水素クラゲへ至ると、雲間を漂っていた水素クラゲが急に方向転換して、弁当を配っていたドローンを追いかけ始めるのだった。
「まるで何者かが水素クラゲを次から次へと”渡り歩いている”様に見えませんか?」
アッテンボロー博士が研究室に居る一同に問いかける。
「博士は木星大気圏内で日常的に発生する紫電を利用する何者かが居ると推測しているのですね?」
「はい。我々人類も古代から海流に乗って島から大陸へ住み着いて生存圏を築き上げてきました。木星においてはその一つの移動手段として気流や紫電が有るのかもしれません」
満の問いに答えるアッテンボロー博士。
人類との交流に積極的なジュピタリアン。アッテンボロー博士はその生態を知るうちに、ジュピタリアンには本来意思がなく意志ある何者かがジュピタリアンに宿っている事に気付くのだった。
バゲット君がホログラフィックコンピューター画面のキーボードを数多の触手で打ち込む姿は全く違和感が無い。
バゲット君を見ながら説明するアッテンボロー博士。
「前から不思議に思っていたのです。何故、地球人類の科学文明を理解出来るのか?コンピューターやAIという概念を科学技術基盤の無い木星原住生物たるジュピタリアンがスムーズに習得出来る筈が無いのです」
したり顔で説明するアッテンボロー博士。
意志ある何者かについてアッテンボロー博士は、霊的 精神的な力によって存在するタルパと確信するのだった。
「ムッシュバゲット。貴方の望みは何?」
問い掛けるジャンヌだった。
木星へ転移した各国は地球圏と全く異なる世界で各種ジュピタリアンと交流を深めて逞しく生きてゆく。
一方でタルパといわれる別次元宇宙存在は、自らに都合の良い世界を構築しようと依代を拡大してゆく。
「かつて我が種族が栄華を極めた銀河王朝をこの宇宙で実現させるのだ」
黒い傘をフルフルとか震わせて虚空を見つめる黒い水素クラゲ。
大月家、マルス・アカデミー、各国各勢力はチューブワーム長に助力して木星世界安定の為にタルパと対峙してゆくのだった。
✝✝✝
そして遂にタルパ侵略生命体は、ユニオンシティと北海道を訪問中のジュピタリアンを操って人類木星生存協定側に対し奇襲攻撃を仕掛けるのだった。
ジュピタリアンを操られた事にチューブワームの長は激怒し人類木星生存協定にタルパ駆逐への協力を求めるのだった。




